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一般的に明瞭で自信に満ち溢れた語彙を「名言」と称するなら、本作は文豪達の繊細で、だからこそ鬱屈した感情の吐露から「生きるとは何か?」を逆説的な観点で思索した内容である。
それにしても文豪達の表現力には脱帽せざるを得ない。常とは異質な、澱のような泥濘のような、確かなものなど何もないとでも言うような昏さと不安さを端的かつ的確に描写していると思う(当人の自覚や自負は別として、それこそずば抜けた才能というものであろうが)
個人的には、普段なら敬遠する(内容においても厚みにおいても)ドストエフスキー作品は、病がちであるなど何かしら負の側面に己が際した時はつらつらと読み解けるから面妖だ、という内容に激しく同意。身体的に健康な時は、本当に「何が『カラマーゾフ、万歳』だッ!」と苛立ちを抑え切れないものなあ…。
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特に落ち込んでるわけではない時でも、前向きな言葉はキラッキラすぎてちょっと結構です、ってなるしな
絶望した他人の救いのない言葉に救われる
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NHK“ラジオ深夜便”の人気コーナー、ついに書籍化!文豪たちの「絶望に寄り添う言葉」から生きるヒントをさがす。放送内容の完全収録+α!(アマゾン紹介文)
『明けない夜もある』―。
ちょいと過剰に「押し付けない」ことを気にしすぎちゃいないかなと思わんでもないけど、著者の方が繰り返す「辛いことはやっぱり避けたい」に強く同意する。
苦労は買ってでもせよ、なんて知った風にはいいたかないよ。
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絶望した時に読むためのネガティブな名言集。ネガティブさが突き抜けてて電車で思わず笑ってしまった。弱いこと、繊細なことは短所ではない。敏感だから気づけること、弱いからこその愛おしさ。幸福すら破綻に感じる太宰治。なんとなく先が読めない曖昧さに絶望する芥川龍之介。みんな愛おしい
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NHKラジオ深夜便で放送されていた「絶望名言」という番組を、ほぼそのまま収録したのがこの本。2016年と2017年に放送された内容が掲載されてます。
このラジオ番組自体は聞いたことがないのだが、調べたらなんと今(2019年6月)も定期的に放送しているらしい。それだけ要望が高いということなのでしょう。
一般的に「名言」というのは希望や夢を持たせるような、あるいは人を奮い立たせたり勇気づけたりするような、そんな言葉。でも、そんな燦然と光り輝く言葉が、眩しすぎて口に出したり心の支えにしたりするには重すぎることもある。そんなときには、絶望を表現した言葉の方がストンと腑に落ちたり、つらい気持ちに寄り添ってくれたりすることがある。
そんな視点で、実際に13年間、難病で苦しみ続けた文学紹介者(頭木氏)と、脳梗塞で倒れリハビリを経験したNHKアナウンサー(川野氏)が、有名作家たちの残した言葉や作品から「絶望」を拾い上げ、それについて語っていく。面白い切り口です。
取り上げられている作家は、頭木氏曰く「絶望名人」のカフカを筆頭に、ドストエフスキー、ゲーテ、太宰治、芥川龍之介、シェークスピアと、錚々たる「絶望のプロ」達。ゲーテだけはあまり暗い人生を送った人という印象がなかったのだが、読んでみると意外と(というか生きている生身の人であるからには当然に)絶望を感じるエピソードがたくさんあったのだと気づかされ、雑学としても面白い。
しかしまぁ、ものの見事に出てくる名言がどれもこれも絶望的です。かといって読後に暗くなるわけでもなく、むしろすがすがしくなる。絶望すること、不安に思うこと、落ち込むことを悪いこととせず、気持ちを立て直そうと努力したり無理をしたりせずに、時と場合によってはそのまま倒れててもいいじゃないか、という頭木氏と川野氏、そして文豪たちの声が聞こえてきそうな感じ。
いろいろな絶望名言を読んでみて、一番心惹かれたのはカフカと並ぶ我が国の絶望名人(この本ではそうは書いてないけど、そんな雰囲気がある)、太宰治が『人間失格』で書いた言葉。
「弱虫は、幸福をさえおそれるものです。
綿で怪我をするんです。
幸福に傷つけられる事もあるんです。」
書いた本人は真剣かもしれんけど、頭木氏も本書で言っているように、「綿で怪我をするんだから、もうどうしていいかわからない。もう他にくるむものがない」というのがまさにその通りで、ここまでくると絶望的な言葉のはずなのにちょっと笑えてくる。
そういうおかしみというか、楽しさを文章という形にして表現できるのだから、やはり文学史に名を残す作家というのは、美しい文章を生み出せる凄さがあるのだということをしみじみ感じます。
