紙の本
彼の政治観を形成したものとは何か?
2007/12/26 21:32
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:dimple - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ケネディ研究者による入門的な評伝である。
ジャック(=JFKの愛称)は生来病弱で、彼の前半生は病気との闘いであった。
加えて、彼の育った家庭は、絶対君主のような父・ジョセフの愛情が長男ジョーに注がれ、母・ローズは家庭をあまり顧みないという特異な環境であった。
ジャックの(特に、大統領になってからの)政策は、外交上は対ソ融和、内政上は人種統合である。一体、この対決路線の忌避と社会的弱者への感受性はどこから来たのか?
これを突き詰めると、彼の育った家庭環境と健康問題に行き着くような気がしてならない。愛情への飢餓感と病弱、そして少数派のアイルランド系カトリックという出自がジャックの政治観を形成したのではなかろうか?
ジャックの暗殺については、著者は首謀者を海軍トップの作戦部長を務めたアーレイ・バーク提督であると断定する。
軍部はジャックの外交政策(対キューバ危機・対ベルリン危機)に批判的であり、バーク提督はその急先鋒であったという。
暗殺は、ジャックが一旦は許可した対ベトナム戦線の拡大を翻そうとしていたその矢先に起きた。興味深い見解である。
投稿元:
レビューを見る
12/14
ケネディ礼賛に近い内容となっているものの、高校時代ケネディ兄弟に憧れ政治学を志した自分を思い出し、アメリカ政治への興味が再燃。
投稿元:
レビューを見る
その死によって過剰な神格化がされているのは事実だろうし、正直著者のケネディへの肩入れがひしひしと伝わったが、それでもやはり魅力的な大統領だと改めて思った。たとえ虚構だろうと、こうした希望の象徴となる指導者の存在は悪いことであるはずはない。と思う。
投稿元:
レビューを見る
ケネディについてのレポートを書こうと思ってとりあえず手に取った。
非常にケネディの「偉大さ」を理解するために良い本だと思う
しかし、これだけを文献とするとケネディ大好きなレポートになりそうなので注意しようかな笑
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
一九六一年、四三歳で米大統領に就任し、三年後、凶弾に倒れたジョン・F.ケネディ。名家に生まれ、海軍士官、下・上院議員として活躍し、一気に頂点に登り詰めた彼は、理想を追い求めた政治家として「神話」化されている。
だがその一方で、家族、宗教、女性、病魔といった問題に常に苛まれていた。
本書は、虚弱だった成長期から繙き、米ソ冷戦下、政治家としてどのように時代と対峙し、生きようとしたか、その実像を描く。
[ 目次 ]
第1章 「ケネディ家」の次男
第2章 「戦争の英雄」から下院議員へ
第3章 下院議員時代―リベラルと保守の狭間で
第4章 上院議員時代―結婚・入院・外交
第5章 大統領への道―予備選、ニクソンとの戦い
第6章 大統領の一〇〇〇日
第7章 暗殺
終章 女性スキャンダル、病、そして遺産
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
死後、神話化されてるケネディも一人の病弱で非社交的な人間だった
しかし、貧困などの社会問題に自ら目を向け、不正を正し現状を克服していこうとした大統領としての英断は今なお評価に値する
タイトルの通り、ケネディの神話と実像を知るには最適の一冊
アメリカの歴史や政治、その背景などを知る上でもよかった
投稿元:
レビューを見る
ケネディの業績だけでなく、彼の個人的な歴史、病弱な身体、出自なども取り上げられており、ケネディを知りたい人にとっては最良の一冊。ハルバースタムのベスト&ブライテストと併せて読むと良い。
投稿元:
レビューを見る
ケネディファンの方向けの本でしょうか。amazonで高評価であったために手に取りましたが、ネットがあればどれも拾える情報ばかりで、あくびがでました・・・。
ケネディ大統領はとても人気のある大統領で、憧れる方も多い。ケネディ大統領に関して内容が詳しく、かつ新書のように簡単に知れるのは本書ぐらいでしょう。
ケネディ大統領のよさをぱっと新書で知りたい方にはおすすめです。特にオフラインか、調べる時間のない方向け。
弱者や貧民に対し優しかったという評価がありますが、本当に弱者に優しいというのなら浮気・不倫・愛人を作ったりされません。愛人を持ったりもされないのです。黒人に対しては優しかったけれど、果たして女性や子どもに対して優しかった大統領なのかは疑問符です。
甘いマスク、ハンサム、イケメンなどの評価もみましたが満たされている人間だったら家族や家庭を大事にされます、まず何より。敵を作りやすい行いも慎むようになるので首をかしげるばかりでした。
高評価とは裏腹な女性への態度は本書を読んで少し推察できるようになったと考えます。
女性関係の乱れは幼少期の児童虐待ともとれるようなしつけ、両親や家庭の不和、兄弟への劣等感、病気、母親や父親からの愛情不足などが彼をとても苦しめたのが一因だったかもしれません・・・。兄弟と比べられたら辛いし、親が冷たいのも苦しいね。
自由と平等であるはずのアメリカでいまなおつづく黒人差別に真っ向から闘ったのは尊敬に値し、世界でも絶賛され続ける大統領ですが。