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塩野七生先生の本を読んでみたいと思いつつ、ローマ人の物語は長大過ぎて手を出せず、こちらをまず読んでみることにしました。
高校では世界史選択だったにも関わらず、十字軍と言えば「十字を背負って苦労する」という1096年の語呂合わせと、教皇の呼びかけに応じて始まったもので何回かに分かれて行われた。この2点しか把握してなかった私ですが、そんな私でも面白く読めました。
結局のところは戦争が行われた訳で罪もなき死ななくても良かった人たちがたくさん殺されたのですが、宗教という旗の下に何年かかるか、そもそも成功するかも分からない行軍に出た諸侯たちのパワーに圧倒されました。最初は耳慣れない名前が多くて読み進めるのに四苦八苦しましたがメモに誰が何をした人かまとめてからは読みやすかったです。
塩野先生の文才なのでしょうが諸侯の一人ひとりが個性豊かに書かれていて惹きつけられます。わたしの贔屓は、自分の責務を淡々とこなしていくゴドフロアと、年齢そのままのキレやすいタンクレディです。ただ最初の頃は鼻についていたサン・ジルでさえも最後の方は憎めなく思えてくるので先生の書き方には圧倒されます。
第一次十字軍は奇襲に近く、キリスト教側も勢いのあった時代の頃のことなので、この先2巻以降どのように話が進んで行くのか歴史自体は知っているにしても気になります。