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【感想】
日本的な企業に勤めてる人は読むべきだなって思った本。
少し幹部層とか経営に携わる人向けかも
具体的な企業例(Amazon)あってイメージつきやすかった。
10年後どうなってるかほんとわからんよねって不安を煽られる。
成熟企業にとって矛盾的な、中核事業を維持しつつイノベーションを起こすという課題について考察し、具体的な組織運営(主に幹部層のやること)を書いた本。
【学び・気づき】
・要は新規事業と既存事業のバランスとってやってこ
・企業の生存戦略っぽい。環境適応的な話。(2章で意図的なダーウィン理論との記述)
・「採用基準」にも書いてたけど、リーダーとマネージャー違うでええ。
リーダー:方向を示すことが仕事。列車の方向性を決める
マネージャー:管理することが仕事。定時で列車運行する。
・イノベーションのジレンマ(クリステンセン)は不完全
組織・幹部がやらなければいけないこと
・組織として新規にヒトモノカネを導入する覚悟を持つ
・新規と既存はオペレーションが違うので2つを独立する必要
・文化醸成(イノベーションをたたえる文化)
・探索部隊が深化してきた技術を見渡せ・使いこなせることも重要
・経営層は既存事業と新規事業の食い合い(カニバリズム)の仲介を行う必要
新規事業をやるにあたり
・収束して事業案作成の際には結構厳密にマイルストーンを置かなきゃ
→勉強か専門家に教わる
・リーダーは野心的な目標を!
・6つの質問で事業案を作成(IBM流)
1. どのように競争するか、自社の競争優位性は?
2. どのような顧客セグメントを相手にするか、対象外も含めて
3. 当社の価値提案は何か、なぜ顧客はその事業を選ぶのか
4. どのようにもうけを出すのか、どこから利益がでるか
5. 内部では何を行うのか、どの活動を外注するのか
6. 時間がたった時にどのように収益性を守れるか、優位性は持続可能か
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両利きの経営を実践できている企業やリーダーシップに関するケーススタディがとても多く記載されているので、じっくりと読むべき本。
また、両利きの経営において成功率が高まる必要条件が示されている。イノベーションを生み出すための教科書といえる。
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成長を続ける大企業と、破綻に追い込まれた大企業。その差は何か?
成長し続ける企業は、
・既存の資産と組織能力を「深化・有効活用」しながら
・新規事業を「探索・開拓」している。
こうした経営を「両利きの経営」という。
十分な資源や組織能力を保有しながら、破綻もしくは倒産寸前に至った企業の共通点は、「リーダーシップの失敗」。
これら企業のリーダーは、新しい機会を感じ取れず、企業が繁栄を続けられる形で自社の資産を再構成できない。
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クリステンセンによると「破壊的イノベーション」の特徴は、
新たな製品・サービスの導入を通じて新規市場を創造すること。
当初は訴求力に欠けるが、技術が改良され品質が向上すると、既存プレーヤー間で価格崩壊と大規模破壊が起こる。
破壊に直面した組織は、
・成熟事業で競争しながら(深化)
・新しい技術やビジネスモデルを探求する(探索)
必要がある。
しかしクリステンセンは「探索と深化は同時にできないので、探索にあたるサブユニットをスピンアウトせよ」と言う。
私たちの研究によると、成熟事業と新規部門が断絶していると、新規部門の足が引っ張られ、身動きがとれなくなる。
そのため、両利きの経営が必要になる。
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両利きの経営を成功させるための要素は、次の4つ。
①探索と深化が必要であることを正当化する、戦略的意図。
②経営陣の積極的な関与と支援。
③探索事業と深化事業の距離をとりながらも、企業内の資産や組織能力は活用させる組織構造。
④探索事業と深化事業にまたがる共通のアイデンティティ。
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価値の源泉となる方法を知るため、読みました。本書の内容を一言でいうと「トップダウンで探索と深化を両立させることがイノベーションに必要」です。人生においても探索と深化を高次元で両立することが必要と感じました。
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いやぁ、やっぱり★5つです。
