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居酒屋という切り口で世界史を眺める。地域によって形態が違うのが面白かった。ヨーロッパでは居酒屋は医療、金融、エンタメ、職業斡旋、など多機能だった、とか。
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かつて居酒屋は、単に金銭に替えて酒を飲む場である以上に、社交場であり、娯楽の場であり、商取引の場でもあった。特に、ヨーロッパではそれに加えて、祭り・冠婚葬祭の宴会の場であり、銀行であり、巡礼宿であり、さらには裁判所であり、病院であり(当時、外科手術は「芸」であった!)と、実に多様な機能を持っていた。そして、そんな居酒屋の農村地帯への進出(普通、居酒屋は都市部にしかない)こそ、ヨーロッパが、世界に先駆けあまねく貨幣経済を浸透させた証左ともなっている。やがては、その多機能性から、ドイツ農民戦争、フランス革命、ナチス成立の舞台ともなった居酒屋。しかし今日、居酒屋はその繁盛のほとんどを失ってしまった。もとより宗教革命で教会から引き継いだ多機能性は、時代を経るごと、それぞれに分離独立していったのだった。古今東西の居酒屋を比較することで、ヨーロッパ文明の特徴を明らかにする一冊。
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本邦初の居酒屋の世界史ってことだけど、酒場の文化史みたいなので結構ありそうだけどなあ。
ま、ともあれ酒好きとしてはなかなか興味を引く記述がたっぷりでよろしい。
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居酒屋から歴史がみえる
金銭の見返りに種類を提供する営業空間
農村への貨幣経済の浸透
居酒屋の多様性
棲み分け
通史編
第一話 古代オリエント・ギリシア・ローマ――居酒屋の誕生期
ハムラビ法典
看板の起源
第二話 ヨーロッパ中近世――居酒屋の最盛期
デフォーがみた乱行
修道院居酒屋
第三話 ヨーロッパ近現代――居酒屋の衰退期
大衆カフェ登場
ミュージックホール
第四話 イスラム圏の居酒屋
ワインかコーヒーか
インドの居酒屋
第五話 中国・韓国の居酒屋
第六話 日本の居酒屋
テーマ編
第七話 教会と居酒屋
第八話 売春と居酒屋
第九話 芸人と居酒屋
第一〇話 犯罪・陰謀と居酒屋