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直木賞と本屋大賞をダブル受賞した作品だけに期待して読み切りました。結果的には本作の中でも、どちらかと言うと上巻の方が意外性が高く、ドキドキしながら読みました。前から恩田陸はいつか読んでみたい作家だったけれど、なかなかタイミングが合わずこれまで来ましたが、本作を読み終えて、読んで良かったと実感しています。是非、他の作品も読んでみたいですね。
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2019年70冊目。映画公開の前に原作をおさらいしておこうと思い読み始めた。400p越えの作品だが、文章に勢いがあり、スラスラっと読める。具体的な感想は下巻を読み終えたときに書こうと思う。ただ、直木賞と本屋大賞、両方受賞したのも納得できる出来だなと上巻だけ読んでもそう思えた。読むのが楽しい。下巻も読んでいく。
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国際ピアノコンクールに集まるピアニストたちの濃密な時間だけを切り取っている。目まぐるしく一人称(主体)が変わるけど、どこからどこまで誰の主観なのかは、ハッキリしていて、わかりやすい。
主人公は、亜夜という天才少女、マサル、そして塵か。それぞれの物語を背負って、友情、淡い恋心、ライバル心。一ヶ月もない間に飛躍的な成長を遂げる。
音楽の表現が、すごい。また、一次、二次、と、課題曲や選んだ曲をリストにしてあるから、小説を読みながらその曲を聴くことも可能。
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いい本読んだ、と思える本は意外と多くない。特に歳を重ねると展開が読めてしまったり、作者の熱が入ってないことが薄々分かってしまったり。
蜜蜂と遠雷は単行本でだいたい500ページくらいあり、まあ読み切るのに時間がかかった。それでも、面白かった。
時系列、キャラ別、選考段階順、どうやって言葉にしようが迷うのだが、あえてキャラ別にしようと思う。テーマ割はおそらくキャラ別だからだ。
・風間塵
天衣無縫の天才少年。ホフマンに師事していたことから注目を集める。聞くたびにファンを増やし今大会の台風の目になる。しかし、彼のやりたいことは明快、「音楽を連れ出すこと」。確かに明快だが、単純じゃない。そこにどんな意味があるのか、登場人物の中にも分かる人は多くはいない。凝り固まった音楽業界のお偉い方とは全く反対の道を進む。ピアノを持っていなかったり、養蜂家の息子だったりと破天荒な道を進む。聴衆は自分たちの血の滲むような努力の否定と感じるかもしれない。あれだけ万を超える時間練習をしているにもかかわらず、そういう苦労を飛び越えて新しい道を提示しているのだから。けれど、それは本質を見て、その中にピアノを置いているからできる。量の中で本質を見つける彼らとは根本が違う(それがリアルでできるかどうかは置いておいて)。
唯一真っ直ぐに成長してきて、今回真っ直ぐに成長しなかったキャラなのではないだろうか。言い方を変えれば、伸び代がない、というか、伸びるだけじゃない、というか。モノローグの少ない彼だが、やりたいことは一貫して変わらない。そのテーマをコンテストという舞台で検証しているに過ぎないからだ。
・栄伝亜夜
逃げた過去のある元天才少女。ピアノはおもちゃ箱になったあと、墓標に変わり、そして今大会は何に見えるようになったのだろう。描かれなかったが、思うに、具体物じゃないのではないだろうか。栄伝亜夜は鏡だ。彼女の演奏を通して聴衆は自分と向き合う。心という見えないものを揺さぶるピアニストだから、音という掴めないものを司る存在だから。ピアノがピアノにしか見えないとき、それが繁栄の頂点なのではないだろうか。
成長度でいえば今回屈指なのではないだろうか。成熟度、というのが正確かもしれない。風間塵の時折見せる淫靡な表情は、なんというかうるさいという感じがしたのだが、亜夜のそれは違う気がする。直接記述がないこともそうだが、内から湧き上がる、感情の奥底の言葉で語らなければならない。しかもそれは特定の言葉にまとめられるのをひどく嫌う。だから静寂なのだ。
・マサルカルロス
優勝。
日常の天才とはよく言ったもので、浅い人が評するに、広く深いタイプ。だからこそ塵のピーキーさや亜夜の成熟度が本人もよく目につく。天才集団のリーダーみたいな感じ?例外の中の常識人という意味で例外である。『やはり俺の青春ラブコメは』の葉山みたいなタイプ。彼の良かったところは八幡がいなかったところだろう。自分のセールスポイントがよく分かっていて、そこにきちんと均等な体重をかけてアピールできる。作中、自分のことで悩む部分が極端に少ないのは、彼の視点が外に向いているから。
・高島明石
28歳。二次予選敗退の社会人ピアニスト。ピックアップするには弱いが、奏たちと同じポジションかと言われれば違う!と力強く否定したくなる、単独4位の人間だ。参加者ながら周りのことをよく見ていて、年齢や技量の足りなさを分かっていながらもそれでも止めることができない。『青の数学』でいう、東風谷と七加のブレンドという感じ。本文ではやたら彼目線のシーンが多かったが、便利に使われ過ぎた印象。四人の中で唯一二次予選で落とされて「まじかよ」と思わされてしまったが、菱沼賞、取れて良かったねという救いがあって本当に良かった。マサルと亜夜はコメントしなかったが、菱沼が欲しかったのは世界観よりも宮沢賢治のなかの心情だったのかもしれない(だとすると日本人以外無理ゲーでは?)。そして憧れのアイドル・亜夜にも認識されているという第二の救い。二人で抱き合って大泣きするという謎シーンだが、私、あそこ大好きです。
奨励賞に関して、あんまりスッキリしなかったのは明石もチャンも受賞理由が分からなかったこと。明石の救いは開いた光が小さいから強烈で良いのであって、そこが大きすぎると淡くなってしまう。チャンは今回ピエロだったにもかかわらず二次で落としたのはともかくとして、奨励賞は納得できない。救いの答えを書いてくれ、流石に読者にお任せじゃ分かんねぇよ!
