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伴名練『なめらかな世界と、その敵』読了。年刊ベストSFで読む度に「読ませるなあ」と思ってた作家の初短編集。読むほどにエモい。どれも秀逸だけれど「美亜羽へ贈る拳銃」が白眉。SFにはまだまだ新しい趣向、想像力、可能性があるものだと読後のわくわく感が心地よい。
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面白かった。SFとしては「シンギュラリティ・ソヴィエト」、ライトノベルとしては「ひかりより速く、ゆるやかに」が好み。
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スマートニュースの代表との関係はよくわからないが、そのタイトルで読もうかなと思った本。
SFだけど、その設定が一度頭に入ってくると、その描写力から、逆にリアリティーが圧倒的に押し寄せてくる感覚になった。
恋愛小説のような感傷に浸れるかもしれない。
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素晴らしい!
SFが苦手で、理数系全く弱いわたしですが、『ひかりより速く、ゆるやかに』のタイムマシンの理屈を理解したくて何回も戻ったり…普段は諦めてしまうんですが、わかりたいと強く思えて。(なんとかわかりました)
特に『美亜羽へ贈る拳銃』は、泣きました。
ううむ、もしかして今年のNo. 1かもしれない…
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評判通りの1冊でした。
やっぱりおすすめは、書き下ろしの「ひかりより速く、ゆるやかに」ですね。修学旅行中の同級生たちが乗った新幹線に時の流れが極端に遅くなる現象が発生。病欠していた主人公を巡る物語なわけですが、周囲の状況とか、主人公が病欠した真相ちか、いろいろなことが明らかになってくると、いや重いストーリーだな、と思ってしまうわけです。しかし、ヘタれの少年(といっても大人になっちゃった後だけど)が最後に一人で頑張る、という王道というかベタなクライマックスがいいのです。やっぱり楽しいよね、こういう物語。
全体的にこんなタッチの作品なのかと思ったら、AIをテーマにした「シンギュラリティ・ソヴィエト」とか、「美亜羽に送る拳銃」とか、それぞれバラエティに富んでいて読み応えがありました。
それにしても今年は面白いSFが多い記録的な年ではないでしょうか。
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なめらかな世界と、その敵
スマホのページを切り替えるように、生きる世界を切り替えられる世界の話。それが出来なくなった乗覚異常の友人に合わせて自分も乗覚異常になる主人公。スポーツで決着付ける辺りが爽やかジュブナイル感。
ゼロ年代の臨界点
架空の文学史がただただ説明される話。
美亜羽を贈る拳銃
ハーモニーの登場人物・御冷ミァハの名前を取った天才ゆえツンツン少女・美亜羽を愛した実継の愛が錯綜する話。インプラントという脳内とか体内をいじって人見知りとかを治す(?)手術が可能になった世界の話。心変わりはよくある事だけど、性格が変わった自分は果たして昨日までの自分か?
同一人物と言えるのか?みたいなのが主題。記憶は保持されてるが性格が異なった人間はやはり別人という事で北条美亜羽と神冴美亜羽は愛されたり愛されなかったりした。
ホーリーアイアンメイデン
全編妹からの手紙という体で書かれた短編。姉にあてたこの手紙を姉様が読む頃には私は死んでいるでしょう、と最初から引き付けられる。
他人を抱きしめる事で相手を穏やかな性格にしてしまう能力を持った姉。最終的にその姉に自分を殺させるように仕向け死後手紙が届くようにした妹。手紙を読む事で何が世界に起こっているのかが段々明らかになるのが面白くて一気に読める。
シンギュラリティ・ソヴィエト
ちょっと割愛。
ひかりより速く、ゆるやかに
修学旅行の帰りの新幹線の中と外の世界と流れる時間が全く変わってしまった話。次の停車駅の名古屋に着くのは2700年後になる位新幹線内の時間の流れがゆっくりになってしまい、家族が車外から中を見て泣いたりという描写がある。
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SF短編集。とても深い作品が多く、海外のSF作家が書いたと思うくらい、深みがある。並行世界から時間もの、サイバーパンクのようなものまで幅広い。とても濃い作品集だ。好みの作品は表題作の「なめらかな世界と、その敵」「美亜羽へ贈る拳銃」「シンギュラリティ・ソヴィエト」「ひかりより速く、ゆるやかに」を挙げる。でも、全部良い作品だ。
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短篇集。『新しいのに懐かしい』というキャッチコピーがPSY・Sであったような気がするけど、この本を読み終わって、まさにそんな気持ちになっている。メインキャラクターが女性二人、もしくはそれに男性一人が加わるかたちの作品が多かった。次の作品も読みたいし、長篇を読んでみたいな。
1.なめらかな世界と、その敵
すべてのひとが様々な世界線で生きる自分を精神だけ自由に乗り換えできる設定で、ある薬品の作用でひとつの世界線でしか生きられなくなった幼馴染と再会した女子高生が主人公。この設定で生きる人間の感情や価値観がひとつの世界線で生きる人間と同じなのかどうか甚だ疑問なのだが、主人公が最後に取った行動に高揚したし、こういう少女二人は好き。思い出したのは、異国の街で少年少女が『こんなに沢山の人がいるのに(言葉がわからないから)世界に二人きりでいるみたいだ』という漫画のワンシーン。昭和のりぼん辺りで読んだような気がする。設定について考えだすと作品の瑞々しさ鮮やかさが鈍ってしまう。
2.ゼロ年代への臨界点
最初に書かれたSFにまつわる話。伝聞を含む報告書みたいな、天狗にさらわれて戻ってきた子供の話が思い出された。かぐや姫の物語はない世界なのかな?
