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スーさんも中野先生も大好きなの。
つい数か月前にスーさんの『私がオバさんになったよ』で二人の対談を読み、「もっと続き読みたい!」って思っていたらすぐにその願いが叶って、しかも丸々1冊二人の世界が詰まってるなんて感激。
少し比較対象として男性の話も出るけど、もちろんディスる内容なんかじゃなくて。
女として生まれて子ども時代、思春期、大人になって…それぞれ感じてきた「モヤっ」を細かくお話している内容。目次読んだだけでワクワクしちゃった。
読んでいても「そうそう、そうなんだよ」「あ~、そういうこと!」など首肯してばっかり。ヘドバンしそう(笑)
普段は書籍にアンダーライン引くことはなんだけど、本作は一生お供に生きていくと思ったからガンガンマークしていった。
『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』以来に頭がスッキリ、喜ぶ内容だ。
はじめに ジェーン・スー
1章 「女らしさ」は誰のため?
「女らしい」と「お嫁さんにしたい」は同義
女は生物として美しい
「お前なんか襲わねえよ」まで含めて腹が立つ件
可視化も言語化もされない「得」のレイヤーがある
「女らしさ」とは自己決定権を手放すこと
「お嫁に行けない」という脅迫
スカートめくりの標的にならない女の子
周囲との関係性が一番しんどかった中学時代
ナオミ・キャンベルという女性の「外れ値」
美、モテ、若さはすべて目減りする価値
美人は、それ以外が評価されづらい
ヒッチハイクの成功率と胸の大きさの関係
失恋で痩せたら「モノ」扱いされた
ただし、美人は社会からよく扱われるメリットがある
「おごられる」ことは相手の支配を受け入れること
女の得って結局最後は行き止まり
メイクや服は女ウケを狙ったほうがコスパがいい
世の中には顔を洗わない男がいるという衝撃
「ただしイケメンに限る」の誤解
モテとおっぱいと性選択
「私は女だからできない」と思い込まされていないか 中野信子
2章 敵と味方とルールを再検証する
あえて一般職を選んだ女子大生
バブル世代の親の価値観を疑ってみる
「女に賞味期限はある」は食う側の価値観
「女同士はわかり合える」という一枚岩幻想
名誉男性は男社会の広報
女が女に厳し過ぎる評価を下すとき
個体として弱くなる時期をどう乗り切るか
「控えめな女」に高得点はもうつかない!
「個」であることが命取りな時代がきている
新自由主義の流れでカオス社会が爆誕
「らしさ」は役割と権力が生み出す
自分で決めるほうが気持ちいいし、得
女同士だからって、何でもわかり合えるわけじゃない ジェーン・スー
3章 恋愛と結婚、私たちの戦略
「自分らしさ」と「女らしさ」の乖離
自分よりも能力が高い人を好きになるという通過儀礼
パートナーはまっとうに生きるための漬物石
結婚という世間からの防御
親子の相性はしょうがない
生殖機能をフルに使わなくてもいいのでは?
女が人間に見えるまでには時間がかかる
「若くて元気がいい女」がおじさんに好まれる理由
お飾りの紅一点という役目
周りからバカと言われてもゴールは自分で設定したい
アタッチメントをつけ替える生き方を選ぶ
「第二の性」 中野信子
4章 なぜ女は自信を持ちづらいのか?
