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★図書館だよりNo.65 「一手指南」
田井 幹夫 先生(建築学科)紹介図書
コラムを読む https://www.sist.ac.jp/media/No.65.pdf
【所在・貸出状況を見る】
https://sistlb.sist.ac.jp/opac/volume/227168
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京都が好きで、よく京都関連の本を読んでいるが、そのなかで、何度も出てきた「陰翳礼賛」。
でも、なんとなくハードルが高い気がしていたが、この本を見つけて、これならば読める!と思って手に取った。
写真と対になった谷崎潤一郎の陰翳礼賛の一文。
それがものすごくわかりやすく、すんなりと入ってくるのは、自分も陰翳が好きな日本人だからだろうか。
京都に行く度に求めていたもの。
それが、陰翳なのだということに改めて思い至った。
行燈の明かりの中で漆器でいただく食事の美味しさ、美しさ。
ぼんやりとした行燈だけの道筋。
そして、能に惹かれた一つの理由もそれなのだと。
能、特に鎌倉で初めて観た薪能は、この陰翳礼賛そのものだろう。
あの幽玄な翳。
その翳に、美と狂気を感じる感覚。
できればこの本は手元に置きたい本だ。
今回は図書館で借りたが、近いうちに購入しよう。
何度も何度も読んで、眺めていたい陰翳の世界。
『われわれの思索のしかたは
とかくそう云う風であって、
美は物体にあるのではなく、
物体と物体との作り出す陰翳のあや、
明暗にあると考える』(188頁)
京都に行きたい。。。
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薄暗がりの魅力。
侘び寂びに通じる美に関しての解説。
エッセイぽくもある。
文章も写真も美しい。
日本人の根底にある美意識に気付き、納得する。
最後の方で都ホテルがディスられ、レシピ本になる。どうした?
締めの一文は良いけども。
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日本人は、美は物体にあるのではなく、物体と物体との作り出す陰影のあや、明暗にあると考える。
東洋人は己の置かれた境遇の中に満足をおぼえるだけでなく、暗いということに不平を感じず、光線が乏しいなら乏しいなりに、かえって闇の中に自ずからなる美を発見する。
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今の日本は明るすぎるし、何でもかんでも洋式化されすぎ
街並みも調和の取れていないビルやら電線やらで綺麗とは言えない
映画を見ていても、海外は間接照明をうまく使ったり、建物の色や素材にも気を使ったりしているイメージ
陰りに美を感じるかと言われると微妙だが、想像や好奇心を掻き立てる気はする
京都のお寺は教会などに比べて、居心地良さそうだなと感じてしまう
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素朴であり今顧みるとナイーブでもある言葉で陰翳の美を論じる本。近代化によりそれまでの美意識の積み重ねを失い「損をした」と云う感覚が新鮮だった。割とサクサク読めるのも好感。
茶室の/日本の美にもっと具体的と抽象を行き来して踏み込んだ本があれば読みたい。その程度には薄味。
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凄い分かりやすくて、面白かった。
現代の西洋化しつつある日本の文化、風景について具体的な話を用いて問題点を上げている。ほとんどの事にうんうん、と頷けるような内容で読んでいて楽しかったです
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日本人の感じる美しさを明瞭に切り取っていてすごい。振り返れば思い当たる場面がたくさんある。こういう美しさを考えてみたい。
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漆器、金屏風、能、羊羹、出てくるもの全ての美しさが懐かしく感じた。
日々の暮らしで、いかに日本人が陰影の美しさ(日本人の美意識)を忘れてしまっているんだと考えさせられた。
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本文より。
暗い部屋の中に住むことを余儀なくされたわれわれの祖先は、いつしか陰翳のうちに美を発見し、やがては美の目的に添うように陰翳を利用するに至った。事実、日本座敷の美は全く陰翳の濃淡に依って生まれているので、それ以外に何もない。
総べてのものを詩化してしまう我等の祖先は、住宅の中でも何処よりも不潔であるべき場所を、却って、雅到のある場所に変え、花鳥風月と結び付けて、なつかしい連想の中へ包むようにした。
われわれは一概に光るものが嫌いと云う訳ではないが、浅く冴えたものよりも、沈んだ翳りのあるものを好む。
