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<目次>
第1章 東京での「おまん」の衝撃
第2章 「虎屋」の饅頭へのあこがれ
第3章 「チャンベ」「オメコ」らの愛すべき素性
第4章 女性の心に生きる「オソソ」
第5章 琉球に旅した『古事記』の言葉
第6章 「チンポ」にたどり着くまで
第7章 「マラ」と南方熊楠
第8章 女陰語の将来
第9章 今までの「おまんこ」研究
第10章 「まん」を生きる人生
結びの章 花咲く京の春の大団円
<内容>
『全国アホ・バカ分布考』で有名になったTVプロデューサー(「探偵!ナイトスクープ」が有名)。最初に載っている女陰・男根全国分布図が秀逸。そして本文を読むと、この女陰・男根語をきちんと研究した学者がいないことに驚く。言語学者の中には、いまだにタブー視されている様子なのにさらに驚く。論文とエッセイの中間の形式なのもわかりやすい(時々筆が滑り、脱線するところもいい)。分厚い本(新書版で356ページ)だが、いっきに読める。
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2018/10/6 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2020/3/23〜4/4
探偵ナイトスクープ発で絶賛された、「アホ・バカ分布考」の仕掛け人、松本修氏の眼の眩む様な努力の結晶の第二弾。男女性器の呼び方もみごとな周圏を描いていたことには驚かないが、その呼び名のルーツを探る氏の執念に脱帽。素晴らしいお仕事。
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奇書。奇跡の書。庶民の日々の暮らしに一大エンターテインメントを見出す「探偵!ナイトスクープ」を作り上げたテレビマンであり、番組始まりとはいえ「全国アホ・バカ分布考」という前人未踏の日本語研究を成し遂げた学者であり、圧倒的に女性礼賛者である独身男が、成し遂げたテレビでは放映出来ない、女性器と男性器の名称を巡る愛と論理と批判と情熱の一大論考です。本文に入る前の女陰全国分布図とその裏の男根全国分布図で鮮やかに結論としての方言の「周縁分布」が提示されています。その上で最初から過剰に溢れまくる著者の個人的体験と著者の人生そのもののネットワークと徹底的な語彙サンプリングと怒りの文献検証・学説比較に圧倒され、緻密な論文というより濃厚な演出に辟易もするのですが、これはロジックというよりパッションをベースにした番組なんだ、と思えばいいのか!と思った途端、無茶苦茶、面白くなりました。人によっては蛇足と言われる最終章にいたっは音楽まで聴こえてきたような気持ちになりました。「♪この世に愛もて 生まれし花 どの花劣らず 生命に満ちて 真白き花も ピンクの花も 一生懸命 今こそさこう女の誇りを 清しき胸に 永遠に輝け 蒼穹の果てまで この世にまたなき 美しさ♪」女性が女性器の名前を卑屈にならずに愛おしく口に出来る大らかな性の肯定。逆に言うと女性器を暗くて奥の方に隠しこんだ明治以降の男性中心の性の世界への怒り。学者でも素人でもなく、女性に永遠の情景を持つジェンダーから離れた男性にしか持ち得ない感情、それがこの奇書のエネルギーです。
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人気番組「探偵!ナイトスクープ」のプロデューサーだった松本修氏が番組では、放送禁止コードに引っかかるため残念ながら取り上げられなかった女陰・男根に関する日本語について全国分布をまとめたものです。新書なのですが、学術的にもきちんと調査されていて日本国民必読の内容です。松本氏の文章もどこまでも紳士的で好感が持てます。卑猥・穢れ・下品・変態などの負のイメージが強い言葉ですが、ルーツを辿れば気品のある素晴らしい言葉でした。
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あの「アホ・バカ分布考」の探偵ナイトスクープ松本さんが、同じく投書をもとに男根と女陰の名称を調べたという大作。
いやいや、文化人類学ですよ。民俗学。アホ・バカと同じように、京都を中心とする同心円で言葉が伝わっていくということと、性がタブー視され言葉が秘められること、いろんなテーマが含まれています。
放送禁止用語になって、番組で取り上げられることがなかったのが残念です。
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筆者のあふれるばかりの思いが詰まった一冊。楽しく興味深く読ませて貰いました!
「オソソ」は確かにイイなぁ…。
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読んでもモヤっとするだけ。
無駄に会話シーンの再現が多く、本の厚みは即ちこの会話シーンの無駄な内容で膨れ上がっただけのものだとしか思えない。
肝心な語源の説明などになると筆者のコジツケや「そうであって欲しい願望」、ほかにも、私はこっちの方が好きだからこうでしょう、みたいな意味不明な理由で説明をまとめ、取材や調査の背景にあった個人的な交流や思い出を美談的にケツに付け足して色を添え、終わり。
これで1100円税抜。
「そこのあなた!ニヤけてないで。」(本帯)
いやいや、全く面白くなく、ニヤけるポイントがみつからない。
「本書はまことの学問です。」(本帯)
学問かじった素人のエッセイにしか思えない。
学問やと言う割に、冒頭部でしっかり自分の業績自慢、終いには方言研究の徳川先生と交流があると言い出したかと思いきやまさかのダメ出し。
大学で講義受け持った時に誰それさんを讃えました、ってあなた何様?
