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作者はどの視点から文字を選んで綴っているのだろうか?
山を一人で登る者にしか見えない光景が綴られていく。
読む読者を登攀の世界に連れていく。谷川岳、インド、
ネパール、エベレスト山。モデル本人にインタビューをして想像で人物を追加したのだろうか?
全共闘時代、1970年の僕が子供だった頃、アポロ計画に夢中になっていた頃の実話として山行きが語られている。
淳子の主人は怪我をして、行動範囲が狭くなった。まるで、不慮の病気で、社会活動が中断され、徐々に前の自分と現在の自分を調整している私のことのようだ。家内に福祉作業所を任せて私が家事の料理の現場を助けるようだ。無論、子供たちは我々の場合独立していってくれた。
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田部井淳子さんについての小説でした。
田部井淳子さんと言う人は 山に興味がなくても
エベレスト登頂を成し遂げたというので
知ってる人も多いと思います。
女性が山に登るって大変だろうなぁ と
思ってはいるけど
女性登山家(田部井さんを含めて)の書いたものは 読んだ事がありません。
なんとなく 山を知らないので 読んでても
わからないと思ったので 近寄りませんでした。
今回は小説って 事で 読んでみました。
ご本人が存命の時に取材してあるので
かなり リアルに描けていると思います。
一人の女性として 妻として 母としてそして 登山家として生き抜いた 田部井さんの小説でした。
彼女が 登山を始めた頃は 男性社会だったし
登山用品も 今のように 軽量でもなかったし
そんな 困難の中 女性だけで チームを組んで
エベレストに登ったのは 凄いと思います。
チームを組んだという事は 色々大変な事もあっただろうけど
最後には みんなの思いを託されるので
頑張れた部分もあったのでしょう。
そこまで 行って 頂上に登れなかったメンバーたちにもどこかで スポットが当たってればいいなぁと 思いました
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女性として世界で初めてエベレストに登頂したのが、福島県出身の田部井淳子さんだと知ったときは驚き、その物語を見つけてすぐに手に取った。冒頭に描かれる闘病しながらも東北の高校生を富士山に連れて行くシーンはドキュメンタリーで実際の映像を見ていたこともあり、リアルなものとして感動を私の中に呼んだ。何よりも私が大好きな安達太良山の噴火口の景色に田部井さんも感激したというエピソード、そしてそんな女性が力強く、直向きに山と向き合い、強く生きていくストーリーは本当に勇気を与えてくれる。田部井さんほど強くはまだ生きれていないかもしれないが、彼女のような自立したカッコいい女性になりたいと思う。
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長かった!けど、読んでほんとによかったし、時間かかりながらも読み中に他にもあれもこれも読んでみたいという本が出現したり。
今年もやっぱり
いっぱい
旅に出よう山に登ろう世界を知ろう
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感動して泣きそうになった。本当に良い本! 山は意思を持っておらず、ただそこにある。その存在感がすごい迫力で迫る。綺麗事だけじゃない人間関係の描写も良かった。素晴らしい本です。
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本作は山登りをテーマとしつつも、
女性の社会的ポジションという点を濃く描いている。
タイトルにもある「てっぺん」とは、
山頂を指した意味も含むが、淳子の人生においてのその時その時の到達地点や帰るべき場所という意味も含んでいる。
時代背景が1950〜1970年代ということもあり、
「山は男が登るもの」
「女は男の助けがないと成功できない」
といった女性蔑視の封建的な考えが非常に強い中、
主人公の淳子たちは女性のみで構成されたチームを作り、女性の社会的地位の確立を念頭にしつつ山に挑んでいく。
そんな封建的な考えと戦うにあたり、
著者の女性目線もあってか、
女性だけのチームでの社会性の難しさが非常にリアルに描かれている。
・議論がロジカルにできず感情的で堂々巡り
・決定事項に対し後から不服を言う
・自分で責任は持ちたくないが責任ホルダーには強く当たる
こういったシーンが非常に多く散見し、
山登りへの準備〜開始〜登頂に至るまでの女性同士の意見のぶつかり合いがメインと言っていいほどの内容となっている。
唯川恵氏の真骨頂は恋愛小説だと思っていた為、本格的な登山という全く違った固いテーマの本作を初めて手に取った時には違和感があったが、
読了してみると、唯川恵氏だからこそ描ける女性の細かい心情部分が固いテーマをソフトにし、それが面白味となって読者を引きつける作品になっていると感じた。
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エベレスト登頂の過酷な様子の描写、登山隊に発生する不満や苛立ちも描かれていて、共感や応援の気持ちで物語の中にどんどん引き込まれた。田部井さんの凄さに改めて驚くばかりだった。