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福知山線脱線事故、児童虐待、新宗教、消費税、ネット冤罪、メルトダウン。平成って酷かったんだなと分かる。稀有な傑作アンソロジー。特に青崎有吾の短編は年間ベストもの。
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激動の昭和が終わり、バブル経済の熱冷め止まぬうちに始まった平成。
福知山線脱線事故、炎上、児童虐待、渋谷系、差別問題、新宗教、消費税、ネット冤罪、東日本大震災――平成の時代に起こった様々な事件・事象を、九人のミステリー作家が各々のテーマで紡ぐトリビュート小説集。
「平成」という言葉を聞いて 感傷的になっちゃってる自分を照れくさく感じるような人たちへ。
「加速してゆく」青崎有吾
「炎上屋尊徳」井上夢人
「半分オトナ」千澤のり子
「bye bye blackbird...」遊井かなめ
「白黒館の殺人」小森健太朗
「ラビットボールの切断」白井智之
「消費税狂騒曲」乾くるみ
「他人の不幸は密の味」貫井徳郎
「From The New World」天祢涼
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まったく好みではないものもあったが、平成という時代を振り返り、その長さと変化の激しさを改めて感じられる物語たちである。現在とは、小説に登場する小道具が違い、言葉遣いが違い、生活の周囲の空気感が違う。「平成」とひとくくりにしてしまうと、橋のない水路を飛び越して、新しい時代である現在(いま)に立っているような心地になる。だが、昭和から平成、そして令和、すべてが地続きなのだと、ふと気づいたりもする。時代の空気ってどうやって作られるのだろう、などと考えたくなる一冊である。
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案の定だが、貫井徳郎氏と井上夢人氏はやはり面白かった。青崎有吾氏の書いたものは初めてだったがまあまあ面白かったので、作品を読んでみたい。その他は本当にいらない。
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【収録作品】「加速してゆく」青崎有吾/「炎上屋尊徳」井上夢人/「半分オトナ」千澤のり子/「bye bye blackbird...」遊井かなめ/「白黒館の殺人」小森健太朗/「ラビットボールの切断」白井智之/「消費税狂騒曲」乾くるみ/「他人の不幸は密の味」貫井徳郎/「From The New World」天祢涼
アンソロジーらしく玉石混淆。
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平成デビュー作家が平成の事件・事故・出来事を題材にしたアンソロジー。平成を懐かしむタイプの本でないのは、最初の福知山線脱線事故についての話を読んで嫌というほどわかった。全体的に辛いけれど読み応えがある作品揃い。避けては通れない東日本大震災や原発のテーマは、天祢さんのキョウカンカクのキャラが登場したのでシビアになりすぎずとても良かった。(白井作品だけはは早々に読むのを放棄。)
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平成にデビューした作家が、平成を題材に競作したアンソロジー。実際に平成に起こった大事故や大事件、社会現象等が背景になっていて、重い仕上がりの作品が多かった。平成ってこんなに嫌な出来事ばかりあったのかと滅入りそうになった。
そんな中、唯一明るいタッチだった乾くるみさんと、重苦しさよりもグロさが勝っている白井智之さんはブレないねえ。我が道を行っていました(^O^)。
期待していた青崎有吾さんは、謎解きにはなっていたけどイマイチ。千澤のり子さんが面白かったな。彼女の短編ではベストの出来だと思う。
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平成デビュー作家が平成の出来事をモチーフにしたアンソロジー。自分の経験として思い出したのは携帯でのメールや消費税導入時の小銭の感覚。印象深かったのは福知山線脱線事故を扱った青柳作品、ネット冤罪の貫井作品。新興宗教を扱った白井作品は、いつも通りで苦笑しました。震災の話は読むのが辛いですが天祢作品はとても良かった。扱っているものがどれも楽しい印象のものではないので、作品もかなり痛々しいものになり楽しかったとは言い難いですが、解説を含め平成を振り返る切り口としてとても良かったと思います。
