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小説を読むことが好きなすべての人に届いて欲しい。そう思える小説だった。
優しさと願いがギューっと詰まっていて、それがヒシヒシと感じられて、「小説が読める幸せ」ってコレだな、と涙が出そうだった。
私も弱い人間だから、より主人公たちに共感してしまったんだと思うけど。
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いつかページを捲ってくれる誰かが、泣かないですむように。
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とても素敵な文章だと思う。
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小説家が世間に認められず売れない本しか書けないこと悩むのは、小説家ではない自分にもよくわかります。この主人公もその一人ですが、物語の半分頃にようやく前向きになったかと思ったら、またすぐ打ちのめされて再びグルグル悩むようになり、最後の最後で何とか光が見えた形に収まってホッとしましたが、物語の9割がた気が滅入るような悩みばかり聞かされたので正直疲れました。「作品を批判する事や人が意地悪」みたいな印象を受ける書き方をされてるけど、人の好みばかりはどうしようもないと思います。全員に好かれる作品なんて無いだろうし。
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若くしてデビューした売れない小説家の主人公・千谷一也が人気作家の少女・小余綾詩凪と二人で小説を作る中で「なぜ小説を書くか」に向き合っていくお話。千谷が抱える悩みの描写は真に迫るものがあり辛いが血を吐きながら前進していく彼らを応援したくなる一冊でした。
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う~ん……。
私は物語の書き手のことなんて全く気にしないに気にならない。(メディアに出まくってる場合は別だけど)
作者がどんな気持ちで書いたのか、何を伝えたいとか、3日で書いたのか3年かけて書いたのか。どうでもいい。
純粋に内容を読み耽っている。作者の思惑が透けて見えるとかそんな経験はない。だから国語の試験は苦手だった(笑)。
あとはもうハードカバーや四六判、ノベルス判もやめちまって全部文庫判で統一しようそうしよう。
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物語とはというこを教えてもらった気がする。
読んでいて、「そうそう、そーゆー物語が読みたいんだよ」と何度共感したことか。
ただ、本作全体としては一也のヘッポコっぷりにちょっとうんざりする。
そこだけ妙に文学的で、気になる。
今の出版不況を考えさせられたり、美人作家ともてはやされた子の苦悩とか色々、なるほどと思いつつ読んだ。
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この作品を書いてくれて嬉しい。
作家の内側を赤裸々に見せてくれた。
言われたい言葉が、言ってあげたい言葉があった。
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≪あなたにとっての小説とは?≫
物語をつくれるひと,語れる人ってすごく尊敬する.
小説でも,映画でも,詩でも,音楽でも.
言葉だろうが写真であろうが映像であろうが,自分の中にあるものを形にすることのできる人.
その形が,なぜだか他人に共感をもたらしたり,恐怖に陥れたり,人生を変えさせたりする.
この本の主題は小説・本だけれども,それが分かっているから,創作家は,絶えない悩みに襲われて,自分と向き合いながら,自分の作品に触れるだれかを思いながらも今日も活動し続けているのかな.
と,思った.
