災厄を運ぶ男 みんなのレビュー

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投稿者：やじやじ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

ネタバレあり

愛している妻と可愛い子供がいる秀一が
実家の工場に商社を辞めて戻ってきたが
借金を抱えて父は自殺されてしまう。
多額の借金の返済に奔走している秀一の前に現れるのが
大学時代の知人（友人とも呼べないよね）で商社を退職した日に再会した戸田

後書きで作者さんが戸田をタチの悪い男と評されてましたが
まあ確かにタチは良くないです、
いつもの出会い頭に痛い目に合わせる男と比べたら･･･マシではと思ってしまったりしました。
（作者さんの理不尽な男たちに毒されているのかもですが）
どうしてそんなに執着するようになったかはわかりませんが
（それが恋ってものかと）
大学時代からずっと好きで、ずっとこっそり見つめてて（ストーカーですね）
結婚や出産のことまで知っていて密かにショック受けているとか
可愛らしすぎるだろう
（いや、執着された秀一は迷惑だろうけど）
で、さらに言うなら秀一も女々しい男じゃないんですよね。
借金をなんとかしようと奔走し、男として妻子を守ろうとしようとする。
（この奥さんが良い奥さんなんで結果がしのびないというか･･･
気の毒というか）
工場をなんとかしたいという気持ちと借金とで戸田の提案にのらざるを得ない状況になり
ついには犯罪までに係わって･･･妻子との日の当たる場所にはいられないとなるのでしょうが
そこらへんうまく戸田に持っていかれたよねぇとは思う。
（戸田への情と、犯罪に手を染めた自分は妻子と共にはいられないと思ってしまったのか）
秀一は流され気味ではありましたが、結局自分で選択したという点で良かったと。
人生思っている通りにはいかないものね。
でも、戸田の本当に秀一好き好き攻撃がすごくて･･･
どうしてそうなった的に愛らしくなってしまいました。
まあ秀一もそこにやられたのもあるでしょうが･･･

二人はこれから先安穏と暮らせるような気がしませんが
それは自業自得として美幸さんと美優ちゃんには幸せな人生を送って欲しいと思います。

余談ですが手を繋いで寝る二人のシーンにきゅんとしたと付け加えておきます。

☆3.5評価の4です。