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新シリーズが祥伝社から。
著者のこれまでのシリーズ主人公は、割と大人しめというか、あまり感情を顕わにせず、内に秘めた闘志を静かに燃やしているタイプだったと思うが、このシリーズの主人公ははっきりと闘志を剥き出しにするタイプで、新鮮だった(“強い女性刑事”という共通点はあるが)。
次回作が楽しみ。
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警察小説。オーバードライブを先にジャケ買いし、この話はシリーズ化していると思い第1段を購入。本の3分の2くらいから一気に事件が進む。そこまでは少々退屈で、読むのに時間がかかってしまった。特に、大陸の話は…うーん。女性警察官イルマ、カッコいいし、これでもかと生き延びて帰ってくる。宇野との絡みも気になるところ。後半の事件の派手さが読み手を爽快にさせてくれる、後味がいい小説である。
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話題となったシリーズ物だと聞いて読み始めた。単純に面白かった。引き続き、本作の続編を読みたくなった。
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星4.6
警察小説強化期間の中、お薦めされて読んだ。二十代後半の武闘派捜査一課刑事(♀)が、大陸系暗殺者「低温」と謎めいた毒物使い「蜘蛛」、狡猾なIT社長「佐伯享」の三者を相手取りながら、それぞれ別個の奇妙な縁を結びつつ、渡り合う話。
蜘蛛の気味の悪い手口の数々と、同僚の宇野の抑制された情緒、イルマの交通機動隊時代に培ったという二輪操縦技術の描写が優れていた。低温の過去は『機龍警察 未亡猟団』を読んでいた時のノリで楽しめた。
文章の品質自体も、日本語の作家としてかなり上位に入るのではないか。読点を繋げて状況描写を続けるハイライトシーンがあるが、どれも無理のない接続で違和なく、映像が自然に想起される。濃厚だが押し付けがましさの薄い、練られた文体だと思う。
イルマの過去の作り方はやや表層的なものを感じた。イルマの良さは宇野や基など、現在の同僚とのやりとりを通じてむしろ匂い立っていると感じる。すでに始まっているという続編に期待している。