紙の本
笑ってしまうほどの偽書の証明
2023/07/23 08:14
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『東日流外三郡誌』という文書をめぐるマスコミや学者、行政のノンフィクション。『東日流外‐』があまりにずさんな内容なので、思わず笑ってしまった。
本書の中にはあまりにおおくの偽書としての証拠が上げられており、なぜいまだに正当化する人がいるのか理解に苦しむが、このhontoのサイトでは今でも、『東日流外-』を偽書ではないとするミネルヴァ書房の古田史学の本が売られている。
紙の本
全容がわかる!
2019/07/08 20:51
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投稿者:はるはる - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日流外三郡誌という偽書に関する全容がわかります。個人的には、今は亡きコミックビンゴに掲載されていた、とり・みきの石神伝説にも触れた箇所があり、懐かしく思いました。
紙の本
全然知らなかったこと
2019/12/29 17:01
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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
青森県五所川原市のある農家の屋根裏から発見されたとされる『東日流外三郡誌』は<超古代史ブーム>の一翼を担うが、1992年に著作権侵害による訴訟をきっかけに真偽論争が本格化、地元紙東奧日報の記者である著者が繰り返し取材して偽書である論拠を積み重ねていく。
「偽書であることの証拠・説明」ではなく、「何故偽書が生まれたのか」に重きを置いて書かれたもの。
オカルトへの興味はあるはずなのだが、自分はまったく知らなかった。私の知識のもとが古い&話題になったのは比較的最近ということか・・・。
単行本・初回文庫版に加筆・修正したということで、なかなかのページ数、繰り返しの記述もあって前半は散らかっている感があるが後半へのたたみかけが素晴らしい。
東北人のコンプレックス、わかるけど、私はそこまでじゃない。
和田喜八郎世代よりはルサンチマンから自由になっているということなのか、三内丸山遺跡の発見が鬱屈を晴らしてくれたのか。故郷や住んでいる場所に人は誇りを持ちたいものなのだ。
けれど、だまそうとする人の存在だけでは人はだまされない。それを擁護し、広めようとする人がいるから偽物が本物のように見えてしまう。いわゆる陰謀論の誕生とも一致するのが・・・あぁ、専門家という肩書を持っていても信用できるかできないかがあるってこと。
オカルトに興味はあるけど事実だとは受け止めていない、そういう立場がつくづく大事だ。
電子書籍
あきれるばかりの偽書事件
2019/07/08 22:41
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投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
でっち上げ、お役所に売り、メディアで宣伝し、そしてまたそれで金儲け。反論されたり、つっこまれても証言は二転三転。そんな偽物の歴史書がなぜまかり通ってしまったのか。「町おこし」ネタ欲しさとしてもバカバカしい。
紙の本
「コスモクリーナー」はどこに行ったの?
2019/04/27 00:38
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投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今度の版の表紙絵を描いた安彦良和が「The Origin」を書いたのは後付け設定の「ニュータイプ」がオウム真理教に利用されたので「もともとのガンダムはこれなんだ」という事で書いたと新章427頁にある。ジオン公国のイメージがギレン・ザビが行った弟のガルマ・ザビヘの葬送演説が「スターリングラード」(京城や新京、満洲といったある時代を表す地名に鉤括弧をつける向きがあるが、ファシズムと共産主義者や共産主義的な名前をつけた地名には鉤括弧をつける)戦直後のゲッペルスが行った「総力戦演説」に似ている上に「ジーク・ハイル」ならぬ「ジーク・ジオン」と聴衆が応えるように第三帝国のそれと被るから「優生思想」と距離がもともと近かったと言える面がある。安彦良和は弘前大学中退という経歴があるので東北とは縁があるが、それなら麻原が乗っていた自動車に搭載していた「コスモクリーナー」という機材は安彦良和が製作に関わったはずの「宇宙戦艦ヤマト」に出て来る重要なアイテムから来た名前なのは周知な事だ。それなのに「宇宙戦艦ヤマト」は出て来ない。著者が西崎義展という創価学会の顧問弁護士兼汚れ役から創価学会からもっとも憎まれる人物となった山崎正友元弁護士と近い事でも知られる問題のある人物を嫌って書かないのかもしれないが、「宇宙戦艦ヤマト」の要素を無視しているのは安彦良和が記紀を題材にした偽史的な作品を書いた事に触れないのと同じぐらい問題がある。これには失望した。
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久々の一気読み本。
青森に有ったとされる古代文明の存在が記されているとし、70年代から80年代に一部熱狂的なブームを起こしたとされる「東日流外三群誌」
青森県五所川原市にある一軒の農家屋根裏から天井板を破って落ちてきた事で発見された膨大な古文書は、その後偽書論争が巻き起こる。
当初の段階から最後までを取材し見届けた、もと地元新聞社記者であり、今はルポルタージュ記者である斉藤光政氏が書き上げた一大ルポ。
内容の面白さはあえて書くまでもないので割愛。
個人的に気になったのは、
米粒写経が月一ライブのガラパゴスィッチ内で、
東日流外三群誌の擁護派の筆頭、この方が執拗に頑迷に固執していなければここまで偽書騒動も大掛かりにならなかったであろう、その立役者である、昭和薬科大学の古田武彦教授を取り上げた回の事。
追悼という事で、生前は「邪馬台国はなかった」など超古代史を扱った著書などにおいて、独自の視点で既存の歴史観を覆すなど精力的に活動されていたにも関わらず、中央の学会関係者からは最後まで認められる事なく無念に逝った氏を手厚く取り上げたのだった。
古田氏のファンだという米粒写経の居島一平氏が、虎ノ門ニュースのMCでは見せないような熱さで
(虎ノ門ニュース以外ではこちらの方がスタンダードかも)
