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「東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)」なる古文書の写本が発見され、その信ぴょう性を片っ端から論理破壊していくルポルタージュ。
今でこそほぼ偽書と確定しているが、当時は真剣に信じるものが市井の人だけでなく考古学者にもいてマスコミをも巻き込み大論争を巻き起こしていく。原本ではなく写本であるところがキーにもなっている。東北地方という場所柄などを指摘しながら丹念に丁寧に論破していく。
まさに痛快、あっという間に読んでしまった。
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【優しさゆえに沈黙し、真実にいたる道をゆずってはいけないのである】(本文より引用)
世紀の大発見としてもてはやされながら、のちにその内容がウソであったことが判明した「東日流外三郡誌」。東北初の戦後最大の偽書はいかにして生まれ、いかにして人心を捉えるようになったのか......。著者は、「東奥日報」の記者としてこの偽書事件に巻き込まれていった斉藤光政。
こんな事件があったのかという驚きと、人々が偽書やフェイクをどのようにして信じるに到るのかを現実の例として見せてくれる稀有な一冊。事件ミステリーものとしてもページを繰る手が止まりませんでした。
この本自体に民俗史的な側面もあり☆5つ
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このような事が最近起こっていた事に驚き。今でも似た感じの事はメディア等で見聞するので、視野を広くしておくためにも読んでおきたい一冊。
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2021-03-21 kobo
いやあ面白かった。ジャーナリストたる当事者にしか書けない、生き生きとした筆致が心地よい。
しかし結局人は信じたいことを信じるのだろうか。何事もウラを取ることは重要。記憶だけを頼りに発言しがちな自分に改めて言い聞かせなくては。
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90年代の訴訟事件から三郡誌事件を追い続けてきた新聞記者による時系列のノンフィクション。二十代の頃から和田氏が同様の贋作に関わっていたという辺りから如何に正史に潜り込んでいったか、疑問を持たれ否定されながらも生き続ける偽史の強さ、というか社会の弱さか。
特に文庫化、再文庫化に際してその時点での言及があるので最新のこちらを読む方がよい。
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前から興味のあった古文献の偽書問題。初めてはっきり事実がわかった。色々社会的に身近でも起こりうるね。
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「東日流外三郡誌」の真贋論争の真相を記者が暴きます。
立花隆氏、呉座勇一氏など各界著名人たちに注目されたルポ。
訴訟から真偽を問う大論争の顛末まで、「東日流外三郡誌」を巡る戦後最大の偽書事件の真相。
とにかく面白いです。
偽書事件の最初から顛末まで語る決定版です。
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荒唐無稽な偽書と、それをめぐる大騒動。
次々と嘘が暴かれる様は爽快痛快。
しかし、それを信じる(信じた)人、偽書をつくりだした当人、今なお信奉している人たち、警鐘をならせなかった自治体関係者や史学界、偽史がうまれた東北という土壌・・と、その誕生には考えさせられる面も。
前回の刊行後に起きた後日談も追加されていたので、前の本を読んでいても買い!でした。
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青森県の農家で見つかり、世間でも話題になった古文書「東日流外三郡誌」。この古文書には、現代人が作成した偽書ではないかと疑惑が掛けられていた。新聞記者である筆者がその疑惑を追った経緯をまとめたノンフィクション本。かなり面白かった。
古文書は本物だと公言する擁護派に対して、否定する証拠を次々と明らかにする展開が痛快。また、専門家がまともに検証する必要もないくらい杜撰な偽書であったにも関わらず、世間に広まってしまった原因を推察する部分は、時代は違えど現代の問題と通じる部分がかなりあって、とても興味深く読めた。
わずかだけど、安倍晋太郎と安倍晋三親子も登場する。この親子は、擁護派の広告塔として利用されていたり、偽書の疑惑がある古文書を演説で引用したりしていたとのこと。安倍晋三の生前の言動や、死亡後の統一教会に関する論争なども含めて、なんというかまさに”らしい”エピソードだなという感じ。
原因考察部分では、その面白さから日本でもベストセラーになった『銃・病原菌・鉄』が専門家からは内容が批判されている件や、真偽を問わず、日本持ち上げ・海外下げ記事によって気持ち良くなっている現代の"愛国者"たちの姿を思い出した。それにデマを否定する難しさはフェイクニュース問題にも近いなあと。
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こんな知的冒険があったのかと興奮する一冊だった。そして、歴史というものに目くらまされる地方自治体の悲しさがなんとも言えない。食い物にされたといえばそこまでだが、本当に悪い人はいるもので、そして全部説明できるということの怪しさを改めて認識しなければならないと思う。複雑系の世界で、なにか一つで説明できることは何もないということを常に意識しておく必要がある。
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新章以外は10年前に読んでいたから読みやすい
ほゞ再読ではあるが、改めて和田喜八郎の偽書
でメシを食ってきた事が丹念に書かれている
21才の時から仏像など古物を見つけては、関係
する古文書を見せて展示やら埋蔵物を掘る資金
集めやらの詐欺師であり、本書には古文書商法
として自治体を絡めた事件を実例でだしている
椿井文書が巻き起こした歴史の増殖のように、
自治体の村史に残る事で、強烈な事実感が湧く
市浦村史・田沢湖町など税金が和田喜八郎の元
へ流れた事も腹立たしい
この詐欺師を応援する歴史ゴロ「古田武彦」が
事態をややこしく大事にした
二人ともバレバレの嘘をもったいぶって長く引
きのばす事で自著の売り上げを伸ばした確信犯