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へんな偏見もなく、現状を平易に説明している。
まあまあ参考になった。
薄い本なので簡単に読める。
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さまざまな視点から「教育格差」を見出していく新書。著者の増田さんは高校で非常勤講師をしながら教育ジャーナリストとしてご活躍されている方のようです。
半年前に出版されたばかりということもあり、なかなかイマイマな話題に溢れているよう。ただ、民主党政権成立以前の執筆のようで、それ以降のことについては一切触れられていません。そのため「全国学力テストの悉皆調査は必要か?」「高校の学費は高くないか?」などの問題提起がなされるに留まっています。本書の中で特に大きなウェイトを占められた部分ではないのですが。
第一章では話題沸騰中の公立一貫校やら私立中学の話題。第二章では全国学力テスト結果についての話題。第三章では教員の雇用体系についての話題。これは個人的には勉強になりました☆ 第四章は親戚の子の身に起きたいじめについての話題。ここはあんまり・・・いや、なんでもないけど。第五章がいわゆる「中高生とインターネット」みたいなん。第六章はそのまんま男女格差。そして、全体的にフィンランドの教育の調味料を混ぜ込んだ感じの本。
まずは直近の教育事情について知るにはいいんじゃないかと。ただ、本書にある増田さんの主張はちょっと押しが強すぎて、一歩引いて読んでました。本書だけでは何とも言えないけど・・・。
【目次】
まえがき
第一章 中高一貫校が生みだす「公立校格差」
第二章 学校間・生徒間の格差
第三章 教員間の格差
第四章 校内暴力とモラルの格差
第五章 携帯いじめと「共感力」の格差
第六章 男女の格差
終章 学力テストの歴史をひもとく
あとがき
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総中流家庭の崩壊から話がスタートしているのかと思えば何だか教育問題を羅列してるだけのような気が。。。
特にいじめの話はいわゆる「格差」とはまた違う問題のような・・・。
「格差」の定義についてもう少し踏み込んだ章が欲しかったな。
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学力低下、進路不安、学校不信、教員不平等など子どもの心が壊れていく…公立技格差・学校間格差・生徒間格差・いじめのモラル格差・男女間格差など徹底検証!お金をかけないと学力は伸びないか?子どもと教師の不平等を問い直す。「学び」の現場からの渾身レポート。(「BOOK」データベースより)
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世界は自由になってきているなと感じる。自由だから生まれる「責任」に戸惑って、格差や不安にあたふたしている感じ。良いことなのに、悪くとらえることになってしまう悲しさよ。
公立校格差…教育に競争原理を取り入れる。というのはやっぱり違うんじゃない??ということ。教育の目的は「人格の完成」にある。学校間で格差があったらダメだろ。教育に自由を取り入れるべきではない理由の一つ。義務教育後ならいいんだけど。
学校間・生徒間の格差…学力調査テストとかに振り回されてるけど、学力格差があるのはいけないのか。エリート教育に振り回されて、人材配分の多様性が失われる気がする。国益を考えれば、受験勉強の得意な子ばかり育てるより、みんながバラバラの道に行くほうが良いと思う。日本も職業訓練校を充実させてもいいのではないだろうか。
教員間の格差…日本の教育予算の問題。正規教員を計画的に育てていこうという気が感じられない教育予算の低さ、使い道の悪さ。安く良い教育を!そのために教員には犠牲になってもらう。なんて言ったって「聖人」なんだからそれくらいするのは当然でしょう。
校内暴力とモラルの格差…いじめとその指導の在り様について、大人の考え方の差。結局、いじめの原因・責任を学校と保護者で押し付けあっているから解決に進むベクトルが生まれない。昔はとにかく「子供が悪い」口答えせず大人のいうことを聞いて、ダメと言われた事はするな。で済んだ。親と教師は大人という仲間であり、大人vs子供の構図だったと思う。今は家庭vs学校みたいになっていて、大人同士がぶつかって、当の子供はイマイチ蚊帳の外になっている。被害者・加害者問わず、子供は大事にしなくてはならないという考えが、悪いことへの懲罰を曖昧にしている。
携帯いじめと共感力の格差…教育に大きな波紋を作った「携帯」。これの影響でどれだけ子供は変質したか。個に閉じこもる子供の増加で社会は成り立たなくなるのではないかという危惧。確かに、実体験の減少は子供の情操教育にマイナスに働くと思う。
