紙の本
0歳児がことばを獲得するとき
2001/07/26 15:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もぐらもち - この投稿者のレビュー一覧を見る
光太郎が4ヶ月になったばかりの頃です。
お母さん「ほれほれ。光太郎光太郎。ほれほれ。」
(ひざの上であやしている声)
光太郎 「ハッハッハッハッ」
お母さん(なんだこのおっちゃんみたいな笑い声は??)
これは、実は初めての声変わりで、のどの形態がチンパンジータイプ(新生児)からヒトの成人タイプへ変化した証なんだそうです。驚いてばかりいないで、お祝いをしてあげないといけないような大切なできごとでした。
なぜ、お母さんはあかちゃんの声をおうむがえしにするのか。なぜ、お母さんはあかちゃんに話す時、声が高くなるのか。必死にお母さんがあやすことによって、あかちゃんがコミュニケーションをするすべを学んでいく様子が描かれています。
「光太郎はお母さんがおうむがえしするのが分かったかな?まだかな?」毎日の育児が楽しくなる本です。
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人はやっぱり人の中で成長するのですな。小さい赤ん坊が、必死に母親とコミュニケーション様子が伺えて少しほほえましいかも。
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教養的な1冊。
健康に生まれてくれば、頭脳の良しあしに関わらず誰でも言葉をしゃべれるようになりますけど、
よくよく考えたらそれってけっこう凄くないですか?
学校行かなくても誰しもがその能力を身につけられるんですから。
生物ってまあよくできてます。
教育関連に興味がある人は読んでみると面白いかも
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言語学的な話だけかと思ったら、動物学的なアプローチもしていて面白い。
子どものように言葉を覚えられたら理想的だと思う。
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[ 内容 ]
本書は赤ちゃんがことばを開花させるまでを詳細に追求して、授乳を通しての母子間交流、おうむがえしの意味、母親語の役割等を明らかにし、ニホンザルとヒトの音声発達の過程を比較しつつ、ヒトの言語獲得能力の系統的起源を探る。
[ 目次 ]
第1章 くちびるは赤ちゃんの心の窓である
第2章 おうむがえしの意義
第3章 はじめての声がわり
第4章 かわいらしさの発見
第5章 母親語をはなしていますか?
第6章 メロディーがメッセージ
第7章 ホモ・ロクエンスの系譜
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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貰い物の本です。昨日もらって読みました。この著書の本は1冊目ですが,前に読んだのは『ケータイを持ったサル―「人間らしさ」の崩壊』(中公新書)で,ただの中年オヤジの愚痴というしか言いようのない内容でした。ところが,こちらの本は全く違っていまして,比較行動学者が書いたものであるという偽りのないものになっていました。何が著者を「今の若者は…」論者に変えてしまったのか。この本を読んでみて,もしかしたら著者は「ヒトとして素晴らしい仕組みを備えて生まれてきて,こんな文化・こんな社会しか形成できないとはどういうことなんだ!」と言いたかったのかもしれないなぁと思ったりしましたが,前著があまりに暴論なのは否めず,僕のフォローはここまで。
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子どもの言語習得のプロセス、その始まりについて書かれている。
人間は1歳前後からことばを発し始めると思われているが、実はそのずっと前から、コミュニケーション能力を身に付けるべく目覚ましい成長を続けている。
人間は誰もが通ってきた道なのに、また、目の前の子どもの育児に取り組んでいるのに、気づかなかった言語習得のプロセスを、こうやって比較行動学専攻の著者に教えられると、目からウロコが落ちるばかりで、非常に面白く読んだ。
専門家でなくてもわかりやすいように、実験の手順が示されている。仮説、実験、結果、解釈がストーリーのように書かれていて、非常に読みやすかった。
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ただおとなしく寝ているだけに見える生後間もない赤ちゃんが、実はコミュニケーション能力を得るために「積極的」に自ら成長をさせているということに驚かされた。
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(2013.10.11読了)(2004.12.17購入)
【10月のテーマ(育児を読む)・その②】
「子どもがはじめてことばを話しはじめるまでの一年間に、何が起こっているのだろうか。」ということを探求した本です。
誕生して二カ月を過ぎたころから、「アー」とか「クー」意味不明の声を発するようになり、一年前後で、意味のある単語を発することができるようになります。
赤ん坊は、生まれてしばらくは、口の構造が、ことばを話せる状態ではないのだそうです。三カ月過ぎたころに、やっとことばを話せる構造になるのだそうです。
音声によるコミュニケーションは、人間の特権ではなく、鳥類や類人猿などでも観察されています。なわばりの主張であったり、仲間に危険を知らせたり、お互いの位置を知らせるものだったり、いくつか鳴き声による区別もあるようです。危険の種類による区別もあるとか。
【目次】
はじめに
第一章 くちびるは赤ちゃんの心の窓である
第二章 おうむがえしの意義
第三章 はじめての声がわり
第四章 かわいらしさの発見
第五章 母親語をはなしていますか?
