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読んだ漫画を全てレビューしていたらきりがないので、私は漫画の場合は時々まとめて書評を書く。しかし、この漫画だけは全巻感想を書いている(序でに購入さえしている)。漫画として飛び抜けて素晴らしいわけではない。しかし、一巻一巻きちんと対峙しないと、ここで描かれている事に対して申し訳ないと思うからである。そう思わせるだけの「取材」を柏木ハルコはしているのだ。
今回は「子供の貧困完結編」である。間違ってはならないが、このシリーズはノンフィクションではない。しかし、フィクションだから描ける真実があると思う。最初取りつく島がないように見えた佐野さんも、DVを受けて二児の母として、恋人にも逃げられ自暴自棄になっていたと判明。そう言う複雑な状況を2巻かけてゆっくりと見せている。恋人との間にできた赤ちゃんを産むのか産まないのか、栗橋さんがどう対応するのかが、この本のクライマックスだった。主人公義経えみるだと、この複雑な状況をさばけなかったかもしれない。
それと同時に不正受給問題で登場した欣也くんのその後も描かれる。貧困の子供は、はたして大学や専門学校に行けないのか?
『現在、7人に1人の子どもが貧困状態にあると言われている。子どもの貧困は子ども本人には全く責任がない。では誰の責任か?父親か?母親か?』『両親が離婚し、母子家庭になる。父親が養育費を払わない。母親は子育てのため正規の職に就けず、不安定な仕事を掛け持ちする。教育には金がかかり、公的な支援は不十分なまま』という栗橋さんの呟きの後ろで、よく見ないとわからないが「子どもがいるひとり親世帯の相対的貧困率」や「教育支出の対GDP比(公費負担及び私費負担の合計)」等々のデータが載っている。西欧や南米諸国と比べて、日本は最下位だ。チェコやチリよりも、日本は劣っているのだ。もちろん、佐野さんの元夫は酷い男だったと思う。欣也くんは進学したいけど、なかなか学力が追いつかない。しかし、それを含めて「支援」するのが国の責任だと、私は思う。戦闘機に一機100億円以上も払い、さらに百数十機も買いますよと大盤振る舞いするよりも、こちらにお金をかけるべきだ。その方が未来の国家に向けて、よっぽど「戦略的」だと私は思う。
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ケースワーカーとは他人の生活のサポートくらいしかできない、決断を下すのはあくまでも本人だ!みたいな主張が漫画内にありましたけれども、その通りだなぁ~と思いましたねぇ…。
結局、どんなことをやっても金銭に恵まれない子供は生まれてくるし、シングルマザーとかも…特に今は離婚にそこまで抵抗のない時代でしょうから、これからも生まれてくるんでしょうなぁ…。
まあ、別に両親揃っているからといって幸せな家庭というわけでは決してないのでしょうけれども…。
大学奨学金というのもアレですねぇ、自分なら考えられないですね! 貧乏な家庭は諦めざるを得ない、というのが僕的な考え、というか世間の考えだったと思うんですけれども、最近の子らはたとえ貧乏でもカネ借りて行くんですからねぇ…僕的にはちょっとアリエナイかなぁ…だって返すの大変じゃないですか!
さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー
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・66 千奈の上司「人の税金で子どもを育てる~」のところ。生け垣剪定の補助とか、変な補助金を出すのに比べれば、まっとうなお金と思うのです。役人は通常は法例に杓子定規に運用するのに、なんで、「給付しろ」と書いてある対象者には水際作戦とかまでして排除するのでしょうね。
・67 風雨=世間 割れ窓を塞いだダンボールのカビが一層の現実味を。
・70 千奈の上司が厄介払いができてうれしいな感じが不愉快でした。連れ子が虐待されるのは、動物界だとオスはまずメスのこどもを殺すんですって。
・72 千奈がキレるのは初?美琴の夫に対して。
・75 まあ妥当?こどもの貧困も成長すると大人の貧困=自己責任からの放置って流れは勘弁。
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今回は子どもの貧困。憲法13条幸福追求権に基づいて本人への援助。子どもの貧困は子供だけではなく、その親の貧困、繋がりの乏しさが、状況をさらに悪化させる。それでも本人の決定を待ちながら粘り強く援助をしていく。
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サポートする側の言葉選びってかなり難しいのではと思った。
ミコトの元旦那が、復讐とかしにいきませんように。そこ心配…
マンガだから一応ハッピーな感じに〆るのだけど、現実はどうなのだろう…
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比較的ニッチな分野に目が向けられている点で、本作の存在価値は担保されていると思うけど、人間ドラマっていう観点からは、二番煎じの感を拭えない。
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生活保護を担当する生活課のお話。
わたしの世の中に対する無知があらわになっていく。小学校の時に、なんとかちゃんのお母さん〜で働いてるんだって。なんて噂話面白半分にしてたこと思い出した。生活保護受給者って意外と身近にいて、国が人を支える最後の砦であるこのシステムについてもっと知りたいなと思った。
三代つづく貧困って言うのが出てきたけど、ほんとにこれは実感できる。地元の友達にいたから。どうして、男と女で子供ができて、養育の義務、扶養の義務はお互いに平等であるはずなのに、お金を出してくださいって言わなきゃいけないんだろう。
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読了。買うのを忘れていた。ぐっときた。去年の七月頃にでていた。虐待のニュースなど結構あったと思う。漫画は良くなる話で良かった。
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漫画喫茶にて読了。
母子家庭の貧困、完結編。驚きのハッピーエンドだった……!