ビジネスの世界に入って20年ぐらいでいろいろ経営に関する本も読んできたところ、昨今のVUCA時代で昨年出版されていた当初から気になっていたのだがようやく読めました。
(というより「両利きの組織をつくる」や「じわじわ死ぬ会社 蘇る会社」「シン・ニホン」「コーポレート・トランスフォーメーション」「世界標準の経営理論」などを経て、この本(おおもと)にたどりついた、というような流れ)
20年ぐらいで、それこそドラッカーだったりD・カーネギーのリーダーシップ本だったり、稲盛さんや松下さんの経営本だったり、もっと昔はソニーの本だったり、そしてシリーズものだと「ビジョナリーカンパニー」シリーズとか、昨今紹介した本だと野中先生の本だとか。(やっぱりそういう意味では複数の企業の栄枯盛衰を分析・考察したビジョナリーカンパニーシリーズは大好き)昨今だとデザインシンキングだったりアート思考DX関連だったりOODAループ思考だったりもする。
そんな感じでいろいろ読み進め、積み上げてきた中での2020年のビジネスパーソンがぜひ読む本だな、と思うところ、正直である。 周辺本をいくつか読んできていて、あぁやっぱり大本にはたどり着かねばね、と思ったけどやはり読んでよかった。 ほっとした。 (もちろんこれから「コーポレート・トランスフォーメーション」「世界標準の経営理論」も読みます。。)
あんまりレビューにはなってないですがとにかく読んだほうが(読んでおいたほうが)いいですこの本。
いつもの抜粋としては下記。(ほんとは入山先生のアツイ解説の部分から引用したかったがやめときます)
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P382
最も成功している企業がイノベーションストリームを構築し、両利きの行動をとっていることはもう明らかなはずだ。深化ユニットでは重視されるのは漸進型イノベーションと絶え間ない改善だが、探索ユニットでは実験と行動を通じた学習である。探索ユニットはスピンアウトせずに、深化ユニットの中核となる資産と組織能力を探索ユニット内で活用する。内部的に矛盾をはらんだ探索ユニットと深化ユニットを共存させるには、包括的で感情に訴える抱負、基本的価値観、幹部チームの強い結束力が必要になる。
こうした要素がすべて合わさると、探索ユニットは未来を見出す権限を与えられ、幹部チームは一定の尺度で有望な実験を行う選択肢(明日の主流事業への道を開くか、別の事業をさらに追加するか)が持てるようになるのだ。
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時代の変化に伴って企業も変わっていなかければ生存することは難しい。生物は概ね細胞の活動により寿命が定められる。一方で法人は外部環境への適応力が寿命を決める。
イノベーション・ストリーム:
組織能力(既存・新規)、市場(既存・新規)というマトリックスで狙いを定めること。
(過去の成功体験にしがみついて)探索に取り組まない企業は変化に直面したときに破綻する可能性が高い。短期的なバイアスによって、「老舗企業は常に深化に専念し、既に知っていることの活用にかけては腕をあげていくそれで、短期的には優秀になるが、徐々に力を失い、つぶれてしまう」。
基本的に深化とはこれまで以上にうまく事業を行うことだ。成功している企業は時間と共に顧客理解を深め、より効率的に顧客ニーズを満たせるようになる。それを反映させて、戦略を進化させ、組織能力と公式な構造と文化との間の調整を組織全体で行う。組織的な調整がぴったりと合っているほど、その企業が成功する確率は高まる。しかし、競争がますます激化し、利益率が低下する中で、企業は新しい顧客セグメントに対応するか、高利益率を狙える不連続的イノベーションもしくはアーキテクチュアル・イノベーションを通じて隣接市場へ移動しようとすることが多い。
シアーズの例で分かる通りリーダーが陥りやすい、罠はサクセス・トラップとして知られている。安定した環境では戦略、構造、人、文化の整合性が取れていることが事業の成功につながる。
探索と深化とでは、求められる組織的な調整や組織能力が根本的に異なる。
知の探索:自身・自社の既存の認知の範囲を超えて、遠くに認知を拡げていこうとする行為。
知の深化:自身・自社の持つ一定分野の知を継続して深堀りし、磨きこんでいく行為。
両利きの経営が行えている企業ほど、イノベーションが起き、パフォーマンスが高くなる傾向は多くの経営学の実証研究で示されている。
リーダーに求められる3つの行動:
1.新しい探索事業が新規の競合に対して競争優位に立てるような、既存組織の資産や組織能力を突き詰める。
2.深化事業から生じる惰性が新しいスタートアップの勢いをそがないように、経営陣が支援し、監督する。例えば、必要な資源を確保できるようにする。新規事業のリーダーはマイルストンの達成について、説明責任を負う。非生産的な摩擦を極力抑えて、新旧の事業間が交わる部分を管理する。
