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金原ひとみの本を初読了。章ごとに焦点が当たる登場人物が変わるので、読み進めていくと前の章で語られてた人はこんなことを考えてるからあんな行動をするのか、とわかる場面があった。社会的には結婚=幸せ、離婚=不幸というイメージがあるのかなと学生ながら思っているが、夫婦や子供が幸せになるための離婚もあっていいのかもしれないと思った。
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真奈美の最初の章
感覚、価値観は人それぞれなのに自分の尺度ではかり、それを押し付けることほど、惨めなものはないと改めて思う。
たいがいそうしてる人ほどそのこと自体に気づいていない。
全ての行動を人間は白黒はっきりつけるべきではないと考える。というかつけられないと思う。
物事や出来事には必ずグレーゾーンが生まれる。その固有のケース毎に考えることしか意味をなさない。
例)
同じような悪いことをしたとしても人間はこの人は許せない、この人は許せるなど、曖昧なことも多い。特に不倫や軽犯罪など。
プラス小さいことにこだわり過ぎている風潮が最近は特にあると思う。
人を愛するということ、それがかなわない時に人はどうなるのか。そこには破滅しか残されていないとでも言うような小説。愛の形にも改めて考えさせられるものがある。
二回読んで初めて理解できることも出てくる気がするような小説。
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金原ひとみさん パリと東京の生活、エッセーで
2020/5/11付
日本経済新聞 夕刊
2004年、20歳のときに肉体改造する女性が主人公の小説「蛇にピアス」で綿矢りさとともに最年少で芥川賞を受賞した。ままならない夫婦関係を描いた近作「アタラクシア」は今年の渡辺淳一文学賞に選ばれた。最新刊「パリの砂漠、東京の蜃気楼(しんきろう)」(ホーム社)は、6年滞在したパリの最後の1年と東京に戻ってからの日々をつづったエッセーだ。
「時事的な出来事がからむコラムと違い、身辺雑記であるエッセーは難しい。そこで現実の自分の近い場所で様々な人物を登場させ、小説風にしました」
幼い娘2人と始め、その後夫が合流したパリ生活も6年目。テロへの警戒が日常となっていたが、日本への帰国を決めたのはそれが原因ではなかった。自分が信じることをしていないと、自死への誘惑に負けてしまいそうだったからだ。執筆に追われながらも、友人たちと飲みに出かけ、様々な悩みを打ち明けられる日々は東京に戻っても変わらない。
「雑に対応されることが多いフランスに対し、日本での生活は快適ですが、一方でとても窮屈に感じます。もっとも最近はSNSの普及で、育児中の母親がみんなにグチを言えるようになるといった変化も感じます」。作中にあるように、自身も友人の悩み相談に乗ることが多いという。「はたから見たら納得できないような恋愛でも私は否定しません。なぜそうなったかに関心がある」
新型コロナウイルスの感染拡大で、長編小説の構想も見直す考えだ。「私自身はコロナ禍前の世界観には戻れない。日本人の多くは何があっても価値観を変えない印象がありますが、今回はどうなるのか見ていきたい」と日本の未来に思いを寄せる。(かねはら・ひとみ=作家)
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登場人物それぞれの気持ちや言動は、ちょっとずつ共感できるけど、ちょっとずつ理解できない(理解したくない)。そのちょっとずつの割合が、読む人によって異なるのだろう。「アタラクシア」は「心の平穏」の意味だそう。アタラクシアを求めて、でも近づけなくて、彼らはこの後どこへ向かうのだろう。
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作者による、「私の言いたいことわからない奴は容赦無く置いていくぞ!」感がすごい。笑
この本の女性たちは男に利用されるばかりでなく
自分も男を利用しています。
自分の寂しさの穴埋め、パパ活、語学、晩婚…
そこに彼女たちの生き抜く力を感じました。
だから苦しいだけにならず読み進めることができました。
要所要所で男性への罵りも見られるのが、
これ金原さんの日頃の思いなんだろうなって。笑
金原さんの感情が投影されてるなと体温を感じます。
特に印象的なのは「人の気持ちが分かる男というのは、自信のない男かブサイクだけだと思っていたけれど、〜」のところです。
内容としては予想していたよりは読みやすかったです。
金原ひとみさんは私の中で「ぶっ飛んでる」という印象が強いので怯えていましたが。笑
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金原さんの作品に出てくる女子、どうしても吉高ちゃんと被ってしまう(蛇にピアスの映画)
今回も由依さんがそう。。。
金原さんの作品は1度読んだ時はふーんで終わる。
2度目でやっと感情移入できる。3度目は飛ばし読みです。。笑
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アタラクシアとは心が平静不動の状態のことだそう。でも、それって本当に幸せなのかな? というか、人間らしい姿なのかな?
