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先進国=少子化、途上国=人口爆発というとらえ方はすでに崩壊している。では、途上国での少子化は何を意味するのか。
人口ボーナスという考え方を使って、経済成長戦略はどうあるべきか、そして人口ボーナス後の社会にどう備えるべきかがコンパクトにまとまっている。
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日本を含むアジア経済の世界に占めるシェアは23%(2006年通商白書)。一方、少子高齢化がアジア全域で進行しており、NIES諸国は日本よりも低い合計特殊出生率(2005年、日本:1.3に対し、韓国/台湾:1.1、香港:1.0シンガポール:1.2)であり、中国/タイも2.0を切っている。他方、高齢化率では既にNIES、中国/タイが7%を超えた高齢化社会。2025年には高齢化率14%超の高齢社会に突入する雁行的人口変化というべき事態。生活水準の向上や保健衛生の改善による多産多死→多産少子に移行し、過剰人口が発生。そこから人口ボーナス、日本でいう団塊の世代的な若い労働力の膨張が急速な経済発展の基礎となったという解説は面白かった。日本の人口ボーナスは1995年で終了したとまとめているが、確かに日本のGDPのピークは同年頃であり、非常に的を得た解説だと思った。
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http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=2863595
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人口ボーナスという考え方を軸にアジア各国の状況がよくわかり、とても興味深い内容。日本は1990年代に人口ボーナス期を終え、NIES(韓国、台湾、香港、シンガポール)+中国は2015年までに終了。ベトナムは2025年、マレーシア、インドネシア2030年代、フィリピン、インドは2040年頃終了。そしてボーナス期間に社会資本として良質なストックを蓄積できなかった国家は、大変な社会的な問題を抱えることになるという骨子に非常に衝撃を受けた。
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[ 内容 ]
中国の経済成長率が11%を超えたと報道され、この勢いに引っ張られるかのように、アジア全体の経済も順調に推移している。
だがこれは、よく喧伝されるように「21世紀はアジアの世紀」の証明だと考えてよいのだろうか。
アジア全体の少子高齢化とい
う現実を見れば、楽観は許されない。
いまだ社会保障制度が整備されていないアジア各国の10年後、20年後を見据え、アジア
全域で豊かな社会を構築するための方途を提言する。
[ 目次 ]
第1章 アジアで進む少子高齢化
第2章 経済発展を支えた人口ボーナス
第3章 ポスト人口ボーナスの衝撃
第4章 アジアの高齢者を誰が養うか
第5章 地域福祉と東アジア共同体
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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高齢化率が7%を超える高齢化社会から14%を超える高齢社会にいたるまでの期間を倍加年数 フランス115年 スウェーデン85年 英国47年ドイツ40年 日本24年
アジアは日本と同等またはそれ以上のペース シンガポール16年韓国18年
生産人口の割合の高さが経済発展を後押しする作用は人口ボーナスと呼ばれる
日本の人口ボーナス 始点1930-35 終点 1990-1995
NIES、中国は2010-15に終わる
佐々淳行 悲観的に準備し、楽観的に行動する
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「消費するアジア」に先行して書かれた、アジアの少子高齢化問題に焦点をあてた本。アジア新興国の少子高齢化はすでに始まっていて、成長の果実を得る前(「人口ボーナス」と呼ぶそうです)に、特に人口の大半を占める農村高齢化が大きな課題だということらしい。それにしても、少子高齢化は経済発展に伴う必然であるため、子育て支援などの政策がどうあっても、出産率が2人まで回復することは相当無理があるという印象も持ちました。
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日本企業のアジア進出はアジア成長が前提になっているが、実はアジアは急速に少子高齢化が進んでいる。この現況をとらえ、アジア経済の活力は今後も持続するのか?アジアは10年20年後にどのような課題を持つのか?その時日本はどのような役割を果たすべきか?を書いた本。
興味深いのは、先進国は将来発生する貯蓄不足に対して新興市場からの資金取り込みを期待しており、他方、新興国は先進国からの資金取り込みをこれまで同様に成長戦略の中心に捉えているという点です。先進国と新興国が将来的な成長の資金源を相互に期待しており、「誰が世界の資金不足を賄うのか」という問題が近い将来浮上してくるかもしれません。いや、もしかしたらもう来ているのかも?
