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久しぶりに文庫が出たような気がするのでいそいそと購入。
実際には有り得ないが、電球交換士って面白そうな商売だなぁ。やってみたいw
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面白かったです。
淡々と進む物語でした。
この街も、世界の片隅にあるような気がします。
電球を交換し続ける十文字さんが不死身か不死身じゃないかはわからないですが、少しでも憂鬱でなく暮らせるならいいなぁと思いました。
限りある時間を過ごすから、憂鬱ではない。
この街にも住みたい…と思いました。なんだか懐かしい感じ。
生きるのがちょっと楽しくなりそうです。
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著者初読み。再開発により情景が移りゆく港町を舞台に【不死身】の電球交換士が遭遇するSF(少し不思議)な出来事を描く連作短編集。美女に滅法弱いハードボイルド調の三枚目、十文字の一人称で紡がれる謎と愉快、レトロとノスタルジー、愛と哲学が溢れる世界に浸れる贅沢な読書時間。穏やかで間の抜けた独特の空気感が心地良い。突っ込み所も多々あれど、キャラクターたちが愛おしく、読み終わるのが勿体なくて仕方なかった。交換士が最後に辿り着く答えにもまた痺れる。今年のベストワン作品かもしれない。全ての物事は有限だからこそ尊いのか。
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寿命が尽きてしまった電球を、新しいものと交換することを生業にしている電球交換士と、彼を取り巻く個性的な人々のお話です。彼の電球には秘密があって、やわらかく、情緒のある明かりを灯すものでした。
主人公の電球交換士は、もともと海辺の町で興行しているサーカス団の軽業師でした。身のこなしが軽いということを活かして、電球交換士になったというわけです。一見すると気楽そうに見えるその仕事にも、実はいろいろとあって・・・といっても、波瀾万丈というわけではないのですが、人と繋がっていると、それなりにいろんなことが起こるものです。そんな取り留めのない出来事を、ふわりとした空気間で綴った、ノスタルジックで、少し謎めいていて、ちょっとせつなくなるような物語でした。それとなく、しみじみと、ものの哀れが語られています。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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吉田篤弘の世界観が好きで。年を取ってきてあるいは本が好きということも関係しているのか、古き良きものに魅かれるのがよくわかる。今回がそれが電球であったこと。
電球のもつ柔らかな光を、話の中に出てくる電球の光を、見ていたいと思う。
すべてがあいまいな世界で、モデルかもしれないものや建物に想像をはせる。
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不死身である(かもしれない)電球交換士が電球を交換していく話
とまとめると変な感じになるけれどそう言う話
尽きない(かもしれない)命と尽きる電球
尽きる(かもしれない)命と尽きない電球
時間の使い方感じ方 もしくは時間という概念の話か
文字をなぞるだけでは足りない話
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吉田篤弘 著「電球交換士の憂鬱」、2016.1発行。この作品は私に合わない方の吉田篤弘ワールドでした。十文字という時々感電しながらも電球を交換する仕事をしている不死身男が主人公の話です。全269頁の作品、少しずつ読んできましたが154頁でとうとう失速しました。憂鬱な気分ですw。
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主人公が現場でむさぼる卵サンドがどうしようもなく美味しそう。
ちょっぴり恋のエッセンスもありながら、謎に包まれた要素もあり
章ごとのエピソードに消えゆくノスタルジーへの愛を感じました。
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「それでも世界は回っている」に出てくる電球交換士、ただの新キャラクターの一人かと思ったら、巻末に「電球交換士の憂鬱」という本が紹介されており、別シリーズからの登場人物だったのかと知り、読みたくなってしまった。
結果的に、どうも微妙に違う世界線な感じがしたが、これはこれで面白かった。
最近吉田篤弘作品を良く読むのだが、なぜ好むのかよく分かってなかった。まあ、ぼんやりと癒やされるからかなとか思ってたが、この作品を読んでて気づいた。
初期の頃の、好きだった村上春樹の感じに似てるんだ。
現実とは微妙に違う、でも現実でも起きそうな少し不思議系SF、微妙に変な、でも魅力のあるキャラクターたち、エッジの効いた会話、特に大きな事件や起承転結があるわけではない、淡々としたお話。
今作は起承転結がないわけではないが、特に大きく盛り上げようという感じもなく、「はいはい、なるほどね」という感じで、ほんとに良い意味で波風を立てず、スッと読み終われて心地よかった。
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不思議な世界観で
主人公のトビラの周りにいる人たちがなかなかの個性的
話が昔にいったり現実だったりと、話しが入ってくるのに少し難しい部分もあったりして理解するまで時間がかかった。
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「電球交換士」という肩書を持つ十文字という名の男が主人公です。
バー〈ボヌール〉の半永久的常連客で、酒場は好きだが酒は呑めない。
いつも炭酸水を飲んでいて、どこまでも終わりのない電球交換をし続ける不死身の男。
彼の行く先々で、小さな事件が起こり、謎々みたいな、ちょっと愉快であぶない話が続いていきます。
(吉田篤弘さんの場合は、謎解きではなく謎々と言った方がしっくりくるのです。)
バーやキャバレーがひしめく一角や、吹けば飛ぶような粗末な映画館、海の近くのサーカス小屋など、まるで古い映画に出てきそうな街に思わず迷い込んだような気持ちになります。
彼は古いものへのこだわりと、新しいものに挟まれ、柔軟性を失いかけていたようです。
「今が楽しいと思えるのは、寿命があるから。
いつか終わりが来るから、今を楽しもうと頭が考えるんです。」
ここに漂うノスタルジックな空気が、本当に大好きです。