紙の本
意外と紋切り型
2022/01/12 22:56
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投稿者:IYIY - この投稿者のレビュー一覧を見る
意外と紋切り型
紙の本
いかにもジャーナリストの著作と感じさせる作品です。
2019/06/01 07:52
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投稿者:ねこねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著作者の価値観を通した作品である旨ことわっているが、安倍首相を歴史修正主義者と断定しているような書きぶりはフイナンシャルタイムズの論調を感じさせます。同様に南京事件の認識や従軍慰安婦についての書きぶりも相当偏った印象を与えます。全般的にトランプに否定的でオバマに同情的な表現もアメリカやイギリスのジャーナリズムの論調を感じさせます。そうした価値観の下でグローバルな経済・政治状況を概説することで「イースタニゼーション」を不可避なものと位置づけ、その前提下での「世界の協調」をあるべき姿として結論付けた内容です。望ましい将来像ではあるかもしれませんが、当面の実現性はないように感じます。入江昭も同様のスタンスに立った著作を出したので驚きましたが、現在の潮流なのでしょうか。
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米中関係にはどうしても協力と競争の要素が共存する。
インドの楽観論は主に人口動態に基づく。中国は高齢化が進んでいる。インドの人口は中国を抜いて世界一になる。
グローバル戦略をパキスタンに妨害されまいとするインドの決意は、中国がパキスタンを支援しているという政府の核心によってさらに強まっている。
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今後、巨大な富と権力が欧米(西)からアジア(東)へと移り、新たな時代を迎える。西側諸国の衰退とアジア新興国の台頭によって錯綜する、今の世界の姿を描く。
1490年代の大航海時代の幕開け以降、数世紀にわたってヨーロッパ諸国が、そして第2次世界大戦後はアメリカが世界を支配してきた。だが、過去50年の間に、欧米によるグローバル経済の支配は衰え、アジア各国が台頭した。
アジアの経済発展は、まず1960年代に日本で始まり、70年代に韓国、台湾、東南アジア諸国の一部に波及する。80年以降に中国が、90年代になるとインドが成長を遂げた。そして2014年には、中国が世界最大の経済国になった。
アメリカは9.11同時多発テロの後、中東再編のため、2003年イラクに侵攻した。だが、その後、戦闘が泥沼化し、2008年に世界金融危機が起きると、中東への関与から手を引く。その結果、アメリカに挑む勢力がアジアやヨーロッパで現れた。
今後、アジアの成長ペースが西側世界を上回り「イースタニゼーション」(東洋化)が進むと見られている。
予測によれば、世界の実質GDP(国内総生産)の中で北アメリカ・西ヨーロッパが占めるシェアは、2010年の40%から50年には21%へ落ち込む。一方、アジアのシェアは48.1%に倍増する。
勢いに乗るアジアだが、グローバルパワーを握るのは簡単ではなく、次の2つの障害が立ちはだかる。
・政治腐敗や制度の欠如といった、各国の内政問題。
・アジア内部での政治的分断、ならびに敵対関係。
グローバル経済のイースタニゼーションが意味するのは、太平洋上の無人環礁などを巡る争いが世界を揺るがしかねないということ。
アジア太平洋における中国の野心をアメリカが阻止すべきか。これが今後、国際関係上の最重要課題となる。