正体不明の紳士と歌姫 みんなのレビュー

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投稿者：やじやじ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

ネタバレあり

社内一顔が良いと評されるのに
地味認定の会社員で合唱団の一員の由希と
そこに現れる謎の紳士の田之倉の物語

田之倉側に事情があって
少しばたばたしますが、
基本的には恋に奥手の由希が
友人から恋人に気持ちが移行していく過程と
田之倉が由希を求める話になってました。

由希がもともとそういう性癖嗜好がなかったのに
ということを忘れさせてくれるような自然な流れ
淡い恋心を抱いていた川原さんとのことも含めて違和感なかった。
多分田之倉が現れなかったら
彼女と付き合って結婚してたのでは？と思う
そしてそこにささやかな幸せを感じていたはずなのだ。
それを考えると田之倉にとっては
人生最大の出会いだったのではと。
それまでやんちゃに自由に過ごしていた田之倉が
疲労困憊状態になるくらい大変な境遇を
捨てなかったのは由希という存在と出会ったから。
そして、これからは持ち前の力で超勢力的に働くと思うよ・・・
それを考えたら秘書の水森や弁護士の諸住の思うツボか。
（この二人の考え方も面白かった）

優しい時間に向かって唄を紡ぐような作品でした。

私は季節を外してしまいましたが
クリスマスシーズンに「The first noel」を聞きながら読むと
一層良い気分になれるような物語なのではと覆います
クリスマスシーズンにはこういう話が読みたくなるから。

まったくの余談ですが、
イラストをｙｏｃｏさんが担当されているのですが
別作品での歌手が主人公の話の時も思ったのですが
唄が降りてくるようなイラストで、心に染みます。
相乗効果あったかと思います