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章ごとに人物の視点がかわる文体好き。
人間って変わっていく生き物だから
愛する対象が変わっていくのも
仕方ないのかな、、、。
真奈美さんに
頑張って欲しい、、
そして桂さん
怖い、、
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いつもながらに期待を裏切らない金原ひとみだった。複数の登場人物の視点から語られるが、誰もが激しく傷つき、愛情に飢え、人を支配したり、裏切ったり、暴力を振るったり、理不尽に耐えたり、不倫など当然のようにしたりされたり、とにかく苦悩や感情が剥きだしに描かれていて、こちらまで苦しくなってくる。
浮気を繰り返す夫や思うに任せない家族を抱えるパティシエの英美の苛立ち、ホストの彼に振り回されパパ活に走る枝里の飢餓感はすさまじい。感情を殺しているように見える由依も生易しくない試練を経て深く傷ついている。
DV夫との関係において、バランスを取るために職場の同僚と注意深く不倫を続ける真奈美は、悩んだ末に離婚と不倫相手との別れを決意する。その別れの場面は美しく、この小説の中で唯一、愛情を感じられたのだが、それだけにラストは驚き、ショックを受けた。
この小説の中では、誰もがギリギリで生きていて、意識的でないにせよ、二面性を持つことでかろうじて崩壊を免れているような気がした。相手によってA面とB面を使い分けるような。
そして結局誰も幸福にならないまま、終わる。
本当に期待を裏切らなかった。
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「結婚」
それは守られた城なのか、囲われた檻なのかー。
世間一般的に結婚=祝福であり、誰も眉をひそめて「これから大変だね、せいぜい頑張って」とは大抵言わないはずだ。
とはいえ「結婚は人生の墓場である」なんて言葉は誰だって一度は耳にしたことがあるだろうし、既婚者の愚痴は日頃からよく聞く話、芸能人の不倫だ離婚だとスキャンダルが後を絶たないのが人の世だ。
どんな理想を描き、実際どんな結婚生活を送っているかは人それぞれ。理想と現実のあいだで、心穏やかに暮らしている人はどれほどいるのだろう。
「アタラクシア」というのは、ギリシャの哲学用語で心の平静という意味。本作の登場人物は皆アタラクシアを求め、承認欲求や存在意義、つまりは生きていく意味を求めてもがき足掻いている。
結婚生活で満たされず平静を保てない時、人は、新たな居場所を見い出し逃げ場にするのかもしれない。
シーソーの片側がどこまでも落ちていくのを感じた時、もう片側に乗り上げるように逃げる。
どちら側にも傾き過ぎてはダメ。
アンバランスでとるバランス。
砂上のような地で砂漏に埋もれないように、逃げ惑って這い上がって息をするような人たち。
誰もが孤独にまみれて「理解されたい」「愛されたい」と欲求にもがき交錯し、結婚相手への期待や要求は一心に過度なものとなっているのかもしれない。
いくら生涯を共にしようと決めた相手だろうと、互いが互いの全てを理解し満たすことは不可能だ。
ましてや、その相手本人が原因でえぐられた傷や、ぽっかりと空いた穴であるのならば尚更のことだ。
たとえ理解しあえない状況下でも、暴力を振るわれようがモラハラを受けようが、結婚相手以外に手を差し伸べては、それは「不貞」なのだ。それが結婚制度。
そのような括られた結婚制度の中、自分の置かれた環境で、自分がどう在るべきか。
肯定するわけにはいかない「不倫」が、平静も不安定も、良くも悪くもある意味では影響を及ぼしている様を、圧倒的な筆致で見せられたような気がした。
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あの人がこの人だったのか…!という驚きと、
人にはいろんな面があって、この人といれば自分の良いところが出現する、あの人といれば悪いところが出てきてしまうとか、そんなふうに感じたり。
他人のことはわからない、
言葉にすれば遠くなる気がする
でも言葉にするしか分かり合える道はない
アタラクシアには程遠い
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長かった。。
いろんな人間のどーしようもないとことか
恋愛の酸いも甘いも、もやもやが見れたように思う。
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金原ひとみさんの作品は読むとひりひりと心を灼くようだ。情念の密度がとても高く、読んでいて窒息しそうなほど。誰かに愛されたい、あの人に愛されたいという、剥き出しの激しい愛情飢餓。結婚したのに幸せになれない、自分が一緒にいて満たされるのは結婚相手とは別の人であるという理不尽さ。この作品に登場する人物達は皆、愛に飢えながら誰かを愛し、そして酷く傷付いている。本作で描かれる愛は優しいものではない。また綺麗なものでもない。その人の存在を問うまでの、もっと根源的で貪欲なものだ。それなくしては生きてはいかれないまでの。人を愛することの難しさをしみじみ感じました。ラストが衝撃的。
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過去に盗作疑惑で問題になったラノベ小説家とフランスで元モデルをしていて現在はフリーのライターや翻訳をしている妻、その妻の担当編集者とDV元ミュージシャンの夫、元モデル妻の不倫相手のビストロオーナーシェフ等の人たち。それぞれ何かが満たされず、それぞれみんなしあわせではなく、自分にとってのしあわせを追い求める話。
登場人物の誰にも共感できず、まともな人が出てこない。特に由依、なんだかカッコいい雰囲気で描かれているけどこんな人全然素敵じゃない、私は好きになれない。
夫婦間での会話も「こんな会話するか?」と思うような小難しい感じ、私とは合わないんだと思う。性描写は美しいし、文章自体はとても素敵。
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なんちゅうか、濃ゆい。めんつゆ原液で飲んだような感覚。マイペースでミステリアスな女性、由依を中心とした連作短編風の長編の愛憎劇。とにかく1人ひとりのバックグラウンドが濃密で、1人につき1冊小説書けそう。作中の男性陣は何だか不気味で、女性陣は叫んでるように荒れている。自分の持ちえている女心の「負」の部分をエグってくる文章が秀逸で、モラルや倫理観を超えて共感を呼ぶ。比喩表現も適格で共感に拍車をかける。迎えたラストはその後の登場人物たちがどうなったのか気になって落ち着かない。若干胸やけ感はあるが面白かった。