ネグレクト気味な愛着障害のシングルマザー・佐野さんのケース。
佐野さんの夫(離婚成立するので元夫)への離婚届提出のための説得に同伴した、ケースワーカー・栗橋の怒気に賛辞をおくりたいレベル。
DVをはじめとするダメ男に悩まされている女性に、栗橋が同行してくれたらいいのに……
グズ男へのくどくない三行半のつけ方。
栗橋は佐野さんと信頼関係を築き、その「安心」ゆえに自分の望みである離婚を口にすることができた。以前のように(憐憫やDVによる恐怖から)意思をブレさせず口を噤まずに済んだ。
責任感が強い堅物の栗橋の内面の葛藤が興味深い。
親との確執に起因しているとは思うが、「常識」「世間では」という正論を振りかざし、白黒つけたがり、「犯人捜し」をしていたと内省する……
耳が痛い。
世代で連鎖してしまう貧困を解決するための支援の方法の片鱗を垣間見る。
無料の学習教室…塾というより、学習サポートといった感じ。
いくつかの選択肢があるけれども、自分の学力とやりたいことの板挟みで苦悩する…
もうひとつの選択肢として、実父のサポートを得られたというエピソードが興味深い。
現実にこれを実現するのは、難しい場合があると思うけれど…(両親の離婚で感情的な部分、プライドや劣等感情からハードルが高い、という私の想像)
離婚しても養育費を払う、援助もする父親という存在の描写。
佐野さんの元夫の、様々な義務を放棄したクズ男描写との対比が凄まじい。
この雲泥の差、問題点は「男の姿勢」に他ならない。
現実世界でも児童虐待による事件で「そんな男と結婚した女が悪い、なぜ見極められなかったのか(依存しているバカ女)」という声がある。
それはお門違いであると思った。
結局、貧困から人を救うのは、支援と「健全な人間関係(信頼)」に他ならない。
そう考えさせられる。
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日本社会の歪んだ部分を鮮明に描いた作品。生活保護を受ける人と普通に生活できている自分との間に一体どんな差があるのか。本人の努力ではどうしようもない環境や運の部分がかなり大きい。
財源に限りがないのだからケースワーカーを増やすなり、金銭的な援助を拡充するなり、生活保護の捕捉率を上げ、1人でも多くの人が健康で文化的な最低限度の生活を送れる社会となるように祈ります。
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2019年7月3日発売。
7巻とセットで一緒に読むことをオススメします。
第66話ㅤ男
第67話ㅤWalkin' in the rain
第68話ㅤそれぞれの道
第69話ㅤ一歩一歩
第70話ㅤ父親
第71話ㅤ覚悟
第72話ㅤ悪者はどこだ?
第73話ㅤ抗う
第74話ㅤ春よ来い
第75話ㅤそれぞれの春
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今は病状寛解してて 子宮頸管も短くなって ここに至り、理不尽さを生理的に許せない栗橋の本来の性格に、火がついた 未熟な親ぶっ叩いて…溜飲下げて、悦に入りたかった? 子供を大切に出来ない場所に未来は来ない 世帯分離
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「血眼になって働いて収めた税金を働かない誰かに使うなんて」…残念ながら税金は財源ではない。政府は金など無限に発行できる。問題なのは供給力。働く人がいなければ、金があっても何も得られない。少子化進む日本。生みたい気持ち、学びたい意志。大事にしなければいけない。貧困世帯への支援は同情のためではない。自分たちを守るためだ。彼らが使うお金は無駄にはならない。そのお金は誰かがもらう。その人がまた使い、巡り巡って、自分の所得にもなる。その仕組みが世の中の供給能力を維持させる。お金を回せ!生活保護もその手段の一つだ。