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平成に起きたさまざまな事象をテーマに編まれたアンソロジー。売り文句(帯とか)には「ミステリ」とは書いてないのだけれど。全部ミステリだよなあ。平成を懐かしみながら読む一冊です。
お気に入りは千澤のり子「半分オトナ」。正直、ひどい話と言えばひどい話。だけどなんだかすかっとする読み心地の物語でした。犯罪だけど、なんとなく非難できないんだよね。そして彼らの未来が明るいものであってほしいと思えるのも確か。
貫井徳郎「他人の不幸は蜜の味」もインパクトの強い一作。だけどこれが一番現実に近いというか、誰の身に起こっても不思議でない気がしました。いつどのようにしてこのような災難が降りかからないとも限らない、と思えば。現代社会のあれはとてつもなく恐ろしいなあ。
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振り返るにはまだ早すぎるかもしれないが
平成という時代は昭和を薄めて伸ばした時代だなーとも
ただ不穏さだけが増していて不気味
アンソロジーながら明確なオチを求めなくなったともいえるのかもしれない
あなたで判断してくださいと言われているようで
その個々の判断が肥大している
個別の感想
「加速してゆく」 /青崎有吾 福知山線の事故をある意味ショーアップして
うまくまとめている
「消費税狂騒曲」 /乾くるみ 皆さんにとっていいことが個人を無視しているのをよく表しているし、答えから無理くり論旨展開している消費税を感じた
「白黒館の殺人」 /小森健太朗
弱者の味方をすることで自分を守ろうとしてる人嫌い
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青崎有吾さん目当てで読んでみた。やっぱり青崎有吾さんの作品が1番好きかな。どちらかというと苦手な作品が多かったかも…
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「ラビットボールの切断」白井智之
のみがKindleで購入できたので、この作品しか読んでいません。
「平成に捧げる小説集」がテーマのようです。
変わらぬエログロ感で、笑いながら読んでいました。
短編なので気軽に読める割にきちんとミステリーなので、事件もあり、トリックもあり。
毎度変わらず犯人はハズれますが。
白井智之の作品は、意表を突かれる表現方法が魅力の1つだと思います。
物事や気持ちの例えを表す表現を、
「万馬券を拾ったような気分」
「政治家みたいなわざとらしい笑み」
「狂犬病のサルみたい」
「ウシガエルみたいにたるんだ顔」とか。
もっともっと奇抜な表現がたくさんあるのだけれど、すごく自然に、さらりと使いこなすので、いちいち頭の片隅で突っかかる事がありません。
私にとってですが、ある種の「癒し」です。
新刊「名探偵のはらわた」(またタイトルが笑)とても楽しみです。
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福知山線の事故、急速に発展するSNSと燃え上がる悪意、盛り上がり消えていく流行りと街の空気、凄惨な虐待や性被害、児童による殺人、増税、そして東北大震災。めまぐるしい平成の三十年の間にあった事柄を、空気をテーマにしたアンソロジー。
青崎先生目当てで、あとは井上先生、貫井先生、乾先生は既読かなあ。他の方は名前はわかる程度。ちょっとわたしには消化不良の短編が多いかな。まとまりよくて読みやすいのは青崎先生。平成の空気感を一番感じたのはさすがに主宰の遊井先生。この感触を懐かしく哀愁を感じるのはもはや一定以上上の世代で自分もそちら側だと思うと不思議だな。あらゆる小ネタをしこむのが好きなタイプの作家を集めたのだなという印象。それはそれとして、平成という時代に想いを馳せて楽しくはあった。
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あぁ、あったな平成の時代に、というものが題材になっている。ちょっと前のことのように思うのに、考えたらそうでもなかったりして……。
時の流れははやい。
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「平成」をコンセプトとした9人の作家さんのアンソロジー。平成にあった事件や事故など題材が多種で面白く読んだ。途中、グロさに挫折したお話もあったけれど、井上夢人さん、乾くるみさん、貫井徳郎さんは安定して面白かった。