アジアビジネスに関わっている人、アジア進出を検討している人にお勧めします。
ただし、最後の改善策に目新しさは特になく、読後のすっきり感はありませんでした。その点が残念でした。
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引き続き、同じ著者の「老いてゆくアジア」を読む。
アジアの差し迫る課題がわかった。同じ発展途上国といってもアフリカとは
かなり様相が異なる。アジア特に東南アジアでは人口爆発の時代から高齢者人口爆発の時代へ移行している。
急激な少子化の原因として4つあげている。
1)核家族化
2)結婚年齢の高齢化
3)子供の養育費のコスト
4)ライフスタイルの変化
人口ボーナスという概念がポイント。ベビーブームの世代以降、出生率が下がり、「養うべき子供世代」が少なく、生産年齢人口がおおいため、負担が少なく経済発展が期待できる時代。ただ、ある程度年月が経つと、高齢化社会への入り口にさしかかる。
経済発展はこの人口ボーナスによって支えられた。
後半はかなり飛ばし読みをした。が、リマインドしておきたい事実として、下記をあげておきたい。
1. 2005年現在での合計特殊出生率
日本は1.3に対して、
それよりも少ない、
韓国・台湾・香港・シンガポール
注)人口維持に必要な出生率は2.1
2. 2025年にはNIESは高齢化率14%を超える高齢社会
安定的にこの高齢化社会を迎えるためには域内における協力体制が必要となる。居住地域をベースにした福祉、地域福祉の必要性。(だだ、福祉の実践に関しては、最後の方を読飛ばしているので、理解しきれていないが)
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今年くらいの中国を中心に意外と早く高齢化が進むアジア諸国の状況を再確認。同様の状況の80年代の日本ほど経済成長、と国経済に占める消費の割合や福祉が進展していないのが難点であるとする。
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人口動態から経済をみる本が最近のお気に入り。日本は90年から95年に生産労働人口がピークアウトした(いわゆる「人口ボーナス」の終了)。韓国や中国、台湾など東アジア各国も2015年までには人口ボーナスの終りが来る。
日本は「高齢化社会」はとっくに過ぎて、5人に1人が65歳以上という超高齢社会が目前だ。人口ボーナス期に一人当たりGDPを世界第2位まで上げた日本ですら、この超高齢社会には社会制度が対応できていない。
人口ボーナス期が終わりに差し掛かっている東アジア各国は経済は、比較的堅調に伸びているとはいえ、1人当たりのGDPは日本に遠く及ばない。いずれも日本と同じく少子化傾向があるため遠からず少子高齢化社会になる。その時の備えは日本以上に難しそうだ。
一つ気になったのはマレーシアだ。この国は人口ボーナス期の終わりが2035年頃と遅いのだ。一体なぜだか詳しい説明はなかったが、これから調べてみたい。
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「高齢化社会」、「高齢社会」、「超高齢社会」について解説の引用
65歳以上の人が総人口に占める割合のことを“高齢化率”という。この高齢化率が7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」ということになる。日本は1970年に高齢化率が7%を超え、1994年には14%を超えている。2005年10月1日の時点での高齢者人口は過去最高の2560万人で、高齢化率は20.04%と初めて20%を突破した。21%超えは時間の問題。日本はまさに今、超高齢社会の入り口に差しかかっているのである。
国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、高齢者人口は今後も2020年まで急速に増え続ける。その後はやや安定するが、総人口が減少していくため高齢化率はさらに上昇し続けて、2015年には26.0%、2050年には35.7%に達すると見込まれている。日本人の3人に1人が65歳以上という“超超高齢社会”になるわけである(http://research.goo.ne.jp/database/data/000579/)
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http://www.chuko.co.jp/shinsho/2007/09/101914.html
