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『コンビニ人間』で村田沙耶香に魅せられたのをきっかけに手に取ってみたが、あまりに生々しくてびっくりした。
極めつけが、藤田香織さんによる解説だ。「常に微笑みをたやさず、しかもそれが『仮面』とは思えない。穏やかで華奢で嫌味がない」
そんな彼女が、こんな仰々しい物語を紡ぐのがもっとも恐ろしい。
おとなしく、口下手な少女のなかに潜む殺意と、異性への強烈な憧れ。少女が抱く紙切れのように薄い自己肯定感に触れるたびにこちらまで情けなく惨めでちっぽけな気持ちになってしまう。自分の幼少期の記憶を細長い棒でほじくられていく。ページを捲る指が重い。それでも読むことをやめられない。
コンビニ人間もそうだけど、村田沙耶香の小説に出てくる主人公はどこか歪んでいて、でも人間らしくてゾッとする。どうしてまわりと同じように振舞わなければいけないんだろうとか、どうして人を殺しちゃいけないんだろうとか。日常に溶け込んで「普通」に陳列している疑問をこじ開ける。
痛いなぁ。
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主人公たちの内面がおかしいのは期待通りだったのだが求めていた狂気は今ひとつだった。やってることは完全におかしいんだがそこに至るまでが普通というか…
きっと今回の話は周りにおかしい人が少ないからだと思う。もっとトチ狂った世界観が読みたい
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◯ひかりのあしおと
愛菜ちゃんははたからみてかわいらしい女性で、娘を持つ母親としての部分より自分の人生を持つ人である部分のほうが多いようです。
私は母親が私の学費を稼ぐために働いてくれたり、ごはんを作ってくれるのがありがたい反面、完全に母親であろうとする母親の趣味を持たないことや友達を作らないことに窮屈さを感じています。なので、愛菜ちゃんについて読んでいると微笑ましく、こんな風になりたいとさえ思いました。お父さんも優しいので。けれど、この物語の主人公視点から観ればこの母親像も辛いのかもしれないと気付きました。初めは憧れの姿であった愛菜ちゃんが、後半車内のシーンにはうとましくもっと色んなことを知ってくれとさえ感じました。
◯ギンイロノウタ
最初の方はまたクセがある主人公なんだなあと呑気に読んでいましたが、読み進めるたび辛くなってきました。先輩の家でのシーンは、私が女であるからなのか痛々しく感じましたし、日記をつけるあたりからはもうやめてくれ、と最悪の結末を頭の隅におきながら読んでいました。
正直私にはラストのくだりがどういう意味なのかなどわからなかったのですが、タダイマトビラと似た感覚になりました。
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極端に臆病な幼い有里の初恋の相手は、文房具屋で買った銀のステッキだった。アニメの魔法使いみたいに杖をひと振り、押入れの暗闇に銀の星がきらめき、無数の目玉が少女を秘密の快楽へ誘う。クラスメイトにステッキが汚され、有里が憎しみの化け物と化すまでは…。少女の孤独に巣くう怪物を描く表題作と、殺意と恋愛でつむぐ女子大生の物語「ひかりのあしおと」。衝撃の2編。
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워낙 무라타 사야카를 좋아하는 사람으로서 이번 작품도 높은 기대감을 갖고 보게 되었다.
책 표지와 같은 밝고 유쾌한 내용을 상상했지만 정확히 정반대의 이야기들을 보여주었다.
책은 옴니버스 형식으로 2개의 중편 소설로 이루어져 있다.
두가지 소설의 공통점은 특이한 가정환경이 미성숙한 소녀에게 미치는 영향을 보여 준다.
ひかりのあしおと(빛의 발소리)는 순한맛이라면 ギンイロノウタ(은색의 노래)는 매운맛이랄까..
또 다른 관점에서는 어렸을적 겪었던 누구나의 미세한 떨림 같은 변화나 행동들이 증폭되어 큰 파동의 형태로 변화된 것 같은 소설일 수도 있겠다.