語っていたのを先に見たせいで、
古田先生とは世間からは認められない中、
コツコツと多数派が色眼鏡や思い込みで盲目的になっているところを真摯に歴史の真相を探るべく取り組んでこられた美しい方なのだなぁと、素直に感動したのだった。
が、今回の東日流外三群誌擁護派の筆頭として登場する古田氏はそんなイメージを覆す、まさに自分の思い込みで盲目的になっている張本人なのであった。
与えられる材料は同じにも関わらず、
解釈は真逆。
その可能性を常に意識して、謙虚に物事にあたっていきたいものだと自戒にもなった一冊であった。
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『戦後最大』と言われる偽書事件『東日流外三郡誌』を、最初期から取材を続けていた記者が総括したノンフィクション。
『東日流外三郡誌』については、オカルトブームの中でたびたび取り上げられていたので、オカルトやトンデモ好きの人間の中では割と知られたタイトルだった。恐らくは『発見者』の手によるであろうこの『東日流外三郡誌』が、如何にして『資料』という地位を獲得していったか、そしてアッサリと転落していったか……というストーリーは予想以上にスリリングだった。
ところでこの『東日流外三郡誌』、まぁ、トンデモの類なのは間違いなく、出来上がった『古文書』のクォリティもどうよ……ではあるのだが、変な愛嬌があってどうにも憎めない。同じ詐欺をするにしたって、『偽書作成』ってそこまでオイシイか? 手段を『詐欺』に限定しても、もっと手っ取り早く稼げる方法は少なからずあるだろう。それを敢えて『偽書』という手段を選び、出土品ゴロみたいなことをしつつ、コツコツと『それっぽいもの』を作り続けた和田喜八郎という人物、相当面白いと思うのだけど。何も語らずに亡くなってしまったのは残念だ(詐欺師がタネ明かしをしてしまったらオシマイだけれど)。
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旧版を久々に読み返していたら、加筆修正版が出ているとのことで早速買い直し。
昨今SNSなどで「少数派信仰」が散見される。相撲や体操やアニメ監督やプロ格闘ゲーマー等々枚挙に暇がないこれらも、外三郡誌同様、真偽を見極める材料など持たない人たちの「少数で多数と闘うのはカッコイイ」というイメージ先行の賛美に過ぎない。
物事の是非を印象で決めてはいけない。じゃあどうすればいいのか、信じるに足るものはどこにあるのか…言ってしまえば、この本だって偽書の可能性が全くないとは言えないんじゃないか?…というのは冗談としても、そうした考えは常に念頭においておきたい。
追加された章については、Wikipediaの引用というジャーナリストらしからぬ内容になっており残念。裏は取ってるのか知らん。
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人はなぜトンデモにはまるのか。
どうやって騙されるのか。
材料が並べられ、キチンと分析されている。
ほんと、どうして信じてしまうのだろう。
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みんななんで「嘘くせー」と思いながら振り回されるんだろう
嘘でもなんでも求めてた何かがあったんだろうな
私も書かれた東日流外三郡誌の内容におぃおぃおぃ…と驚きながらも一気に読んでしまった
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青森のちょっと変わったおじさんが、自分が書いた紙を古文書だと言い張っている事件で、そんなの無視しておけばいいんじゃないかと思いながら読み始めたけど、その裏には、辺境で常に支配される側として描かれ続けてきた東北の人たちの思いや、自分たちの歴史が間違って広まってしまうのは許せないという思いなどがあることがわかって、やっぱり間違っていることは間違っているときちんと主張しないといけないんだなと思いました。
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「つがるそとさんぐんし」。この偽書をずっと追い続けた東奥日報の記者の労作。斉藤記者は、盛岡市出身、八戸育ちとのこと。読み応えがあるし、なにより読みやすい。
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安彦さんのカバーイラストと新章部分に惹かれて
集英社文庫版を購入。改めて一気読み。
何度読み返しても面白く、ある意味恐ろしい内容である。
あらためて単行本エピローグの最後の一節を
「優しさゆえに沈黙し、真実にいたる道をゆずってはいけないのである。」
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久しぶりに一気に読んだ。
「東日流外三郡誌」については、その名は知っていても、偽書疑惑が語られていること、古田武彦氏が大きくかかわっていること等の認識しかなかった。今回、この本によって、その出自と偽書としての評価が定まった経緯とをはじめて知ることができた。地方新聞の一記者がたまたまかかわったことを契機に取材を進め、やがて古田を中心とする擁護派(真書派?)の主張を次々と切り崩していく様は、一編の推理小説を読むような醍醐味がある。少なからぬ作家やノンフィクションライターが、この作品をルポルタージュの傑作として非常に高く評価していることも十分に頷ける。
かく言う私自身も、若いころ、古田の「邪馬台国はなかった」にすっかり騙され、その信奉者になりかけたくちである。安本美典の「虚妄の九州王朝―独断と歪曲の「古田武彦説」を撃つ」に出会わなければ、今頃は古田史学のカルト信者にさえなっていたかもしれない。
「東日流外三郡誌」のような偽書や古田の展開する疑似科学的学説には多くの人を惹きつける不思議な魅力があることは否めない。だからこそ、こうした偽りの歴史が真実として語られる危険性を回避するため、学者たちがしっかりと向き合うことが求められるのだと感じた。
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青森県で発見された古書には正史とは異なる歴史が記載されとおり、それを元に数多くの書籍が刊行された。海外の大学からも所蔵の引き合いがあった歴史書。という話だが、こんなに話題になっていた偽書事件なのに、知らなかった。
内容は面白いが、次から次へと偽書の証拠が出てくるので後半は飛ばしよ読み。
本の内容としては、素晴らしいと思う。