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投稿者:kiyo - この投稿者のレビュー一覧を見る
期待するほど面白くはなかった。
一般的な恋愛詩だと思って読んだからだろう。
みんな谷川俊太郎さんは
スゴい詩人だと思い込みすぎている。
彼の作品にはいいものも悪いものもあるのだ。
抽象的というか浮世離れしているというか
そういう作品が多いのも彼の特徴の一つ。
私は彼のファンだが、
そういう作品は好きではない。
具体的でわかりやすい
例えば「ネロ」のような作品が私は好きだ。
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谷川俊太郎さんの文庫新刊です。
書下ろしの新作詩「あなたの私」が巻頭です。
単行本の同名詩集がありますが、そちらは図書館で借りたので、違いがうろ覚えで、実はよくわかりませんが、たぶん全く同じものではないと思います。(少なくとも新作詩と解説はあちらにはなかったです)
巻末の解説は谷川俊太郎詩選集3と同じ田原(ティアンユアン)さんです。
今までに、何度も読み、大好きな詩がたくさん入っていますが、その中で一番、色彩がこぼれるようで、美しいと思った詩。
「今はバラ色が好き」
菜の花の小さな黄色が好き
ねころんで見上げる空の青が好き
消えかかる虹の七色を
たしかに見たと思ったときには
どの色も悲しいほどきれいに見えた
でも何故か今はバラ色が好き
明けていく空のひそかなときめきが
あなたの胸にあふれてくる そんな色
今はバラ色が好き
栗の実のやさしい茶色が好き
すきとおる若葉の緑色が好き
二十四色のクレヨンを入学祝にもらったときには
どの色もこわいくらいきれいに見えた
でも何故か今はバラ色が好き
忘れえぬ夢のひそやかな思い出に
あなたの頬がそまっている そんな色
今はバラ色が好き
他の詩では、何度読んでも「泣く」「あなた」はいいと思ってしまいます。その他でも「恋の始まり」「私の胸は小さすぎる」「魂のいちばんおいしいところ」「空」「世界の約束」「心の器」がよかったです。
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私の中に行くあてもなく澱んでいた感情が谷川さんの言葉によって昇華されていった。ああ、こんなふうに言いたかったのか、とよく知る言葉のはずなのに、初めて気づかされる表現に胸を打たれる。工藤直子さんの「こころ」を読んだとき以来の衝撃で、思わず嗚咽が溢れた。中でも、その言葉がなければという「後悔」は涙が止まらなかった。