37歳でようやく「女らしさ」から降りられた
他人のために生きる人生はゆがむ
人生、不完全でも面白く生きられるよ
男は女よりも自信を持ちやすい
不安な時期ほど学習スピードが速い
依存相手は都合のいいスクリーン
不安を埋められるのは時間と自分だけ
自分で自分にOKを出そう ジェーン・スー
5章 いつか結婚も出産もレジャーになる
一番ではなく、二番手くらいを目指す
マリー・キュリーと「女の幸せ」
妊娠・出産をアウトソーシングする未来
生殖が変われば、恋や結婚の形も変わる
Y染色体が消滅したら結婚はレジャーになる
私たちが本当に後世に残したほうがいいもの
地球はすでに次のステージにいる
地球の様相は常に変わり続けてきた
私たちはいつでもどこへでも行ける 中野信子
6章 ジャストフィットな生き方は自分で決める
次世代への貢献をどうするか
必要なのは失敗をリカバリーする力だ
今の選択が正しかったと思えるように
搾取されがちな特性に寄りかかるのは危険
男社会で設定されたゴールがすべてじゃない
過去を忘れられる人ほど、幸せになりやすい
野球をやるために東大に入るという選択
自分が美人であることを隠す天才
女でも男でも「得」だと思える人生を生きる
あなたはあなたが思ってるよりずっと大きいかもしれない ジェーン・スー
おわりに 中野信子
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女だから何かを我慢したり、諦めたりした経験のある人に読んでほしい。
そして男性にも読んでほしい。
女性が「損している」ということを解消することは、男性が損するということではない。
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『大事なことなのでもう一度言いますが、誰かに「私にふさわしい相手」として選ばれなくてもいいんです』
この本を読んで、救われる思いがした。
この本は背中を押してくれている。女性でも男性でも、性による役割や社会通念に、自分の生き方までもを搾取される必要はないのだ、と。
(部分的に男性ヘイトに感じられる文章もあったが、個人的にはその部分には共感できなかった。そして筆者たちが本当に伝えたい部分もそこではないと感じた。)
女に生まれたというだけで嫌な思いをすることが多々あったように思う。損をしていると、よく感じていた。女らしい女の子をうらやみ、妬んでもいた。そして女らしくいられない自分を責めていた。
でも私だけではなかったのだ。
自分の意見を言う、場を引っ張る、そういった行為は「女らしくない」と言われ、「選ばれない」「お嫁に行けない」などと言われる。
そうしていつしか自分を抑え、周囲の期待を優先し、まわりの機嫌を損ねないように振る舞う。
無意識に、誰かを支える存在として「選ばれる」ために。
これまでの社会規範から、男性の中には女性を「モノ」としか捉えられない人、おしなべて女性のほうが勉強や仕事ができないと本気で思っている人、慎ましやかで自分の意見を言わず、出産し育児をし、男性を支える女性以外は無能だと考える人が残念ながらかなり多いのが現実である。
私自身、肌身で感じている。
人間として、何らかの社会貢献をしても、「結婚は」「子供は」などと仕事や学問、功績とは関係のないことばかりに焦点が当てられる。
女性も社会進出を、と毎日のようにニュースやメディアで言われる一方、(日本の)人口減少・少子高齢化を憂い、子供を産め、それもたくさん産めなどと言う。そう唱える社会の上層にいる男性たちは、既存の「女性らしい女性」「男性より能力が低い女性」感を本気で根底に抱いているというのに。
けれど今、単純に「男女平等」を声高に叫ぶのではなく、人間一人ひとりがもっと「考える」時代が来ているのだと思う。
その上で、「知」は圧倒的な力を持つ。
変わっていく社会の在り方に、魚類の繁殖戦略や46億年の地球史を用いてくるあたりはとても面白かった。
(私自身、シロアリの真社会性の話で知人に励まされた事を思い出した)
置かれた場所で咲きなさい、に苛立ちを感じるという話も共感できてかつ、理由が明確に言語化されていて気持ちがよかった。
もっとマクロな視点をもって、多様化する社会と向き合っていかなくては。
ジェーン・スーさん、中野信子さんは本当に賢くて、この人たちのようにはなれないよ、と思う部分もあるけれど、別になれなくていいのだ。
自分で考えて、迷って、間違えて。それでも選んだ答えを正解にしていけるのだ。誰しもが。
私自身も自分の生き方に迷いや、自責や、劣等感がいつもあるけれど、それでも進んでいこうと思う。自分で選んで、自分の今を正解にしていくために。
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何が得かは人それぞれだけど、
自分で考えない、自分で決めないのが「損」
だってことは言えるかも。
というスーさんの言葉に深く納得。
お二人とも、自分の立場を謙遜せず
冷静に分析していて気持ちよかった。
あと男女を対立構造にしない話の流れは流石だった。
だってなあ、性については選べないんだもの。
読んでスカッとする本ではないけど、
そうだよなあと思うことがありおもしろかったです。
エールをもらった。
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薦められて一気に読んだ。「可愛げがない」「控えめになれるといいのにね」と言われ続けて、悩んだり自信を無くしたりを繰り返していた私には、とてもいい刺激+そんな自分を肯定的に見られるようになるきっかけになりそうな本だった。
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女性に生まれたからって、女らしくしなきゃだめ?と思ったり、女だというだけで何だか生きづらいなと感じたりしている方におすすめ。
逆も然り。男は男らしく、と言われてもやっとする男性も読むといいかも。
女か男かというのは各個人にくっついてる属性の一つであって、そこだけ切り取って個人全体を評価されたり、人格ごと否定されたりしてはたまったものじゃない。
読んでて、言葉にできてなかったモヤモヤが晴れてスッキリした!
