投稿元:
レビューを見る
ミステリ以上にホラーは読まないのだが、「イヴ」の作者ということで読んでみた。
のだけど、やっぱ合わないなぁ…
関わった人間は全員不幸になり、化け物は退治されず、って、こうじゃないと納得しないのがホラー好きってことなんですかね?
投稿元:
レビューを見る
「完全なる首長竜の日」「忍び外伝」以来久しぶりに読む著者でありSFチックな作品だったと思うがあまり多作家ではないせいか目に触れることもなくなっていたが作品は面白かったのを覚えている。本作はSF猟奇ホラー物で「リング」「らせん」の貞子の代わりがツキノネ(弥生)になったようだった。最近「ぼぎわんが、来る」「貞子」が映画化されホラーブームの再来かと思われたが、「貞子」の方は酷い出来だったので、本作あたりを映画化したらどうだろう。ホラー映画も原作がしっかりしてないと全く面白くない。
投稿元:
レビューを見る
謎の美少女を巡るファンタジー……というよりもホラーでした。幻想的な装丁と不可思議な物語に引き込まれましたが。物語は読むほどにどんどん不気味になっていきます。
「ツキノネ」と名乗る美少女。彼女の奇妙な言動に振り回される周りの人々。最初は子供らしい態度に思えていたのが、彼女の素性を知るごとに恐ろしく思えてきました。外見が子供なだけに怖いよなあ、これは。ダムの底に沈んだ町と神社にまつわる因縁の物語もぞくぞくさせられるし。
でも荒木が描く絵は、とても見てみたい気がしました。でも引き込まれるのは……嫌かも。
投稿元:
レビューを見る
殺人現場の二階にいた身元不明の美しい少女をめぐる男女の人間関係が愛憎と共に絡み合い、“ツキノネ”という蠱惑的なワードとダムの底に眠る町と神社が秘めた謎を深めていく。
富と災いを両方もたらすというツキノネは、神様のようなものだったのかな。元は人間とかもっとおぞましいものを想像していたので、その辺が曖昧に終わってしまってモヤモヤ。長いこと暗闇に閉じ込められて死ぬこともできない壮絶な孤独や自分の存在意義を問う哀しさを思えば、あの彼と再会した終わりの始まりは恐ろしくもあるし、少しホッとする結末でもある。
投稿元:
レビューを見る
「機巧のイヴ」が好きで、でもそれ以来、好みの作品が無く読んでいなかった作家さんだが、あらすじで面白そうと読んでみた。
しかし読んでいると「機巧のイヴ」のようなパラレルワールドファンタジーではなく、ホラーだった。
『ツキノネ』なる不思議な少女を巡る物語。だが結局『ツキノネ』が何者なのかは分からない。
老夫婦が殺害された家から保護された少女・弥生。保護施設で弥生を担当する古河の目にも弥生は異様に映る。
一方で子供の頃に過ごした村を描き続ける荒木と、彼を通して彼が描く村を調べ始める文乃。
それぞれの物語は歪な形で繋がっていく。
これも一種のパラレルワールドと言っても良いかも。なかなか上手く出来ている。
ただ『ツキノネ』に関わった人々は幸せにはなれない。過去に遡っても、一時的に隆盛があっても最終的には破滅している。
『ツキノネ』は神なのか悪魔なのか、あやかしの類いなのか。
一つ言えるのは、『ツキノネ』と心が通じ合うことはないということ。どれほど誠意を尽くしても言葉を重ねても、『ツキノネ』はやりたいようにやる。
価値観や思考回路の違う者と関わっても良いことはないということか。
だが『ツキノネ』もまた、誰とも通じ合うことなく、気ままに過ごしているようで孤独だし、行き着く場所はあっても人間のように限られた一生がないのだから、それはそれで虚しいかも。
だから常に誰かを求めるのか。見初められた者は大変だが。