3.新しいベンチャーを正式に切り離し、成熟事業からの邪魔や支援なしに、成功に向けて必要な人材、構造、文化を調整する。
リーダーシップの5原則:
1.心に訴えかける戦略的抱負を示して、幹部チームを巻き込む
2.どこの探索と深化との緊張関係を持たせるのかを明確に選定する。
3.幹部チーム間の対立に向き合い、葛藤から学び、事業間のバランスを図る。
4.一貫して矛盾するリーダーシップ行動を実践する。
5.探索事業や深化事業についての議論や意思決定の実践に時間を割く。
冨山さんとWBSの入山教授の解説のおかげで内容も理解しやすかった。
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2019年出版
既存事業の深化exploitation
と
新規事業の探索exploration
同じ企業でこの相反する両利きambidexterity経営をしなければ、破壊的イノベーションが頻発するこの時代を生き抜けない
実在の企業を実例として解説しており、分かりやすい。
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従来別々に議論されてきた進化と探索を企業の中でいかにバランス良くやる必要があるか、また、企業は生き物であり進化し続けなければ未来はないことを具体的に示した著書。
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この本で言いたいことは知の探索と深化をどう経営に活かしていくかだ。イノベーションとリーダーシップを交えて様々な会社の事例を紹介している。多様化、選択、維持(生物学)、破壊的イノベーション、自社の顧客には何が必要か、自然選択という概念が組織にも当てはまる、改良的イノベーション等組織のことを考えるときは意識していきたい。
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不確実性の高い探索、すなわち、新たなビジネス開発を行いながらも、深化、すなわち現事業の改善によって安定した収益を確保する。両者のバランスを取って二兎を追いながら両者を高いレベルで行うことを、「両利きの経営」と本書では呼んでいる。
一般的に、企業には、事業が成熟するに伴いどんどん深化に偏っていく傾向がある。これをサクセストラップという。成功企業は、成功の要因を深掘りすることにリソースを割き過ぎて、市場や技術の変化に適応しきれないことがある、というか、そういう企業の方が多数派であると、本書は主張している。
「両利きの経営」を成功させるためには、リーダーの役割が決定的。リーダーは、既存の資産や組織能力を深化し、今日の収益源である成熟事業で競争しながら、新規事業を探索して未来の市場に備えなければならない。
「両利きの経営」に成功した経営者として、本書では、Amazonのジェフ・ベゾスが紹介されている。
成功、あるいは失敗した企業の事例が豊富に紹介されている。これが、物語として面白い。Amazon、シアーズ、富士フイルム、コダック、ネットフリックス、SAP、ファイアストン、IBMなど。
特にIBMの例は、「両利き」を会社の中に「仕組み」として組み込んだ成功例として紹介されている。
「両利きの経営」を実践するためのポイントを、本書では4つ挙げている。戦略的意図、経営陣の関与・支援、組織構造、共通のアイデンティティである。それらを実際に会社の中に根付かせるには、リーダーの役割が大きいと、本書は主張している。
うまく要約できているか心配であるが、本書のおおよその内容はこういったところである。
著者は、2人の学者であり、本書では示されていないが、この主張には、エビデンスがあるはずである。
既存ビジネスを深化・進化させ、より良いビジネスにしていくこと。どんなビジネスにも寿命があるはずなので、既存ビジネスを強くする活動ばかりではなく、将来に備えて、新規のビジネスを創出していくことの両方が必要、というような書き方をすれば、当たり前のことを言っているだけのように思える。
本書のポイントは、豊富な事例の紹介と、その分析から得られた、「両利きの経営」を成立させるために必要な要件の明示である。事例の中では、特にIBMのものが面白く、また、説得力を持っている。
本書は、一つのビジネスをどのようにうまく運営していくか、という話ではなく、一つの企業全体をどのように繁栄させ続けるか、ということが主題である。従って、会社の経営者、あるいは、会社全体の戦略に大きな影響力を持つ人が読者である。そういう意味で、限られた読者向けの本であると思うのだが、結構、話題になっている本だ。そのあたりは、少し不思議。