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じん、あや、まさる、あかしが芳ケ江国際コンクールに挑んでいく作品。上巻は2次予選でまさるが演奏終わったタイミングでおわり、以降じんとあやが2次予選に挑むというところ。ピアノ弾き達の描写がリアルで作品に惹き込まれる。
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初めての上下巻に分かれてる長編小説。
音楽の話は苦悩とかを理解できなくて難しい。
4人の主要メンバーがどうなるのか、下巻が気になります。
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『羊と鋼の森』に続いて、最近では2冊目のピアノに関係する小説。
ピアノコンクールに出場するピアニストたち(コンテスタントという)のこれまでと、それぞれの特徴に焦点を当てた上巻(下巻は未読了)。
天才と天才がぶつかる予選の描写が美しい中、主人公である風間塵についてはまだ詳細は書かれていない。
オーディションから一次予選まで、風間塵に対する意見が真っ二つに分かれる(自由な表現が賞賛される一方、師であるホフマンと似ても似つかない演奏への非難)が、それが下巻でどのように変わっていくかが楽しみ。
ピアノや音楽について無知な読者でも、演奏の美しさが伝わってくる描写はすごい。
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直木賞と本屋大賞受賞ってことで購入。
まだ上巻しか読んでいないけれど、思ったことを。
最初に主なコンクール出場者と曲目が書いてあるため、みんなが予選を突破し最終まで進むことがバレバレなのがなんか嫌
登場人物が多く、同じ節の中でもコロコロ変わるので、今誰視点の誰意見なのかがよくわからなくなる
それぞれ人は違う感性を持っていていはずなのに、登場人物みんなが同じような意見で、一つの方向からの発言が多く、これって他の人も同じこと言ってなかった?みたいなのが多い
長い
という感じ。
下巻もとりあえず読むけれど、いいなぁと思う要素が出てきてくれることを願う
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面白い、スラスラと読める
様々なコンテスタントの気持ちを知りたくてページをめくる手が止まらない
蜜蜂と遠雷用のプレイリストを作って聴きながら読むとまた良し!!
人の心理、その人にとっては当たり前のことが他の人にとっては特別だったりするのってなんでなんだろう。
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国際的なピアノコンクールに出場している人たちの感情や演奏を書き起こしたストーリー。
曲のイメージが広がって、あっという間に読了。
映画化されるとのことで、どういう演奏になるのか、興味深い。一方で、イメージが崩れそうで、観るのがこわいような気も。。
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塵くんの、音楽の神様に愛されている、おぞましい音色を聞いてみたい
ビアの曲の音色を小説で表現するするのはいかに難しいか それをあえてしている作者の凄さ
後半楽しみ
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令和最初の一冊は、2017直木賞&本屋大賞受賞恩田陸さん「蜂蜜と遠雷」上巻 国際ピアノコンクール群像小説10月には松岡茉優、松坂桃李で映画公開決定。ショパン国際ピアノコンクールを舞台としていた「ピアノの森」アニメを見てしまっていたのでちよっと残念な展開。下巻に期待です。
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伊坂さんのサブマリンが買いたくて本屋にいったときに、隣に大々的に並べられて手に取った一冊。
しかも、好みじゃなかったらどうしよう、と上巻しか買ってなかった一冊。
結果、このレビューを書いたら下巻を迎えに行きます。苦笑
読んでいると漫画の「四月は君の嘘」をなぜか思い出しました。
この作品、むずかしいワードなどは一切出てこなくて、とにかく手軽に読みやすく文章が描かれているため、漫画とかアニメのような間隔で読み進められました。と思ったら実写化されるんですね。
ひとつのコンクールに参加するコンテスタントには、それぞれの思いやバックグラウンドがあって。
それに加えて、クラシック業界や審査員の事情もあって。
すでに何十年、何百年も昔から音楽として存在してきた譜面なのに、弾く人が変わると、本当にそんなに変わるのでしょうか。
ゼロから造り出したなら、まだしも、譜面という枠があるなかで、無限のものを表現するってすごい。
このドラマを恩田さんはどんな結末に連れていってるのか。
下巻をはやく迎えに行かなくちゃ。
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恩田さんらしくない作品だ。それでいて何処かに恩田さんの影を感じる。おそらくこれは
「恩田陸が苦手」
と言ってる人にも非常に読みやすい作品なんだと思う。
音楽、ましてやクラシック音楽に何の造詣のない私でも、コンクールの緊張感がひしひしと伝わって来て、こりゃあ受けるわけだ❗️と思う。
優勝するのは多分あの人じゃないかな?と予測しながら、個人的には28歳、サラリーマン、一児の父に陰ながらエールを送ってしまっている。
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国際ピアノコンクールに挑む4人の若者たちの熱い闘いが描かれる。
自分の世界とは全く縁のないピアニストの物語に、はじめは戸惑いましたが、ページをめくるごとに音楽の世界に入り込んでいくようでした。
個性ある4人の若者にそれぞれ魅力があり、どの人物を応援していくこうか迷いながらもそれを楽しみながら読みました。
本という全く音が感じられない媒体から音の息吹が感じられる表現に引き込まれました。
コンクールの一観客として、4人の若者たちの音楽という生き方を見届けていきたいと思います。