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紙の本
艶ってわかるかな?
2004/06/20 22:53
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投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る
「キッドナップ」、「左腕の猫」と読んできたら、もう止まらない。藤田宜永「艶めき」です。(1)善治の恋(2)指輪(3)うどん(4)扇子の秋(5)ちぎる(6)古木の梅(7)女お支度、以上7篇が収録されています。表題の「艶めき」、良い響きですね。これが解るには10年早い。…と、言うわけで若い人たちの恋愛じゃあないです。「艶」なんて今じゃどこに行ってしまったのやら。セクシープラス情愛とでも申しましょうか、歳を重ねると悪い事ばかりじゃなくて、こんな心を揺さぶるしっとりとした愛に出会えるわけです。短編なのでサラサラ読みやすくて良いのですが、1つ終わる毎に天井を見上げてため息をつきながら一服しないと次には行けないものが心を満たしてきます。読み終わって、そうか!と合点。それは「キッドナップ」では赤ん坊の時自分を誘拐した犯人に会いに行く高校生のお話でしたが、その海辺の食堂の犯人であるところの女性が主人公である高校生以上に心に残る存在感を感じたのは、もしかしてこちらがメインだったのかも。見る視点を間違えたかなと…合点でした。
どの話も中年の男女の恋愛物語です。文章と文章の間にある情感はある程度の歳を重ねないと見えてこないでしょうし、その歳を重ねてきた数十年は語られなくとも解るくらいの理解力がないと、まさに「艶」を感じられないでしょう。「艶」のある恋愛が出来る歳になりました。若い方、羨ましいでしょう。同年代の方、頑張りましょう!
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