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探索と深化。実践にはリーダーのコミットメント、組織の役割が何より肝要だと思った。
実践するのが非常に難しいがチャレンジする価値は大いにある理論の一つ。
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会社の経営層や、それに近い人から、この本の題名が出ていたので読んだ。
結論から言えば、経営層向けの本と言えるが、上の人の意図を理解するために読むことは悪いことではない。
両利き経営に必要な4つの要素
1.明確な戦略的意図
2.経営陣の保護や支援
3.対象を絞って統合された適切な組織アーキテクチャ
4.共通の組織アイデンティティ
両利き経営の組織リーダーシップでは、誰かを送り込むだけでは不十分で、個人的にも積極的に関与する必要がある
両利き組織を導く原則
1.心に訴えかけ戦略的抱負を示し幹部チームを巻き込む
2.どこに捜索と深化との緊張関係を持たせるかを明確に選定する
3.幹部チームの対立に向かい合い、葛藤から学び事業間のバナンスを図る
4.一貫して矛盾するリーダーシップ行動を実践する
5.捜索事業と深化事業にちてのギロにゃ意思決定の実践に時間を稼ぐ
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文句なく面白い。
ただ、解説で、入山先生も書かれているとおり、
事例がちょっとくどすぎるきらいはある。
両利きの経営とは、
既存事業を深化させること
新規事業を探索すること
を両立させること。
そのためには、探索ユニットを
深化ユニットとは物理的に隔離し、
異なる軸で評価する一方で、
深化ユニットから、適切に経営資源を
借りてこれることが重要となる。
経営層が、これを支援することが大事。
深化ユニットの経営資源を使うことのできない
ような領域は、そもそも、やるべきではない。
経営資源として、
顧客資産
製品、サービス
技術資産やブランドなど上記以外
がある。
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実例として挙げられた私が企業をほとんど知らず、かつ少し情報が古かったので、読みやすい本ではなかった。実践に向けて参考になったのは以下の2点。
・深化はマネジメント、探索はリーダーシップ
・探索ユニットが大組織の資産を活用することで、競争優位につなげること
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イノベーションのジレンマを克服するための議論を提供する優れたツールだが、実現するためには、組織やチームに継続的に学習する習慣が伴っている必要あり
ブロックバスターやコダックなど、かつて一世を風靡したものの、今では見るも無残な姿になってしまった企業は数多存在します。かつてクレイトン・M・クリステンセンが「イノベーションのジレンマ」の中で、企業は市場において、目下競争力を求められると同時に、これから来る未来の新しい領域でも勝ち残っていくことの難しさを述べました。
企業は、柔軟性や自律性を発揮して新しい市場で勝利をつかむ必要がありますが、同時に効率性や漸進的変化によって既存のビジネスを改善していくことが求められる。これが、本書の説く「両利きの経営」であると、私は理解しました。本書では、企業が自社のイノベーションのジレンマをどのように解決したのか?逆に、同様のことを試みて失敗したケースについて、数多くの事例が紹介されています。他にも、トップダウンとボトムアップのリーダーシップがカギを握る、といったインスピレーションを与えてくれた記述もいくつかありました。両利きの経営を実現する上で、どんなことが可能で何を目指していけばいいのか?といった議論を誘発するという意味で優れたツールになると言えるでしょう。
以下は、私が参考になった部分です。
⇒ 自身・自組織のコア領域の強みを理解する。
⇒ 新しい技術を習得することのリスクをいとわないリーダーが必要となる。
⇒ 新規事業を開発するチームは、既存の事業領域の部門から分離する。
⇒ ビジョン・価値観・チームのカルチャーは共通のアイデンティティを提供し、メンバーが価値観を共有する上で不可欠となる。
一方で、実行に持っていくための具体的な道筋は、本書では示されてはいません。本書の読者、及び読者が所属する組織やチームが、継続的に学習することをいとわないのであればこのことは苦になりませんが、そうでなければ両利きの経営の実現は難しいように感じます。全般的に、事例を使って何ができるのかを示し、リーダーシップや組織の特徴を概説するといった内容であり、本書に書かれていることを実現するためには、スキルを身につける前段階の基礎が必要と言えます。