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進化する身体
2002/07/13 16:14
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あさの - この投稿者のレビュー一覧を見る
進化して男から女になった女たちは、独特の清涼感につつまれている。
男の女、両方の性を経験した結果、『元』男たちは、女の身体がジオラマだと感じる。世話をしてやらなければ誰の目にも止まらず、なんの評価もされない物体だと。
そこには女の身体が持つ、もともとの泥臭さも、原始的な穢れもない。
美しさだけを取り込み『男』は『女』に進化する。
鈍感であることは悪だといわんばかりの、主人公の存在感はある意味残酷ですらある。
彼はじぶんのものと決めた桜の木の上で、初めて亘を見、多分最初から彼を恋する。そして彼の身体は進化し始めるのだ。亘を受け入れることができる、『女』へと。──と、考えるのは僣越すぎるだろうか。
とはいえ。
もともとはあるべきものが外部にある性特有の恐怖、『とれちゃう』というのは興味深い。それは、『とれちゃった』あとの、清潔感と美しさが、この世の物を超えた存在になっているせいだ。まさにジオラマ──のように。
その身体を再び地につなぎ止めるのは、『彼』が恋した『彼』の身体。
かちり、かちりと音をたてて、意識は繋がり続ける。
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