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次から次に新しい人物が現れる。しかもそれぞれの関係性がややこしく絡まるため理解しづらい。しかし、最終、その複雑な関係をまとめ上げる女性のもつ神秘が語られる。
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白石一文さんの最新文庫作。読みながら「なんか知ってる話だなぁ」と思ってたら、単行本を買って既に読んだことがありました。これって本好きあるあるですかね?
父の死をきっかけに、子供を産みたいと望むようになった35歳の主婦。ある男との出会いをきっかけに、自分を取り巻く人間関係の奇妙な偶然に気づいていき…
子供を産むということがどういうことか、作者が登場人物に語らせている内容が面白かったですね。極論過ぎて共感は得られない内容ですが、ある種の真実は突いている気がします。あと、ラストの主人公の独白が印象的でした。
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鳥取砂丘にいってみたくなる。
美砂子という名前、美しい砂、いい名前だなと思った。
子供を生む前に、死への戦慄に怯えざるを得ないこの世に果たして自分の意志で命を誕生させていいものか考えた時期があった。全くもって不完全な自分が新しい命を産むこと、自分が味わった苦しみを生まれてくる子も同じだけ味わうこと、それを認識していながらも子を誕生させるということ。
人生たかだか80年対生前と死後の時間無限大∞
自分の存在しない無限大の時間の流れに対して、あまりにも短い、一瞬とも言えないほどの生きている時間の短さ。暗闇で床について考え出すと怖くて怖くて頭がおかしくなりそうになる。
でも、私は子供を産んだ。
そんな考えなど忘れてしまって毎日子育てに疲れながらも子供の存在と笑顔に満たされる。
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最後の方は登場人物が絡まり合い頭が混乱。
こういう物語のストーリーは、白石さんお手の物ですね!
あの後皆どうしたのだろうか…
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生きていくうちに生成される煩瑣なしがらみによって、自分の考えや行為が律せられていくことのおそろしさ、それが運命への畏怖なのだろう。
周一郎の愛は脆くて儚いもののように思えるが、めぐりながら肥大化する運命のちからを感じた。
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白石一文さんの本ってやっぱり好きだなあと感じる一冊。常識では考えられない、超越した人と人との強い結びつきをいつも感じさせられます。いろんな人の運命が絡まり合って、果てしなく繋がっていく様が描かれています。
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白石一文は好きなので大抵の小説は読んでいる。この人らしく、[運命と絆と愛]についての小説。父親と自分というのは新しい視点?この人の描く主人公の女の人は好き。でも毎回置いてかれる感もあり
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主人公 美砂子に関わる人、本人も含め全員が運命的に(父の念から)絡み合ってるといった内容...
後半になるにしたがっていろんな人物が出てきて、相関図が欲しいと思った...
人は生まれてから果てるまでにいくつもの運命的な出会いがあるといった深い話。
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直木賞作家白石一文の2010年に刊行された作品。この作品には恋愛を描いた小説ではなく、家族、過程、忘れ得ぬ人への思いと人が思いがけず巻き込まれる人との縁の不思議さが描かれている。
白石作品は常に水準は高いと思うが、この作品も楽しめた。
白石一文氏も女性を描くのがとても上手な作家だと思うが、この作品も主人公の女性が心理描写がすばらしい。
白石ふぁんなら是非。
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今年早々に祥伝社から『ほかならぬ人へ』の文庫版が出た時には、その巻末に収録された「解説」のかなりイッちゃってるっぷりが局地的な話題になった。新潮社の編集部員が祥伝社の文庫の巻末で、肝心の小説の話はそこそこに、作家との思い出を過剰な熱量と垂れ流しの自意識とむしろオナニズム一歩手前の自己陶酔に乗せて語りまくるという、まるで違う男のところに嫁いでしまった昔の恋人に宛てた未練がましいラブレターのような、有り体に言えば新潮社作品ではなく祥伝社作品で直木賞を獲った著者に対する祝福しきれない屈折した感情の発露とでもいうような、ちょっとパンクな内容だった。当の小説の魅力もさることながら、あの「解説」だけでも一読の価値がある。
さて、それから3か月、2013年の白石作品の二つめとして新潮社から刊行されたこの文庫だが、巻末解説はなんと、祥伝社の編集部員によって書かれている。つまりこれは、巻末解説という形を取った祥伝社から新潮社への返礼であり、同時に果たし状なのだ。
白石一文をより深く愛しているのはあなたではなくて私の方なのよ、私こそが彼の寵愛を受けるに相応しいのよ、という、文庫巻末という場所を借りた一人の作家をめぐる出版社の愛憎劇が、ここに繰り広げられている。
つまりそれだけ、白石一文という人は素晴らしい作家であり、それ以上に一人の人間として魅力的な人だということなのでしょう。
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2時間ほどで、一気に読了。人間同士の繋がりいうものを考えさせられる内容。ここまでの繋がり方はそうそうあるものではないとは思うものの、それでも自分自身の繋がりの不思議さを考えてしまう。しかし、やっぱり白石作品の女性心理の描写はすごいし、内容も読み応えがあるなあ。
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あまりに絡まりあう人間関係に、途中途中で頭を整理しながら読了。
湿り気のある、密度の高い物語。愛する人を失ったことからくる妄執に、思い至ることがあるだけに、息苦しさを感じた。
人間は誰でも、幸せになりたいと思うものだろうけれど、私一人の幸せは、周りを幸せにはしないのだな、などと思う。
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うーん…正直設定がご都合主義過ぎて後半興醒めだった。
主人公・美砂子が思い至る『母親が自分の子供だけを見るのは間違ってる』ってくだりも、じゃあ出家でもして社会貢献すれば?と思ってしまった。
モンスターペアレンツみたいな極端な例は置いといて、他人様に迷惑掛けない範囲で親が自分の子供に目一杯の愛情を注ぐことまで、いい歳した大人が中二病的理屈を駆使して否定する意味も、正直私には理解出来ない。
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白石一文は変にSFチックというかファンタジックな話を書くのはあまり向いてないと思う。
「だけどさあ、女ってほんとに何なんだろうね」
「しかも、私にはうちの旦那のそういう気持ちがすこしは分かる気がするんだよね。」
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人間関係が複雑に絡まりあい、ちょっと驚きの展開。
いつも通り、すごく読ませるのだけれど、やや絡まりすぎかなー。
子どもを産める、産めないで夫婦の仲がこじれていく様は悲しかった。