それは天然の石であろうと、人工の器物であろうと、必ず時代のつやを連想させるような、濁りを帯びた光りなのである。
日本の漆器の美しさは、そう云うぼんやりした薄明かりの中に置いてこそ、始めてほんとうに発揮されると云うことであった。
漆器というと、野暮くさい、雅味のないものにされてしまっているが、それは一つには、採光や照明の設備がもたらした「明るさ」のせいではないであろうか。
暗いところでいろいろの部分がときどき少しずつ底光りするのを見るように出来ているのであって、豪華絢爛は模様の大半を闇に隠してしまっているのが、云い知れぬ余情を催すのである。
あのねっとりしたつやのある汁がいかに陰翳に富み、闇と調和することか。
また白味噌や、豆腐や、蒲鉾や、とろろ汁や、白身の刺身や、ああ云う白い肌のものも、周囲を明るくしたのでは色が引き立たない。
われわれの座敷の美の要素は、この間接の鈍い光線に外ならない。
われわれは、この力のない、わびしい、果敢ない光線が、しんみり落ち着いて座敷の壁に沁み込むように、わざと調子の弱い色の砂壁を塗る。
絵は覚束ない弱い光りを受け留めるための一つの奥床しい「面」に過ぎないのであって、全く砂壁と同じ作用をしかしていないのである。
美は物体にあるのではなく、物体と物体との、作り出す陰翳のあや、明暗にあると考える。
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様々な視点からほのくらい屋内の美しさを綴っています。
試しに電灯を消してみませんか。日本伝統の美意識を見直してみませんか。
(読プロ現役学生:はんぺん)
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【室之園 私物】
日本人の美的感覚について書かれてあり
とても納得できることが多く書かれていた。
お客様へのご説明する際にも、
話のちょっとしたネタとしても使えそうだったので、
活用しようと思う。
▼以下、本文で印象に残った言葉。
薄暗さに美しさを感じるのは、日本人の特徴。
明るくしすぎないよう照明に気を配れば
落ち着いた気持ちになれる。
日本には「なれ」という言葉があり、
使い古したものを好む。
手で撫でて、油が染み込んだものに愛着を持つ。
幾分の不潔や非衛生的分子ではあるが、
そこに安堵安心感を抱く。
浅く冴えたものより
沈んだ陰りのある物を好む。
ツルっとした表面より、ザラっとした質感を。
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日本経済新聞社小中大
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モデル 冨永愛(3) 『陰翳礼讃』感性を読み解く面白さ
2021/8/19付日本経済新聞 夕刊
日本の文化や伝統工芸について知りたいと思い読んだのが、谷崎潤一郎著『陰翳礼讃』(角川ソフィア文庫)だった。光と陰を軸にして、独自の視点で日本の美を語っている表題作が印象的だった。
例えば、漆の器は現代の蛍光灯の下で見るものではなく、ろうそくの明かりの薄暗い中で見ると、つややかな表面と色の良さがほわっと浮かび上がり美しいのだという。金や銀をふんだんに使った装飾や小物は、今見ると豪華すぎて目が痛い感じもするが、これも薄暗い間(部屋)が続く、その先にあるのを見ると、とても美しい。
小説とは違い淡々としているので、ページをめくる手が止まらない、という部類の本ではないし、谷崎さんの感性が大いに入っているけれど、日本の伝統工芸には陰が大切だという考えは、私たちに染みついた感性のようなものを読み解いている感じがしておもしろい。光の使い方や撮り方の参考になるそうで、カメラマンのバイブルになっているとも聞く。
自分が関心を持つテーマを扱ったこうした本や小説などいろんな本を読むが、私にとって読書は、仕事とは切り離して、現実から離れられるものだ。最近は仕事に関する知識を得るために読むことが増えているが、余暇として好きな本を気ままに読む時、幸せを感じる。
雑誌などの本の特集も好きで、そういうところで誰かが紹介しているのを見て、買ってみることも多い。読んでみたい本をためておくタイプなので、いわゆる「積ん読」もたくさん。そんな本に囲まれて過ごすのって、いい時間だな、と思う。
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過去分
おそらく誰もが一度は憧れたことのある完全な日本家屋の住居。陰翳礼讃では、日本家屋の美しさ、そしてそれを実現することの難しさが述べられていた。近代化=西洋化は、かげや隅まで明るく照らし出し、かげや隅から想像してきた古来の日本のあり方を大きく変えてしまった。
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陰翳礼讃は国語の教科書をはじめ、何度か読んでいるが、良い写真と合わせることでそれぞれに引き立つものがある。谷崎潤一郎の文については言うまでもない。大川裕弘氏の奥行きと湿度を感じさせる写真が素晴らしい。落ち着いた彩度で陰影と空間が表現された写真は、モニターではなく、印刷物ならではの紙の質感も表現の助けになっている。