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人口ボーナスの経済へのインパクトと、適切な経済構造への変革の必要性の説明は非常に面白かった。ここまでは星5つ。最終章の東アジア共同体の説明が竜頭蛇尾で、マイナス0.5。
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医療の普及発展による乳幼児死亡率の劇的な低下と高齢者の長寿化により、世界は急速に高齢化している。
また経済発展は少子化傾向を推し進めることになるため、高齢化と少子化が同時に進行する。
その先頭を走るのが日本であるが、それ以外のアジアの国々でも、高齢化が進行中である。しかもそのスピードは世界最速といわれてきた日本の速度を上回る。
人口構造の変化は、その過程で、人口ボーナスという経済発展に好都合な時期を生む。この時期は子供と高齢者が少なく、労働者人口が圧倒的に多い。
日本はこの時期を巧く活用し、飛躍的な経済発展を遂げた。(団塊の世代と高度経済成長期)
韓国・台湾・香港・シンガポールのNIES諸国も同様である。(「アジアの奇跡」と呼ばれた時期)
中国は現在が人口ボーナス期で、経済発展の真っ最中である。
東京、ソウル、北京のオリンピック開催は、それぞれの国の人口ボーナス期のメルクマールといえるのかもしれない。
ただし人口ボーナス期を過ぎると、経済発展の主力となった大量の労働者が高齢化してくる。この世代は自らが産んだ経済発展の恩恵を受けて近代的なライフスタイルをとっており、子供も少ない。したがって、高齢化は急激である。日本の2007年問題がそれである。
日本は人口ボーナス期をとうに過ぎ、人口減少という新たな段階に突入しているが、NIES諸国も着実に日本のあとを追っている。その象徴が韓国における老人長期療養保険法の制定だろう。いまや世界最速の高齢化の国、世界で最も少子化が進む国となった韓国は、この法律に基づき、2008年7月から韓国版介護保険制度を開始しようとしている。
問題は、日本のように高度な経済発展を遂げた豊かな国においても、高齢者を支える社会制度の再構築のためには、財政的に極めて大きな負担を伴うと予想される中、まだ十分に経済的発展が果たされたとはいえない国々(=国民全体に対するセーフティネットが未整備の国)が、この重圧を乗り切ることができるのか、あるいは人口ボーナスを十分に活用できないまま、この時期を通り過ぎようとしている国々が、これらからどのように高齢化に対していくのかということである。高齢者を支える制度を作るだけの社会的な富の蓄積がないまま「高齢者の爆発」を迎える国では、高齢者問題は貧困と死の問題に直結する。すなわち「人間の安全保障」の問題となる。
こうした問題に対する回答はまだどこにもない。アジア及び世界がはじめて経験する世界だからである。
しかしすくなくとも、高齢化の先頭を走る日本の悪戦苦闘ぶりは、これからそれに立ち向かわなければならないアジア各国の格好のサンプルにはなるに違いない。
その一つのヒントとして著者は日本における地域福祉の取り組みをあげている。コミュニティにおける高齢者支援の可能性である。
おそらくこの指摘は正しい。というよりもそれが残された唯一の可能性ではないか。その可能性の具体的な姿は、いまのところまだ誰にも見えないにしても。
本書は著者が中心になってまとめたJICAレポート「開発途上国の高齢化を見据えて」を増補強化した内容となっている。
アジアの経済と少子高齢化問題に関する基本書となる一冊。
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東アジアのここまでの経済成長を『人口ボーナス』の視点で読み解いた上で、よく言われる『アジアの経済活力を取り入れよう!』を全否定してくれる本。
そして、すでに東アジア諸国でも少子高齢化の波は始まっているのね。韓国も台湾も中国もタイも人口ボーナスを謳歌した時代は近日中に終了し、高齢化社会に必要な社会福祉制度を
確立するまもなく高齢化を迎える・・・ただし、これだけきちんと分析しているのに終章の結論は酷い。高齢化したアジア諸国を支えるための東アジア共同体などという血迷い事は断固拒否する。東アジアおよび東南アジア諸国の高齢化はそれぞれの国で対処すべきよ。大東亜共栄圏は断念したんだから、うちらが責任をとる筋合いじゃない。