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自分のように、ダメな人間は、絶望しているだけの人間は、ほかにはいないだろうという孤独から、抜け出せる。
それぞれにもがき苦しんでいる。
「心が焦げ付いちゃう」前に、締め付けているものを緩めたほうがいい。
人生は、生きてるだけで丸もうけなのだ。
後悔するとわかってて、やってしまう・やらないのが、人間なんだ。
太宰がたくさんの読者を引きつける理由が、やっと少しわかった気がする。
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ここまで人生を語るのに哲学は必要なのか。とりとめのない事を考えすぎてる風。でも普段あまり頭使ってない私には必要かも。
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2が出ているということを知り再読。番組のコンセプトは「死が救いに思われるほどの絶望をすくいとって言葉にしていく」ということ。生きることに対して前向きにならないといけないという無言の圧力が現代には多く存在すると思う。確かに自殺は悲しいことだし、生きているだけで素晴らしいという事実はあるかもしれない。だからと言って、生きることに対して前向きになる必要は私は無いと思う。将来に向かってつまづきながら生きることも、倒れたままでいることも、幸福に傷つく弱さも、明けない夜も、許される世界があればいいのにと思いました。
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自分にはまだまだ出会うのが早い絶望名言の数々だったと思う。自分が共感しにくいこともあったけれど、辛い時には支えてくれる名言もあった。
この本は読む際の私のコンディションによって星の数が変わってくるので3つ!
そして、何よりカフカ、ゲーテ、シェイクスピアなどの著作に触れ、その人たちの生い立ちや考え方に触れることができてよかった。
当人はどう考えているのかわかりませんが、納豆をやめられないおじさんの話が面白すぎた。逆にこういう人を尊敬してしまう。人間味溢れてて素敵な人だなと感じた。
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失恋した時は失恋ソングが聴きたくなる。絶望した時には絶望の言葉の方が心に染みる。その通りだと思います。15年前に精神的に大変厳しくて、不謹慎ですが死んでしまいたいと思っていたことがありました。会社の同僚からは「元気出して」とか「がんばれ」とか気持ちが明るくなるような本を読んだらとか映画を観たらとか善意のアドバイスを貰いました。ますます凹みました。そんな時、お世話になっていたメンタルクリニックの先生から、ヴィクトルフランクルの「夜と霧」でした。何度も読みました。気持ちが少し救われました。それが正しかったのかなと実感させてくれる作品でした。良い本です。
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カフカに始まりシェークスピアまで6人の名言が頭木さんの書評のように語られている。どちらかと言えばネガティヴ思考の私に刺さるものがある。2も読みたい。
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絶望した人に寄り添う言葉が集まっています。
カフカや太宰なんかは笑えるぐらい弱くてネガティブ。
希望がもてない、消えたい、死にたいときにはまたこれらの本を読もうと思います。
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ラジオ深夜便で放送してたのを書籍化したもの。
ラジオを聴く習慣がなく、夜に聴きたくないというのもあって本を購入。
いわゆる文豪さん的な人の言葉や小説からネガティブな言葉を集めてそれについて対談を行うという形式。
この本では、カフカ、ゲーテ、ドフトエフスキー、シェイクスピア、太宰治、芥川龍之介、とぱっと見それっぽいような方々が選ばれてます。著者の専門である第1回目のカフカは揺るがない。この人が最初じゃなくて誰が最初だ(笑
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休職中に友人の勧めで読んだ。抑鬱状態のときにちょうど良い本なのかもしれない。
複数人の文豪の言葉が出てくる中で、ゲーテの言葉が一番しっくりきた私はやっぱり凡人なんだろうなと思った(笑)
読書好きでも文豪のと呼ばれる人が書いた本に読みづらさを感じてしまうので、誰かの解釈がついている方が挑戦しやすいと感じた。
後書きの『言葉にすると絶望と少し距離ができます』という言葉がすっと心の中に入ってきた。
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タイトルでびっくりしたけど、失恋したときは失恋ソングを聞くように、絶望した時は絶対名言はいいかとおもう。考えさせられる言葉ばかり。