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しっかりと編まれた物語。これ、すごい好きだ。
雑にまとめてしまうと、挫折した主人公が立ち上がっていく話なのだけれど、その積み方がとても丁寧でどっしりしている。少年マンガみたいに、一つの決意で必殺技バーンじゃなくて、一歩一歩、進んでは戻り、紆余曲折を経て、試行錯誤して、つみきを積んでは壊して、壁を乗り越えていく感じ。もだえ苦しみながら、のたうち回りながら、時に立ち止まりながら、時に尻を叩かれながら、前へと進んでいく主人公は基本、情けなくて、だめなやつだ。でも、だからこそ頑張るっていうことはこういうことなんだろうと思う。
設定の肝は主人公が”プロ”なところ。その重たさで鬱展開は長いし、ヒロインは萌えないし、スカッとするシーンもないしで、エンターテイメントとして万人受けはけっしてしないのだけれど、心の深いところを揺さぶられる人間は絶対にいる。というような作品になっている。
思うことがあるとすれば、著者には取材をしてほしいと思う。それで、全然違う分野を舞台にして次回作を書いてほしい。
主観でしかないのだけれど、出版業界を舞台にした小説って、業界受け、というか身内受けで終わってしまう印象がある。今作の持ち味である描写の丁寧さは、裏を返すと文章として重たいということで、ある程度本を読みなれている人でないとキツいが、読み切った人が他の人に勧めたくなるようなパワーがある。
なんだろうなー。よくあるのは飲食店とか、学園とかだけど、これだけプロの重圧を丁寧に描いていけるのだから、消防士とか、救急救命士とか、産婦人科医とか、人の生死に関わるような職業のひとの話を読んでみたい。
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主人公が抱える痛みやつらさが、「痛い」「つらい」という言葉でしか感じ取れなかった。私が好きな小説がよく感じさせてくれる「生きている人のにおいや音や息づかい」のようなものを感じることが出来なかった。作者自身が苦しんで書いたのかな、と、読んでいて辛くなった。
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■小説は、好きですか――?
僕は小説の主人公になり得ない人間だ。学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……。物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に現れた、同い年の人気作家・小余綾詩凪。二人で小説を合作するうち、僕は彼女の秘密に気がつく。彼女の言う“小説の神様”とは? そして合作の行方は?書くことでしか進めない、不器用な僕たちの先の見えない青春!
物語を愛するすべての人たちへ捧げる、僕たちの青春。
いつか誰かが泣かないようですむように、今は君のために物語を綴ろう。
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主人公のネガティブさにイライラしすぎて、なかなか読むのに時間かかった。
小説が大好きなのに、
何故かあまり共感も出来ず、うーんって感じ。
青春小説にしてもイマイチだし、
あまり響いてもこないし、残念でした。
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作者の言いたいことは伝わってくるけれど、本の裏側をあまりにも露見されても、夢が壊れちゃう感じがして、ちょっと疲れてしまいました。私には難しかったかなぁ。
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ラノベっぽいなと思いつつも帯のセリフに惹かれて購入。ちょっとラノベとか思ってた自分を今は殴りたいくらい没頭して読んだ。僕は主人公になりえない人間だ、という千谷一夜は確かに所謂主人公らしからない卑屈でネガティブなキャラだ。どう励まされても背中を押されてもやる気が漲らない、ちょっとイライラしてくるような存在でもある。でも、きっと現実の人はこういう人のが多いのではないかと思った。彼は等身大で、自信がない、きっと性格的にはよくいるタイプの人なのかもしれない。けれどその彼が主人公になり得た。それはどれだけの人にとっての希望になったのだろうか?
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小説の力、物語の力。確かに、あの小説がベストセラーになるのに、あの作家が人気あるのに、なぜ世の中はこうなのだろう、と首を傾げることは多い。それでも小説を読む人は少数派だから、と思えればいいのだけれど、時に、同じ小説、同じ作家を好きだと言っている人たちの、他者への攻撃性を見て哀しくなることもある。そこにはたぶん、嫉妬があるのだろう。人を見下げる形でしか自尊心を満足させられない、そうならないように、自戒。
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作者の心の内を、主人公が代弁して叫んでいるように思えました。インターネットで誰でも簡単に文章を綴ることが出来、また本離れが進むといわれる現在、少しずつ環境も変化していくなかで、必死に小説に向き合う血を吐くような作家の苦しみに一読者として、少し触れることが出来た気がしました。これだけの苦しみの上で作られた作品を、娯楽として楽しむことが出来ているのですね。売上に固執する主人公の苦しみは環境もあるかと思いますが、若さ故とはいえやっぱり少し苛々してしまいました。これで40代とか50代の作家が主人公だとしたら、更に重たい話になりそうですね。