男女の格差…日本はOECDの中でも女性進出の後進国。女性を人材として有効活用できていないということは非効率的な経済をしている証拠。教育の男女格差がなくなってもそれを生かせない社会では意味がない。むしろ人材の流出につながる。女性の社会進出の環境整備をしていこう。
学力テストの歴史を紐解く…昔は日教組が学力テストのボイコットをするほどだったのに、現在はそうでない。教員がただのイエスマンなのか、学力テストに同意しているのかわからないが、評価基準を熱望するような現代社会においては、好まれるイベントになっているんだろう。内容もPISAなら知識偏重ではないしね。とはいえ、全国一斉にしてまでコストを割く必要があるのか。「図るコスト」より「育てるコスト」に多く振り分けろよ!!利権でもからんでいるのか!?というお話。
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p45 都会>田舎 → 都会<田舎
学力はかつて都会の方が高かった。情報伝播のコストが高かった昔は田舎の学力が低いのはしょうがない。けれど���情報コストのダダ下がりした現代では都会も田舎も学習環境の差が減った。そうなると、家庭環境や生活習慣の整っている地方のほうが良い成績になる。実際になった。これからは、いかに人々の生活習慣を整えていくかが教育の重要事項になる。
p126 いじめ
子供が悪いことをしたとき、なぜか「子供だから」ということを理由に躾がうまく出来なくなった。
親も学校も「子供だから」言いすぎないようにする。それより大人である教師や保護者の責任を追及しようとする。一番悪いのは子供でなく、教師みたいになって、子供が悪いことをしたという認識がぼやける。
いじめの話があったが、結局いじめの原因は学校の管理不行き届きなのか、家庭のしつけ不足なのか、が最大の論点になってしまって、子供の存在を忘れた形になってしまっていた。学校もいまじゃガツンとできなくて、歯がゆいだろうなぁ。
とにかく、嫌な空気。不毛な徒労って感じのお話。
p168 男女の学習の格差
女子は先生の話を聞いて言われた通りするのが得意。それに適した学習法で伸ばすことができる。
男子は先生の言うことを聞くのが苦手。でも教師と議論を始めたり、自力で学び始めたときの伸び幅は大きい。
この格差を認識しないとうまい教育は実践できない。
p191 安心社会から信頼社会への移行を目指せ
現代社会は高度セキュリティ社会である。安心を異常に熱望する、やたらと安全コストの高い考え方が蔓延っている。でも、安心の追及に終わりはない。安心が更なる安心を喚起して、精神的に滅入ってしまうという悪循環に陥りつつある。もっと気を楽に生きられるように、お互いを無条件に信頼できる社会を作るべきである。
アメリカなんかはセキュリティコストが高くて自分の首を絞めている感じなっているセレブがいっぱいいる。本当に金の無駄遣い。信頼社会を作っていらないコストを軽減できるようにすべき。これも教育がきちんと理解しなくてはいけないと思う。
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2009年のこの本。読了した2014年、五年たった今も世の中は特に変わった気はしないなぁ。スマホを中学生でも持つようになったぐらいか。もう五年すれば変わる気もする。格差は広がるだろうけれど、社会の生きるコストを減らせるようにすることが大事だなーと思う。
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様々な視点から教育の格差を分析している。
非常に緻密で正確な分析がされている反面、冗長で本筋と無関係な記述が多くあるところは残念。
たぶん著者の中では無関係ではないのだろうけれど。
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2009年に初版発行。その当時に買っていたが積読だった。今読んでも、教育の状況はほとんど変化していない事に唖然とした。
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中高一貫で公立校格差、学校間・生徒間格差、教員間待遇格差、いじめ例にみる校内暴力とモラルの格差、携帯いじめと共感力の格差、男女の格差、学力テストの歴史。
今の日本の教育界の現状を概観。格差という感覚ではなかったけれど、指摘されるとそうかも。
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いじめ問題って、この例で行くと学校対応も腹立つけど、親の教育の問題がそもそもだと思う。先生に負担を強いすぎ。そこをなんとかしないとと思うんだけどな。
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教育格差には以前から興味がありました。
都心と地方の学力格差や、最近だと、子どもの英語の学力格差の要因にお金が一理あるという記事を読みました。
まだ学んでいる立場からして決して他人事ではないと感じ、この本を選びました。