勘違いさんの勘違いな本。
可也頑張って読んだが、最後まで辿り着く気力なく、売却。
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女性器と男性器の呼び名の所以由来を日本霊異記をはじめとした膨大な資料の中から読み解いていく。
とりわけ「まら」が仏教語源かどうかについての考察はスリリングで、古典にあたって間違いを修していく楽しみを味わえた。こういう発見や論理的展開があるから批評や研究というのは楽しいんだよなぁ、ととみに思う。
しかし、サービス精神だかなんだか知らんけど、最後のグランドフィナーレは要らんですわね。
作者本人も不安になったのか「いいと云ってくれる人もいた」みたいな言い訳を試みてはいるが、そんなに不安やったら最初から載せなんだらええんのに、と思う。
だがまぁ、こればっかりはニンの問題なのでしようがない。これだけの大仕事だという点を評価したい。
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ネタはおもしろいが、若干くどい。
遠回りした文章の面白さはあるが、冗長な感じがしてあんまり好きじゃない。
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2/18は「方言の日」
放言の収集・分析・検証によって、学術的レベルで隠語を突き詰めた一冊。
新書大賞2019、19位!
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始まりは23年前のナイトスクープの依頼、性器の呼称について大真面目に分布図をまとめている本です。まさかの350ページです。
女性のは放送禁止用語なんですね。男性のはいいのに。
オメコやマラは聞いたことあるけどホト、マンジュー、ボボ、ヘノコ、カモ、シジとか聞いたことなかった!
饅頭とか辺野古とか…
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興味本位で読んでみたが、実に学術的に素晴らしい仕事で、圧倒されることになった。各地の方言を採取しそれが京を中心に同心円状に分布している事を示すことによって、元々時代ごとの御所や宮中での高貴な女房言葉だった可能性を論じている。この論考は調査結果と数多くの文献をベースにしているので説得力がある。
また、広く流布されているマラの梵語説は、実は証拠を見出せず、それらを無批判に取り入れている言語学・民俗学の有名人にも容赦なく批判を浴びせている。このような分野をあまり真剣に論ずるつもりがなかったのだろうと!
最後は筆者の夢想による大円団が描かれるが、人によっては余計と感じる向きもあるようだ。ただ、私はこれで、この著者がTVの世界出身であった事を思い出させるのである。
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これも『全国アホ・バカ分布考』のように、ある視聴者からのハガキが元だった。ただし、女陰・男根語は放送禁止用語であるため、テレビでは取り上げることができなかった。
「アホ・バカ」と違って、話はスピーディーに進んで行く。ただし、実際にかけた時間は23年!
今回は、もう調査方法は確立されているし、大学の先生方の知り合いも増えた、一次史料もすぐに取り寄せる。すっかり在野の学者としての風格が見える。
もちろんこれらの語も周圏分布を示した。ただ、アホ・バカと違って、一種タブーのような扱いを受けた語であるため、また違った苦労がつきまとう。数ある辞書も詳細に事欠き、ついには広辞苑を始めとする辞書の間違いをも指摘することになる。
ここでも著者の執念である。そもそも新たな命が生まれ出る箇所が禍々しい言葉を語源とするはずがない!そこから、広く認知されていた語源について、徹底的に疑い、調べ尽くしていくのだ。
調べるうちに、女陰・男根語がタブーとされ卑猥な印象を持つようになったのは、極々最近の話であることも分かってくる。
最後には、当初調査依頼をしてくれた視聴者に直接会って周圏地図をプレゼントする。
京都では仕上げの会を催す。
そこから、著者の大いなる想像力が花開き、、、と言う大団円。
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10年くらい前に読んだアホバカ分布考の続編で性器や陰部をどう呼ぶかについての本。元々は京都の御所の中から始まったなるべくかわいく上品な言葉だった(元々幼児の恥丘がまんじゅうのように見えるとこからそう呼ばれ、丁寧語の「お」がつきかわいく呼ぶための接尾辞の「こ」をつけ「おまんこ」、赤ん坊から「ボボ」などね)ところそれが普及するにつれて卑猥な意味へと転じていった、など大変面白い内容。慈しみを込めて呼び始めたであろう言葉がタブーにまでなり、現代では女性は自身の体の一部を呼ぶ言葉がないような状態にまでなってるのがとても興味深かった。もうネットがここまで普及してしまうと言葉の周圏分布も見られなくなっていくだろうし、テレビ以降そもそも京都が中心とかでもなく、おまんこの全国的な普及もテレビのせいだろう。今ならやっぱインターネットだし、周圏もヘチマも無く、これらは遠いロマンになってゆくだろうしもしかすると検証できた最後の周圏分布かもね。テレビマン松本修の力みまくってる文章が鬱陶しいし、いちいち話を聞いた女性に美人とか書くのが大変気持ち悪くてそこが難点。内容が興味深いだけに読み続けたけど、実に気持ち悪いのやめて欲しい。マラの語源が梵語ではないと論破するあたりは痛快だけど、松本修自身も特に根拠なくそうだろう、で済ませてるとこもいくつもあったけどな。気持ち悪い余計な記述がなければ星5の内容なんだけどな。