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日本のバブル崩壊を目の当たりにして、当時だれもが有効需要創出策に期待を示していたときにそれに対する限界を示していたのが筆者であった。
本書はアメリカの景気後退を丹念に検証し、ブラックマンデーが日本の生保が一役買っていたこと、日本のバブル崩壊が自然現象ではなく引き起こされたことであると主張し、前述の通りこれまでの有効需要創出政策に対して疑問を投げかけ、これまでのバブル崩壊が景気後退とは違い、金融が経済を振り回すという新しい景気後退であることを示している。
そして現在。今からマネーゲームから脱却するのは極めて困難な状況にあるが、未だにバブルの幻想を捨て切れずにいる。
本書が問いかけている暴走するマネーゲームをもう一度管理下に置けるのかどうかの意味は非常に大きい。
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[ 内容 ]
80年代半ば以降、米国と日本で起きたバブルの発生と崩壊のメカニズムを実証的に分析し、今回の不況は金融の自由化の帰結として生じた金融部門の経営悪化にリードされて引き起こされた新しい不況であること、問題の焦点が有効需要より信用逼迫に大きく移動したことを明らかにする。
したがって従来のような有効需要拡大政策もなかなか効果を現わさない理由が解明され、正確な診断による有効な処方箋の必要に応える労作である。
[ 目次 ]
1 新しい経済現象
2 アメリカの景気後退
3 日本の複合不況
4 金融自由化の帰結としての複合不況
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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1987年.
この前後に金融自由化、不動産投資、株価高騰、ドル買い円売りがすすむ.
経済循環のなかで、「バブル」がいわれる時期である.
日米複合不況
米国発、日本波及.経済知識が乏しいと、なかなか難解.金融の取引用語に理解がないと、文章の推移になかなか吐いてはゆけない.
が、レーガノミクスや中曽根首相が「ロン・ヤス」と意気投合していた背景と、それがなにをもたらしたかは、よくわかる.
為替差損.
金融政策とマネーサプライが問題となる.「円売りドル買い」の日銀政策が、「ドル買い円売り」に転じたーと、する.
国語的には似たような用字ながら、語順のちがいが円高移行を抑止しようとする国際金融のなかでの、円の<立ち位置>を背後に示しているらしいので、事は難解.
著名な学者による、よく読まれた著作.
誰が読み、誰が急いで読んだ.手にした著作は第2刷目.
実態経済の場に身を置く者には、必見であったはず.
国際経済のウネリのなかで、人為的操作の限界と危うさを読み取りつつ、アメリカとの関係のありようを考えさせてくれた.
しかし、それは著書の真意にちかづくもので、あるのか.また、遠のくのか.読者の一員としては判断しがたかった、が.
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一次産品経済が工業経済から分離した。
工業経済において、生産が雇用から分離した。
財、サービスの貿易よりも資本移動が世界経済を動かす原動力となった。
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1992年刊行。著者は立命館大学客員教授(京都大学名誉教授)。ほぼバブル崩壊後に刊行された。ただ、一般には、このバブル崩壊の影響は過小評価され(特に時の政権には)、対応は後手後手に回ったようである。
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