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ライフステージや性別などの属性が、貧困やそのリスクとどう関わっているのか、わかりやすくまとまっており、現在の日本を理解するためには、一助になる本。
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日本におけるこども、若者、働く男女、高齢者の4つのステージに見られる不平等について検証。あるべき社会制度のバックアップを提案する。少し進め方が単調かなーと感じますが、共感できます。
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思うことは・・・、お互いさま社会の中で他者感覚を磨くことができるヒトはすでに「勝ち組」ではないのかと。
お互い様・・・というからには、無計画に生きて来てヒトもまた、健全に生きてきたヒトになんらかの他者感覚を持っていただかなくてはなりません。
結局、お互い様・・・と言いつつも、それは他者感覚を持つ「余裕」のあるヒトからの一方通行にならざるを得ないのであれば、それはもう概念矛盾でしかありません。
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人は生まれながらにして、生まれた親、家によって不平等のスタートが始まる。
学生時代も親の経済状況による不平等。
就職する時もタイミングによって、不況・好況の不平等。
結婚しても家族構成や社会保障の不平等。
社会にでも男女の不平等。
これらの解決を図ろうという話ではなく、
その中でもミクロな視点に落として、特にこの部分は。
という改善を薦めている。
日本では社会での男女の不平等が以前として根強い。
著書の意なかでは、昇進が出来ないだとか、賃金が低いことが就労の継続への
諦めの原因になっているという。
個人的にはそういった仕組みというより、認識としての問題だと感じる。
多少の男女差が出来るのは必然だと思う。
どうしても出産は女性にしかできない。
そのブランク期間を考えると、同じ期間、同じ働きをしていたら、
男の方が先に昇進したり、専門性の高い仕事ができるのは自然。
だが、それ以上に格差が起きているのは長年のイメージや認識だと感じる。
まだ処遇を決める企業の上層部が「女性だから」という潜在的
イメージを持っているから、結果的に昇進できない。
「下流」などの格差論が落ち着き、「格差があること自体」は肯定されたが、
次は「貧困」は問題だという論争が巻き起こっている。
しかし貧困と格差は別々のものではない。
勝ち組・負け組の格差も「たまたま」の結果であり、
いかなるときも「負け組」への転落の危機があったり、
そういった人を保護することで受ける恩恵もある。
だから「お互い様の社会」を考えよう。というのが一番の主旨。
それにしたって、何をもって「貧困」とするのか。
3食屋根の下で食べられても貧困なのか?
感覚的で当事者にならないとわからない、当事者の解釈だけでも
解らない非常に難しい性質を持っているなぁと実感。
マクロとミクロのつながり、マクロになると消し込まれる対象。
社会学や統計学のそういった側面も考えさせられる。
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誰もが読めるように書いたせいか,思いついたことを書き連ねているといった感じ.若年層に関しては,教育に関して述べるべきであったと思うが,触れられていない.
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[ 内容 ]
いまの日本社会で実際に選択できる「生き方」には、収入やジェンダー、年齢によって著しい不平等があるのではないか。
子ども、若者、勤労者、高齢者というライフステージごとに、その実態と原因について、数々のデータをもとに考察。
生き方の不平等をなくしていく道を「お互いさまの社会」の創出に見出してゆく。
[ 目次 ]
序章 不平等を語る
第1章 ゆりかごが決める人の一生―子どもたちの不平等
第2章 たまたまの勝ち組、たまたまの負け組―若者たちの格差
第3章 稼ぐ人・世話をする人の分かれ道―女の働き方・男の働き方
第4章 蓄積された不条理―高齢者たちの格差
終章 お互いさまの社会に向けて
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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社会学者の筆者が、多くのデータを示しながら、子ども、若者、男女、高齢者という中での実際の実情を報告している。最後に提言の章がある。
最後がお互い様であるという無難というか当たり前の結論であって、そこが物足りない。所謂データ分析はできるが、それをまとめる思想が少し欠けているような感じかな?