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自分は男だが、未婚独身な件について面倒くさい質問を受けることは多々ある。女性はさらに社会バイアスが乗っかると考えるだけでもう…女性は共感して男性は新たな気づきを得られる一冊、というこの雑な性別ひと括りもまた良くないのかもしれないな。色々と考えたくなるきっかけになった。読んで良かった。
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性別以前に正解を選ばされる人生、それでいいのか?と喝を入れてもらえた気分になれた。
中野さんとスーさんのような関係性ええなあ。
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対談の中盤以降、名言がいくつも出てきて、くすくす笑わせてもらいました。同時期、放映されていたテレビドラマ「凪のお暇」にも出てきた「空気は読むものではなくて、吸って吐くものです」ばりの、中野さんからの「空気は読むものではなくて、呼吸するものです」。どちらが二番煎じとか、そんな話ではなくて、これを超えていくフレーズがジェーンさん、中野さん、お二方からいくつも出てきて、文を追うのが実に楽しかったです。
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対談形式で進んでいくため、テンポ良く読めた。
(共感ポイント)
・中野:「女は優遇されている」と思っている人が大勢いるようですが、それは「下に見られている」のと同じことですからね。(p.22)
→自身の経験上、女は得をしているのでは?と感じた時期もあったが、実際は若さ(外面)を搾取されていたと認識したから早く歳をとりたい。(中身は今くらいの勢いをキープ)
・中野: 置かれた場所で咲きなさい、という言葉を見ると、何だか苛立ちを感じてしまう。(p.214)
この本から何を学んだかというよりは自分が女であることの立ち位置を再認識させられた。
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面白いっ!凄い共感する。もやっていた気持ちが言語化されて、絡まった糸がほどけるよう。テンポ良い会話が聴こえてくるような臨場感。
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「ふーん。君はナマコのくせにいろいろ知ってるんだな」(p.210)で最高に笑った。
軽快な対談本。
「超ハイスペックな女性二人の話だし、結局自分からは遠いよなぁ」と思い、途中で眠らせて数ヶ月。また手にとってさっき読み終えたところです。まさか最後(p.244~)でボロボロ泣くとは思わなかった。
現代まで連綿と続く人間社会は、女性にとって不利で息苦しい。それは事実として語られている。でも、ここでは社会を変えようとか大きい話にはなっていない。人間社会のためというより、この本を読む私のための言葉があった。
合わせられない「女らしさ」に私は合わせなくていいのだ。「女らしさ」に限らず、「普通」に合わせられない私を責めなくていい。あるいは、置かれた場所で咲こうとしなくていい(p.214)。そういう話だったと思う。
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「若さや美貌のご褒美に与えられた得って、どれも蓄積されない資産」と、斬るところが潔くて好き!
「女でも男でも得だと思える人生を生きる。」同感。
「40代はドーパミンがあまり分泌されなくなって不安感情が、落ち着いてくる。だから、迷いがなくなる。」→不安がなくなる→図々しくなる不惑=40代って納得。
「不安な時期=若い時こそ勉強する 。だから、歳を取ると勉強するのが難しい。」余程命取られるくらいの危機感がを持たないといけないんだな。
「記憶力の良い人ほど新しい環境に適応しにくい。」忘れっぽくなることも生きるための知恵ってか。
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ん〜〜!めちゃめちゃ面白かった!
頭のいいお二人の対談。「女に生まれて得か?損か?」という問からどんどんと発展して、最終的には生物的な進化の話から地球規模のフェーズの話まで。
講義やパネルディスカッションを拝聴しているような感覚で、すごく読みごたえがある!
また、自分が生きててモヤモヤって感じてたこととか、イラだっていたことに対して、「それはバグだ」と論理的に説明されていて、目からウロコ。
私も自分の生存戦略を自分で考えて、行きたい場所にどんどん行ける人間になりたいと思った。
自分の人生を自分で正解にしてあげていきたい。
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女に生まれたというだけで、個性や実力が身近な人たちからないがしろにされている。脳科学者の中野信子とコラムニストのジェーン・スーが、これからの女性の生き方を対談形式で語り合う。
もやったままです。