3.美亜羽へ贈る拳銃
タイトルから梶尾さんの短篇を連想したけれど、ハーモニーの方。ハッピーエンドに見えるのにまだ『壊れろ』の呪いは残っているんじゃないだろうかという不安。
4.ホーリーアイアンメイデン
特殊な能力を持つ姉宛に能力を持たない妹が書いた手紙というスタイル。妹の姉への憎悪が共感できないのは自分が姉だからだろうか。読み終わってから、いいタイトルだなぁと思った。
5.シンギュラリティ ソヴィエト
戦闘機が出てきたときに雪風を思い出し、七つの火は結界のようにも感じられてCLAMP『X』を思い出した。書記長視点の世界描写、わくわくした! クローンの出てくる描写と義理の姉の話で少女の正体が想像できちゃうのちょっと残念かも。
6.ひかりより速く、ゆるやかに
『低速化』で再び梶尾さんの短篇が過る。最初から最後までほぼ映像が浮かんでするする読めた。主人公の『書いた』部分だけ彩度が落ちてるような感じ、叔父さんと元不良少女の評が厳しいのもわかる気がした。2010年代後半のリアリティ、これをなつかしく思うのは何年後なんだろう。
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[出典]
https://twitter.com/i/web/status/1161812379039965185
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著者の創造力とSFへの造詣ほ深さ、文章表現力に舌を巻く。無理かもしれないが、もっと作品出して欲しい。あと、エンターテインメント性の高い作品も読んでみたい。著者の意に反するかもしれないが。
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刊行前からTwitter界隈にて異常なまでの熱量で期待されていた本作。幼少期から数多のSFを読んで育ったという著者の脳内をそのまま文章にした様な非常にエモーショナルな作品群。個人的には、ソ連とアメリカのAIが神の如く競い合う歴史改変物「シンギュラリティ・ソヴィエト」、低速化という謎の現象に巻込まれた新幹線とそれをめぐる人々の物語「ひかりより速く、ゆるやかに」あたりが刺さった。著者のSFへの熱い想いは『「2010年代、世界で最もSFを愛した作家」伴名練1万字メッセージ』で公開されているのでぜひ読んでほしい。
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過去読んだ日本SF短編集では個人的に最高の部類の一冊になりました。改変歴史、AI、ソ連邦と好きなもの全部載せの「シンギュラリティ・ソヴィエト」と、こんな災害が今起きればこの小説で描かれているような騒ぎになるだろうなあ、と感心した、「ひかりより速く、ゆるやかに」の2短編が特に好みです。
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長いこと読んでいなかったSF。"一秒分の息を吸うだけで、三百日が吹き飛ぶ世界に僕はいた。" そういう世界にも行けること、久しぶりの感覚で、とても面白かった。最近出たアンソロジーにも手を出してみよう。
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#日本SF読者クラブ 良作揃いの短編集。表紙の女の子は、表題作に登場するマコトちゃんかな。この表題作と書き下ろしの「ひかりよりも速く、ゆるやかに」がお気に入り。
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20191121読了。
半年弱かけて少しずつ読んだけど、すごく上質なハードSF。
ハードな分、読むのにトルクが必要だったけど、一つ一つのストーリーがしっかりと組み上げられていて読み応えがあった。
かなり良い読後感。