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生き方の不平等。人生のうちでどれだけ主体的な選択決定をすることができるか、世代別の貧困に関する考察といったテーマだった。
収集された数値データの傾向から言えること、またさらに深くデータの裏側まで読み通そうとする姿勢、方法は参考になる。
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ざっと流れと終章のポイントを整理しておく。
一章は子どもたちの不平等、二章は若者のあいだでの不平等、三章は女性と男性それぞれの働き方、四章は高齢者たちのあいだの不平等、5章は「お互いさま」という理念が示されている。
終章の提言のみここに記しておくと、
「お互いさまの社会制度として、再分配政策をいま一度見直し、社会制度の中心的な制度として整備すること。」
「若年層、壮年の現役層を中心に、子育て支援、就労支援などを通して社会が生活保障機能を提供することのメリットを実感してもらうこと。」
「第三の論点は、就労を通した参加型社会の形成である。」
興味深かったのは丸山真男の「他者感覚」という言葉で、「自らが他者にはなりえず、他者でない自分が他者の立場を理解することの限界を認識することをも意味する他者感覚」と定義される。
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タイトルにインパクトがあり、自己啓発のような柔らかいサブタイトルであるわりに、読んでもあまり得るものがない。岩波新書だし、東大教授なのでしっかり参考文献も出し、図表も豊富に提示してあるが、ここで問われている、少子化、若者の貧困、未婚・晩婚、高齢化などの問題は、すでに先行の論者たちが論じてきたことの焼き直し。特に新しい視点はないし、とにかく読みづらい。
親の経済力格差が子どもにも影響する、企業は就職支援を、富裕層のストックに税金をかけて再分配を、どこでも聞いたような解決策しか浮かばない。
あと、親は長男や息子に経済的に依存する、親の資産の恩恵を受けるのも男、というのは実はそうでもない。私の周囲では、他家に嫁いだ娘を介護人と見込んで親と密接になっているケースが目立つ。
資料とそれまでの既製の価値観と思いこみによって片づけているだけで、実際、そうした問題を抱えた人にアクセスして状況を洗い出したわけではない。説得力がない退屈な社会学の本。
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ゼミの課題本。今まで参考書のようなものをじっくりと読み進めたことがあまりないため、そういった意味でも勉強になった。
しかし、度々出てくるグラフなどが複雑で、説明不足な所も多かったように思う。また、繰り返しが多く、無駄なのでは?と思う部分が多かった。
特に新しい視点が出てきたわけでもないだろうが、まず格差・貧困などについて理解するのには、役立つ本だと思った。
私自身色々新しい考えも生まれたし、これからいろいろなことを学んで行く上でとてもタメになった。
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現代の日本で、生まれ育った家庭や生まれた性別によって、ライフコースに不平等が生じていることを、子どもの貧困、格差論、労働論などを切り口に論じている。
例えば、貧困の家庭に育つ子どもと裕福な家庭に育つ子どもとでは、様々な要因によって、進学率に差が生じ、それが就職にも影響してくる。また、女性であれば、家庭内の役割を暗に求められ、就労にも影響がある。
なるほど、わが国では、生まれた家庭や性別によって相当不平等なのだなと思わざるを得ない。生まれ育った家庭によらず、性別によらず、本人の努力で成功できる社会が理想だと僕は思います。現実はもちろんそうはなっていないし、そこに政策課題があるわけですが、あまり機能していないみたい。
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これ書いてた当時に著者当人の講義受けていたのだから当たり前だけど、知っていることが多い。でもそれ以上に、10年経ってみると学校の教科書にも反映されているような、そんな「当たり前」になっているような議論。
新書は積読ものではない。
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「貧困の連鎖」に象徴される、生まれながらの貧困の環境やジェンダー論、高齢化社会など、本人の努力ではどうすることもできない不平等の実態を数々のデータとともに解説し、その解決をサブタイトルにある「お互いさまの社会」を作ることで図る提言をしている。
全体的には物足りない印象が残った。データの数々も分析内容も他のメディアで繰り返し語られていることをまとめただけの感があり、解決方法は政策を提言するわけでもなく、人々の意識「お互いさま」に求めていて、問題解決とは距離を感じる。
しかし先立つもの(国家予算)に乏しく、税収のアップが期待できない昨今、頼るべきは国家ではなく個人レベルの気持ちしかない、ということか。しかしその気持ちも、自分の生活に経済的・時間的なゆとりがあってこそ発揮できるのではないか。ニワトリが先か卵が先か…