紙の本
自伝的エッセイ
2017/07/25 00:46
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投稿者:南家うつうつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
少年時代や大学生の頃、東大と喧嘩したことなど、実名で書いてあったりと、いろいろぶっちゃけてます。
最近の活動しかしらない私にとっては、なかなか興味深い話でした。
言論の無力さを感じつつ、大衆社会や近代的思想に毒された人々と言論で真っ向から戦ってきた著者の姿勢に励まされるとともに、哀愁を感じました。
西部邁ゼミナールなど、テレビでしている発言を、敷衍して論じている部分もあり、こういうことを言いたかったのかと、感じられる部分もありました。
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危機としての生を実践し戦後の無惨と虚無に対峙し続けたファシスタが己の人生の全域を剔出した最後の巨編。懐疑と省察、冒険への意志が導いた思想の堂奥とは。皇室論・信仰論を付す、長き人生と思想が紡ぎ出した最後のメッセージ。
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この、ご老人、なんでマルクスを、こんなに嫌うんだかは、わかんなかったけど、ボク的には、このご老人の物言いは、とても好きかもしれない、、保守だ保守だと自分では、こだわっておられるが、イッパン的な保守とは、似ても似つかない、自然に考えるとこうだよねと、いわれて、至極ご尤もと、思ってしまうが、実は結構とんでもないことを言ってしまっている、、救いをもとめても、すくわれないが、、そんなこと自分で考えろや、、といわれて、ま~そうですね、、と引き下がるしかないが、、でも読んでしまうという、、それも面白いから、どうしようもない、、というところでしょうか、、
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実を言うとぼくは齢48にしていまだに保守思想を知らないトーシロなのだけれど(恥ずかしい)、この本を読み西部邁の思想のエッセンスが「ある程度」掴めたように思う。もちろん大問題を歯に衣着せぬ筆致で論じた批評家でもあったわけだが、同時に彼にとって妻との生活や友との交友といった平々凡々な日々の中に「非凡」を見い出せる稀有な知性を持ち得た人でもあったということなのだろう、と。そんな稀有な知性の働きは、堕落(ハイデガー的に言えば「頽落」?)を許さずしたがって自死/自決の美学を貫くしかなかった。この本は上質なブルースだ