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音楽業界の仕組みが他に流用できる気がしたので読んでみた。
iTunesは画期的な仕組みだが、それはユーザー視点で見たとき。
一番儲かるのはアップルで、アーティストに入ってくる率は通常の流通と大差ない。そこに完璧と思われるiTunesの穴がある。
ライブの動員数は増加。フェスの影響が大きいが、リアルを経験したい人は増えている。マドンナ、レディーガガはいい例。
ソーシャルメディアの普及でレコード会社のあり方も変化。
(この辺はB2C全般に言える)
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CDを買い続けてる自分からすると、CDが売れなくなったって実感は無いけど、いろんなデータを見ると、今の音楽業界の厳しさがつぶさにわかった。
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非常に読みやすい。
CDが売れなくなった理由や背景、好調なライヴ・フェス、音楽業界がどう変わったのか等々分かりやすくまとめられてる。
そしてこれからのレーベルの有り方、まだまだ出来ること、しなくちゃいけないことへ導かれてる。
悲観的なことが全く書かれていない。
”これからのミュージシャンは、音楽以外のところから刺激を受けていった方がいい”という言葉はとても共感できる。
Low High Who?(通称LHW?)というレーベルがまさに未来型レーベルなんじゃないかなと思った。
シンガーであるPranellがレーベルを立ち上げて、自身の音源や描いた絵やアニメを直販する。さらにはPVまで作り上げる。
すべてを一人でこなしているかは分からないが、レーベル=音楽にとらわれない活動している。
他にもHaiiro de rossiというラッパーは forte というレーベルを立ち上げたりしている。
本の通り、一人一役じゃなくなっているなと実感した。
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1970年代以降の音楽の歴史と、これからの音楽について考察した本。
音楽はこれまで技術的な変化の影響を受け続けてきた。
そもそも音楽とは、演奏の一瞬にだけ出現し、一瞬後には消える「瞬間芸術」であり、人の記憶に残るだけだった。
それを保存可能にしたのは「楽譜」である。
それ以降、レコード、CD、デジタル技術などにより、音楽は「保存」と「複製」の性能がどんどん高まり、現在に至る。
本書でも論じられているように、音楽も美術も文学も医学も工作も、それらは元々は1つの「技=ラテン語でars(アルス)」であった。
「ars」は英語の「art(芸術)」の語源でもある。
例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチは絵画、彫刻、土木建築、工学。医学といった分野で活動していたが、これらは当時にしてみれば1つ、あるいは近接した分野でしかなかった。
しかし、それぞれの分野が高度化するにつれ、その「技=ars」は分業化、専門化していくことになる。
音楽家と作家と芸術家が分かれ、さらに音楽家の中でも「作曲家」「演奏家」に分かれていく。
その後、音楽は「作曲」「作詞」「編曲」「演奏」「著作権管理」「音源製作」「商品製造」「マーケティング」「流通」「小売」といった細かい分業体制の中で行われるビッグビジネスになった。
しかし現在ではCDの売上はピーク時だった1990年代の半分以下まで現象し、かと言って音楽配信はそれを補うほど成長していない。
一方で、ライブやグッズ販売は近年伸び続けているという。
また、Twitter、Ustream、Youtubeなどのツールや、コンピュータによる音楽制作環境は、現在の分業体制から、「ars」へ回帰できる可能性を広げている。
この傾向は、今後、音楽以外の「ars」にも同様に起こるだろう。
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メディアジャーナリストと音楽プロデューサーのコラボレーションを通じて、今後の音楽業界のあり方を考えていく試みのようだ。
かつて音楽メジャーは、レコードやCDの売上と、著作権・著作隣接権の管理の仕組みを以って莫大な利益を得ていた。彼らがその仕組みを維持できた理由は、かつて音楽を消費者に届けるためには、レコーディング、プレス、流通、マーケティングなどに対する主にコスト面での参入障壁が高かったためだ。
この仕組みも悪い面ばかりではなく、莫大な利益の一部を使って新人育成や、メジャー内の小レーベルの維持などを行っていた良い面もあり、一概に否定できることではなかった。しかし、バブルが崩壊しCDの売上が落ちていくに従って、この、暗黙の仕組みは崩壊し、利益を優先した音楽作りが業界の主流となってしまった。
そうした中で、音楽メジャーは、CDや音源の販売だけでなく、ライブにおける物販や、コミュニティの運営による利権にその手を延ばしつつあるらしい。その一形態が、360度契約という考え方だ。
これは、ライブ活動のコストを折半する代わりに、その音楽活動から得られる全ての利益も折半するという形態の契約だ。これからのアーティストは、こういった選択肢も含めて自身の音楽活動をデザインしていかなければならない。
こういったやり方に馴染めない場合には、他の方法もある。インターネットの普及と、USTREAM、twitterの開発、収録機材のコモディティ化は、レコーディング、プレス、流通、マーケティングなどに対する参入障壁を格段に低くした。アーティストと周辺の少数で、音楽のための音楽作りをすることが可能な環境は整ってきつつある。
だがこのやり方にも、まだまだ問題も多い。こうしたインターネットにおける音楽利用には、著作権、特に著作隣接権の管理の仕組みが出来上がっていないのが現状だ。このため、原盤権を侵害しかねない音楽利用には慎重にならざるを得ない。音楽を普及させたいという意志があっても、古いタイプの業界慣習がそれを邪魔しているのだ。
著者それぞれの立場から、自身の経験などを交えつつ、今後の音楽業界のあり方を考えていくわけだが、現実はなかなか彼らの考えるように素直には進まないようだ。音楽がオイシイという考え方は廃れるといっても、現実を見れば、CDに付加価値をつけてひとりに何枚も売るというようなやり方が、ひとつの完成を見つつあるのだから。
