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タイトルからどんな本なんだろう?となる。
植物たちがいかにして、日頃から戦い続けているのかを知れる、素敵な一冊。多様化した戦術と、それに負けじと共進化していく様はまさに戦争。
何億年と戦ってきた植物は、時には共生という道も選びながら、現世に生きているんだなと、少し見る目が変わった。
あとジベレリンの発見経緯について知らなかったので、素直にへぇ~っとなってしまった。
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生物学が農学部で研究されているってことを最近知った。去年の秋から放送大学で生物学を学び始めてからのことである。食物となる植物が病気になっては生産者にとっては命に関わる一大事なのだから、農業のために研究を重ねているわけだ。この本は、そんな初心者にとっても副読本としては最適だった。高校生や一般教養で生物学の基礎を学んでいる学生なら、植物病理学の可能性にワクワクすることだろう。専門的な内容が多く、理解が追いつかなかった。この本でゼミをやってもらえたらなぁと思う。
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陸上植物が生まれてから約5億年といわれるが、その長い時間、植物と病原菌は生死をかけた「果てしなき戦争」を繰り広げてきた。スパイさながらの防諜戦、大量破壊兵器とそれを迎撃するミサイル、感染すると細胞がアポトーシスする「自爆機構」など、植物と病原体の分子レベルの闘いは、きわめてダイナミックである。本書では、そんな植物と病原菌の関係にフォーカスを合わせ、その驚くべき攻防の舞台裏を解説する。
私たち人間が風邪をひいたり、腹痛を起こしたりするように、実はありとあらゆる生命体(ウイルスを含めて)が病気になる。それは陽の光を浴びて光合成を行い、穏やかに暮らしているように見える植物も例外ではない。
しかしながら「植物の病気」については、一般にほとんど知られていない。そもそも植物に病気を起こす病原菌は、我々ヒトや動物に感染する菌と同じなのか? 動物では生体防御に必須の自然免疫や獲得免疫が存在するが、免疫に必要な白血球や抗体も、それを全身に運ぶ血液もない植物はどうやって病原体を撃退するのか?
動くことのできない植物は、ウイルスや病原体からの感染に対して無為無策のように思われるが、実は動物たちに勝るとも劣らない独自の感染防御機構を発達させてきた。病原体が細胞壁に付着しただけで、それを認識して、感染経路を遮断したり、有害物質を分泌して病原体を撃退する。驚くべきことに植物は、動物の自然免疫や獲得免疫に匹敵する特有の免疫機構で感染を防御していることがわかってきた。対する病原体も、こうした防御機構を無力化する、特殊な分子メカニズムを発達させてきた。陸上植物が生まれてから約5億年といわれるが、その長い時間、植物と病原菌は生死をかけた「果てしなき戦争」を繰り広げてきた。スパイさながらの防諜戦、大量破壊兵器とそれを迎撃するミサイル、感染すると細胞がアポトーシスする「自爆機構」など、植物と病原体の分子レベルの闘いは、きわめてダイナミックである。本書では、そんな植物と病原菌の関係にフォーカスを合わせ、その驚くべき攻防の舞台裏を解説する
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文字通り、植物と病原体の戦いについて描いた本。
これまで動物と病原体の戦いについて知る機会はあったが、植物にもそれと同等かそれ以上の戦いの歴史があることがよくわかった。
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昨年、ダーウィンの進化論を覆すような研究結果がでましたが、
自分は今でも、自然界において、生物が生き残る為には、自然淘汰、という考えにも共感しています。
生物が生き残る為には、身を守るためには、人間社会に組み込まれた生物は、人為的な方法も必要ですが、自然界の条件や、種独自、個体独自の方法が必要です。
その方法の一つ、「病」からどのようにして身を守るのか、を、この本では、特定の植物達について、詳しく説明しています。
日本の植物業界?で働きたい、植物について学びたい方への糸口として、良い本だと思います。
自分に馴染みのない草木、も出てきますが、散歩をしていて見かけたり、家の近くにはえていたり、と、自分の周りの植物達を、この本を通して、別の視点からみることができるかもしれない、とも思います。
日本は、植物や野菜などの品種改良が得意だ、と何かの本で読んだことがありますが、この本の内容のような研究なくしては成り立たないのだろう、と思います。
例えば、とても大きな蕪を品種改良してつくる、など、ですが、この本では、葡萄の品種改良について取り上げています。
しかしながら、元素記号などのアルファベットや記号、カタカナ表示の言葉が多いので、横書き、だったならば読みやすいのにな~、と思いました。
植物はヒトよりも、なが~い間、生存しています。そして、植物が無くなれば、ヒトも無くなります。
植物を知る、それは、ヒトを知ることでもあると思います。
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いや本当、副題にもあるように、動けない植物に容赦ない植物病原菌の攻撃。特定の植物種だけをピンポイント狙ってくるのもスゴイが、植物側も分子レベルの囮を使ったり捕食者の好む成分を分泌して対抗したり。また、クチクラ層を突き刺すのにメラニンで閉じ込めたグリセリンの膨圧を使うとか、壮絶なサバイバル!
「植物病理学」は聞き慣れない学問分野だけど、学会は20世紀初頭に発足しているそう。
しかしまあ、DNA配列解析の影響で混乱している分子系統分析は、こういう分野にも影響があるようで。
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日本植物病理学会編「植物たちの戦争」読了。動物と違い動けない植物は外界からの敵(病原菌など)といかに戦っているかがわかり関心した。また、普段目にする植物と病原菌との攻防に生命の営みの1つの側面を見ることができた。それぞれが必死になって生きているんだと感じた。
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生化学と分子生物学の基本知識が必要。わかっていれば面白そうだなーと思いつつ、でもやっぱりついていけない。残念。
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自分の専門外ではあるが、必要に迫られて購入した本。
BLUE BACKSの中でも久々のヒット!
植物病理学の入門書としては最適な本だと思う。
教科書的な切り口ではなく、面白い”読み物”になっているのがいい。植物は病気に負けてしまうのではなく、絶えず戦っており、それにより新たな生命力を身に付けるというプロセス、そして生命の神秘に感動した。
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植物病理学は、「植物を病気からいかにして守るか」を命題とした、植物を対象とする医学のような学問分野だそうです。
生死をかけた戦争を繰り広げてきた植物と病原菌。
病原菌の侵入戦略(植物の硬い細胞壁を加圧分解させ内部に侵入する付着器、毒素で気孔を開けさせて侵入)、化学兵器vs化学兵器、兵糧攻め、大量破壊兵器と迎撃ミサイル、感染すると細胞がアポトーシスする「自爆機構」、植物との共生を目指す菌種など。
と書くと面白そうですが、専門用語が多く、ちと難しいかな。
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https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000086332
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考えてみれば当然なのだが、植物も菌やウィルスに冒され病気になる。この本は植物たちがどのようにそれらの感染に対抗しているか、逆に菌はどのようにそれをかいくぐって植物たちに感染するか、ということを書いたもの。その視点が新鮮で楽しみに読んだのだが、思った以上に専門的・化学的な内容で、もう少し仕組み・実例の方に焦点を当てて欲しかったというのが正直なところ。耳慣れない専門用語が苦手な人にはつらいかも。