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当初、現代の諸問題を家康に訊いたらどのような解決法を伝授してくれるか的な本かと想像してたけど実際は家康が天下に上り詰めるまでのターニングポイントを著者が解説するような内容だった。
割りとありきたりで既知の内容が多く新たな知識はほとんど得られなかった。
しかも家康の内容は全体の1/3程度で残り2/3は雑誌に掲載した家康には全く関係の無い歴史小説だった。
ここまでくると自分が期待した内容と全くかけ離れてしまうのでさすがにこの小説は読むのを止めた。
本のタイトル変えた方がいいんじゃないのかな。
詐欺レベルだよ、はっきり言って・・・。
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多分作者が亡くなられた関係で合わせたのだろうけど前半が信長辺りと比較しての家康の話で後半が福島正則や剣豪や忍びとなると色合いが違う気がする。
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評論「家康に訊け」と歴史小説「宇都宮城血風録」の二部構成の書籍である。「家康に訊け」は徳川家康論。大河ドラマ『どうする家康』の予習復習になる。著者は江戸幕府と戦う豊臣方を主人公とした歴史小説を書いているが、歴史上の人物としては家康を評価している。
「宇都宮城血風録」は冤罪同然で改易され、暗殺されそうになった福島正則が一矢報いようとする物語。忍者や剣士が敵味方で登場する。敵側の忍者が大麻を使う。大麻は阿呆薬と呼ばれ、「忍びが敵を洗脳する時に使った」(165頁)。依存性薬物は人間を阿呆にする。現代のヤクザ漫画でも敵側のヤクザが依存性薬物を扱う傾向がある。ドラッグは悪の側の属性である。
福島正則の戦いと宇都宮城釣天井事件を絡ませる。宇都宮城釣天井事件は本多正純が改易される原因となった事件である。正純が居城の宇都宮城に釣天井を仕掛けて、宿泊する将軍徳川秀忠を暗殺しようとしたと疑われた。しかし、この嫌疑は冤罪であった。
正純は大久保忠隣を冤罪で改易させていた。忠隣の嫡子の忠常の正室は徳川家康長女・亀姫の娘である。亀姫は大久保家が冤罪で改易されたことに憤りを覚えていた。さらに亀姫は奥平家に嫁いでいたが、その奥平家は宇都宮藩から下総古賀藩に転封になり、正純が宇都宮藩主となった。この転封にも亀姫は不満を抱いていた。これが釣天井の密告となったとされる。
これに対して「宇都宮城血風録」は福島正則の怒りが正純に向けられる。正則の改易の名目は広島城無断修築であった。しかし、正則は正純に修築を届け出ていた。正純が正則を改易させるために握りつぶしたとする説と、正純が土井利勝らの台頭で力を失っていて正純に提出した届出が処理されなかったとする説がある。「宇都宮城血風録」は前者である。正純は正則の改易後に下野国小山藩五万三千石から宇都宮藩一五万五千石に加増されており、正則の怒りの対象になる資格は十分にある。