しかしツールの発達は、音楽を広めたい人間にとっての選択肢を増やしていることは間違いない。これを現実社会の仕組みに落とし込むまでの活動を誰がやっていくのかを、これからは考えていく必要がありそうだ。
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タイトルに音楽論とありますが、音楽業界とその周辺産業の過去、現在と今後について論じています。アーティストとファン(消費者?)が直接コミュニケーションを取れる場が整った今、音楽業界がどう変わっていくか楽しみです。
まずはDOMMUNEを視聴するのと、頑張っているアーティストをフォローしてみよう。
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現状の問題点が網羅されている良書。レーベルの歴史をまとめた本は、ありそうでなかったので、価値があると思う。
ただ、普通に問題意識を持っている人が読めば、何も発見は無いと思う。今、これを読んで、驚くことがあったら、自分の不勉強を恥じるべきじゃないかな。現状確認&頭の整理として読む価値はあるかも。
音楽ビジネス書レビューはブログに書きました。
☞ http://yamabug.blogspot.com/2012/02/blog-post.html
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「未来型サバイバル音楽論ーUSTREAM,twitterは何をかえたのか/津田大輔・牧村憲一」
津田大輔さんの「情報の呼吸法」がとても面白く、津田さんの虜になってしまい読んだ一冊。
CDの売上が98年のピーク時6000億から09年2500億になった背景には何が起きたのか?から始まり、ライブシーン・日本音楽と欧米の音楽、CDレンタル、著作権、ソーシャルメディアを活用した事例、レーベルなどを含め、今後大手メジャーレコード会社に頼らず“一人レーベル”としてどのように食べていくのかが提唱されている。
実際に似たようなモデルで稼いでいるミュージシャンも紹介されている。これからバンドマンとして稼いでいこうと思っている人は何かヒントがあるかもしれない。
大量消費社会が終焉を迎える―ライブなどよりプリミティブな 音楽体験が注目されることは既に現時点で起こっている事実であり、 それによってCDなどが爆発的に消費されることが今後なくなっていくことは必須だ。
多くの人に音楽を聞いてもらうためのプラットフォームは構築されている。DIYで音楽を販売するビジネスモデルもある。これからの音楽業界は明るい!
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著者の両名が考えるソーシャル時代における、音楽ビジネス「未来型レーベル」への過去実例を踏まえた考察が大変面白かったです。
ただ、発刊年数が2010年のため、今現在の音楽業界の実情とは食い違っている点はいくつかありますが、まさに一人一レーベルが実現できる時代とインフラが整ってきていると強く感じれます。
自身も同様の業界に足を漬けている分、興味深く読了できました。
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音楽業界の変化について、プロダクトの変化・ネット環境によるアーティストとリスナーのコミュニケーションの変容等の観点から論じた新書。感想としては、悲観的な報道が多い音楽業界について、まだまだ明るい未来を切り開ける可能性はあると感じた。
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的確な分析で、レコードメーカーの人間としては耳の痛い話も多い。ただ、この本が出た二年前に予想されたほどにはTwitterやUstreamが劇的に音楽のありようを変えているかというと、そうでもない。考えるべき問題は相変わらず山積している。
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2010年の発行で内容は古くなっているのだが、音楽業界の歴史と展望、あり方が対談形式で面白く書かれている。
音楽業界に限らず、ビジネスのヒントが置かれている内容だった。
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2010年の本ですが、書いてある内容が2014年にも当て嵌まったり、すでに古くなっていたり…。
当て嵌まる方はさておいて、古くなっている部分があるという所で、昨今の音楽や情報機器、メディア関連の状況の変化が目まぐるしいことが実感できました。
著作権に関しての説明が知りたい所がコンパクトにまとまっていて音楽を使用する人には便利です。
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音楽業界にもICTにも確かな見識、知識を有する著者らの音楽論は興味深かった。
いくつものイノベーションにより音楽業界には相当な逆風が吹いてきたと同情すらしていたが、本書を読んでその考えは変わった。そもそもが”その筋の人”が暴利を貪っていた業界であり、むしろ現在は庶民のための健全な世界になってきただけとも言える。
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ビジネス視点というよりも文化として残したい二人の音楽好きの論だった。
この手の本は 作り手などではない門外漢の方が書かれている場合がほとんどな気がしますが、著者の牧村さんが実際に細野さんのレコード会社や 渋谷系の渦中にあり、フリッパーズギターとCDを作っていた経験がおありで、生の経験が知れてよかった。
Spotifyの登場以前の書籍なので、ストリーミングサービスについての記述がないので、まとまっていて読みやすいが、今は、この解釈では通用しないのでは?と疑問に思う点も多々あった。
過去の構造をよく知ることが出来て、温故知新ができる。レコードからCDに移行したこの経緯は今の時代に反映できることが多々あると思った。
音楽がビジネスとしての価値を失っていくので、本当に音楽に対する愛情の純度が必要なことを気付かせてくれた。
個人的にレンタルショップが地方で生き残っている理由が気になっていたが、他の娯楽が無く、生で音楽と出会える体験に時間をかけることに地方の人間は価値を感じているのは私にも通じていたので納得できました。