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少女である私は、女性であることの気持ち悪さと大人の女性への嫌悪感と憧れに共感した。薄っぺらい不安定な自己肯定感が常に付き纏う。
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人間の心の闇を感じた。家庭環境が隠れたテーマになっているのかな。有里ちゃんの家庭は、特に心に刺さるものがあった。大人は素性を隠しているつもりなんだろうけど、子供はお世辞とか諸々感じ取ってしまうんだよね。お母さんがアカオさんに変わる時の怖さは想像するだけでも恐ろしいし、ストレス。この環境を変えられず、主人公の内面だけが変化していく様子は凄くリアリティがあって心が揺さぶられた。
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鬱屈した狂気、毒親、歪んだ性...。この世界観にどっぷりと飲み込まれ圧倒される。生きづらさを抱える人たちがいることは想像できるのが、周囲にはいないと思っている時点で、無意識に目を背けているだけなのだろう。でも見てみたい衝動を満たしてくれる一冊。
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村田さんの異様な世界観が詰まっていました。 ただただ眺めることしかできなくて、圧倒されました。
この人の頭の中はどうなってるんだ…って思わされます。
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表現が凄い…!世界観がすごい…!
友達のオススメで読みました!
主人公の女の子の語りで物語が進むから、主人公の狂気な思考や行動が目の前で起こっているような気がして、背中がゾクゾクするような作品だった。
もちろん面白いって思う人は面白いのかもしれないけど、ファンタジーで明るいハッピーエンドが好きな私にはちょっと重かったかも(?)
びっくりな事に、お話で出てきた呪文が、私の夢でも出てきて久々に怖い思いをした(;_;)
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やっぱり村田沙耶香、良すぎる……
まず「ひかりのあしあと」。
ピジイテチンノンヨチイクン。ピジイテチンノンヨチイクン。
奇妙で生々しくて、でもどこかすっと入ってくる夢の中に引き込まれているような心地良いグロテスクな彼女の世界観が、本当に好きだ。
社会に溶け込めない少女とその少女に関わるオレンジ色の少年の眩しくも同じく世界に溶け込まない異端さが歯車を動かしていく。
狂わされていく彼女の理性と狂気的なクライマックスは村田沙耶香さながらの世界観。
ラストで落ち着いたものの最後まで奇妙な世界観を残したまま夢から覚めさせられることなく、夢の中で完結するような心地良さでした。
ですます口調なのも良かった。
「ギンイロノウタ」。
ラストでの狂気じみた村田沙耶香ワールドのスピード感全開と言った感じ。
臓器の描写がどんどんリアルに生々しく描かれていく。
村田沙耶香の作品の特徴として主人公と親の関係性が大体奇妙であるのが特徴的だがこの本においてもどちらの話も奇妙だった。
ひかりのあしあとは過保護で不安定で自立のして無さに気持ち悪ささえ感じられる母親像、ギンイロノウタは過剰に主人公を無意識に蔑み萎縮させてしまう母親像だった。
どちらの話も家族との関係性、社会との不適合性、独特の性表現、グロテスクな描写、これらの村田沙耶香の作品の特徴がよく滲み出た作品だった。
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ここまで怖いと思った作品はありませんでした。
ホラー的な怖さではなくて、人間の狂気の部分が
ここまで、生々しく描かれていることに恐怖を感じる自分もいれば、どこか、自分と重なる所もあるなと感じました。「コンビニ人間」にも通ずる部分も
あると感じました。藤田香織さんの解説も素晴らしかったです。
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二つの作品とも生きづらい環境、世界の中でどうにかしてもがいている様子が描かれている。
人間の内側の狂気的な部分がありありと描かれていて、恐ろしい。
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ひかりのあしあと
この作品を読んで思った言葉、それは「気持ち悪い」。
母親と娘を批判しかしない父親と、娘に「愛菜ちゃん」と呼ばれる母親の関係性が誉の人間性に影響を及ぼしていることは間違いないが、本人はそれを小学生の頃の事件のせいだと思っている。
気付いたら斧を持って好きな男の子を脅迫しているあたりもサイコパスだと感じた。
ギンイロノウタ
ひかりのあしあと同様、この小説にもサイコパスを感じた。「このまま土屋先生を殺してしまうんだろうな」と思っていたがそのような展開でなかったあたりも物語に引き寄せられた。
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2作品はどちらも未完成感はあるものの、やはり村田沙耶香は面白い。
ギンイロノウタは最後はちょっとついていけなくなったが、性欲の描き方がリアルに感じた。