第六章 メロディーがメッセージ
第七章 ホモ・ロクエンスの系譜
あとがき
参考文献
●おうむ返し(48頁)
先んじて自分が発した音の特性と、ひきつづいて反応したおかあさんの音の特性が、同じであるか異なるかということを、赤ちゃんは生後三か月の段階ではよく分からないのではないか。しかし四カ月齢に成長すると、認識しはじめる。さらに自らも再び、お母さんに合わそうと努めて発声を企てるのではないだろうか。
●九か月(134頁)
九ヵ月ごろになると、子どもの認知能力は急速な発達を遂げるようになる。それまではたとえば、遊び場面でオモチャに布をかけて見えなくしてしまうと、子どもはすぐに、そこにはもう何もないかのように、オモチャへの関心を失ってしまう。ところが九ヵ月齢に達すると、布でおおったところで自分で布を取り去り、下に置かれているオモチャで遊びを持続するようになる。
☆関連図書(既読)
「新生児」山内逸郎著、岩波新書、1986.05.20
「子育て 小児科医の助言」山内逸郎著、岩波新書、1989.03.20
「赤ん坊から見た世界」無藤隆著、講談社現代新書、1994.05.20
「赤ちゃん学を知っていますか?」産経新聞取材班著、新潮文庫、2006.06.01
「赤ちゃんの心と体の図鑑」デズモンド・モリス著・日高敏隆監訳、柊風舎、2009.10.30
「赤ちゃん教育」野崎歓著、青土社、2005.07.07
「今日 Today」伊藤比呂美訳・下田昌克絵、福音館書店、2013.02.15
(2013年10月14日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
本書は赤ちゃんがことばを開花させるまでを詳細に追求して、授乳を通しての母子間交流、おうむがえしの意味、母親語の役割等を明らかにし、ニホンザルとヒトの音声発達の過程を比較しつつ、ヒトの言語獲得能力の系統的起源を探る。
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言語は人間の最も高度な能力。比較心理学の立場から言語の獲得について検討を行い、なぜ動物を対象にする心理学があるかについて示している。〈ブックガイドより〉
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動物行動学の視点から、乳児のコミュニケーションのあり方に迫り、人間の言葉の習得の秘密に迫った本です。
乳児が母親の授乳を通じて、無言のコミュニケーションをおこなっているという事実は、興味深く感じました。また、文化的差異の認められるいわゆる「赤ちゃん言葉」とは異なる「母親語」(Motherese)の研究によって、通文化的・普遍的に見られる、母親と乳児のコミュニケーションを探っていくところに、動物行動学から言葉に迫る方法がよく示されていて、おもしろいと感じました。
著者の『ケータイを持ったサル』や『考えない人』(ともに中公新書)は疑似科学として批判されていますが、本書は人間の行動の文化的側面と生物学的側面をひとまず区別しており、問題は少ないように思います。とはいえ、かなり危ういと思われる発言が飛び出しているのも事実です。たとえば「あとがき」に、「子育てには、さまざまのコストを埋め合わせてなお余りある、われわれの人間としての眼を成長させてくれる潜在的可能性が付与されているように思う」と述べたあと、「女性は社会のなかで単に「男性並み」になるのではなく、自らの性の特性を活かして活躍できるのではないだろうか」とありますが、これは倫理学で言われる自然科学的誤謬の典型だと思われます。生物学的な性差があるとしても、そこから「女性は赤ちゃんに対して深い好奇心を持って子育てに望むべきだ」という主張は引き出すことはできません。反対に、「そうした性差によるギャップを埋めるために、働く女性の労働環境と男性の子育てを社会が支援するべきだ」という主張を展開することも可能でしょう。何も構築主義が正しいというつもりはありませんが、動物行動学の視点から人間の行動を考えていく際には、こうした問題についてもある程度意識的であってほしいと思います。
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この当時は正高信男氏は誰なんだ?何者何だと。
そう言う噂が流れておりました。
作られた存在?京都大学犬山校舎の合作ちゃうんかと。
〇〇正高氏と〇〇信男氏が居て・・・もっと大勢参加して
一大プロジェクトとかで。
大黒麻希だったっけ?あんな感じで。
バーチャルな歌姫的ななにか。
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ことばをテーマに赤ちゃんを読み解いている本。著者がもともとは大人のサルの研究をずっとしてきたのに、子どもが生まれて赤ちゃんに興味を持ったという経緯も面白い。
リアルタイムで育児をするものとして、いくつも発見が必ずあった。おうむがえしを理解できる瞬間の話。赤ちゃんに話しかける親の声が高くなる理由。赤ちゃんが言葉の内容ではなく、メロディーで理解していること。どれも当事者としてなるほどと思った。
メロディーでコミュニケーションをとる赤ちゃんの能力はある意味で大人とは違う特殊能力のような感じがする。
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生物学的にどう他の動物と違うのか、どのように人は言葉を獲得していくのか、話始める前の親子でのやり取りの大切さがわかった。言葉でやり取りできないことはもどかしいが、その理由はちゃんとある。生き抜くためだ。赤ちゃんは必死で生きてる。大人の理解はあればあるほどいいだろう。
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ヒトが言葉を獲得する、という印象を受けるタイトルではあるが、どちらかといえば「言葉を聴く」ことを中心に、ヒトがコミュニケーションの能力を獲得していく過程が描かれていてとても分かり易かった。
特に「赤ちゃん言葉」に関する文化的な背景の解説は面白かった。