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比較的ライトな感じの話でした。わがままを体現したような双子の姉と、それに振り回される弟の話なんだけれど、ただのコメディかと思えばそうでもなく、ところどころで、はっとする指摘があったらする。わがままな姉の小さな性格の粒の根拠がセリフから滲み出ているシーンがいくつもある。性格ってぽんと設定されて人間に取り憑くわけじゃなくて、根拠があって形成されていくんだなって、当たり前のことなんだけど。なんでそうなったかわからないままその性格を抱えて都合が悪くなったら育ってきた環境を振り返って嘆く、というわたしによく似た弟に妙な親近感。
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顔は似てるけど性格は反対の双子の姉弟の物語です。
まず姉弟の二人暮らしで都内の大学に通うという設定が非常に楽しいです。二人の部屋を舞台にそれぞれの恋模様が描かれているのですが、互いに良い感じに干渉して(関わらされて?)いて、冬治と華子の関係がよく表れてました。展開としてはとても王道で、最後の結末にしてもそうなるだろうなという予想は裏切られません。
さらっと読める感じですが、言葉の端々に登場人物の感情やその場の空気が感じ取れてよかったです。
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この4人の生活に素直に憧れる自分がいました。青春って高校まで、って思っていたけどこの人たち間違いなく青春している。
冬冶くんの不器用さと華子ちゃんの奔放さの対比は眩しくて、冬冶くんの迷いに自分がモヤモヤしたり酸っぱくもなったけれど突き抜けるような爽やかさで読んでいて楽しかったです。
自分の明日からに瑞々しさを与えてくれるような作品でした。
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自我の強い華子と周りに気を遣うタイプの冬治という、ほぼ正反対のキャラクターを持つ双子が中心の物語。雪村さんや熊野さんや史弥くんなど様々なタイプのキャラクターがそこに加わり、そのたびに世界の雰囲気がどんどん塗り替えられてゆくような感覚になる。青年ならではの悩みや喜怒哀楽がはっきりとした形で描かれているので共感しながら読むことができるかもしれない。
とりあえず、熊野さんがいい味出してます。
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20140723
島本さんっぽくないお話だな(なんとなく悲恋のイメージがあって…)と思いましたが、キャラクターがいきいきとしていて、個人的にはすごく楽しんで読めました。モラトリアムとその終わりの物語、まさにその通りだと思いました。自分について、自分に関わる人々について、漠然としたままの‘これから'への不安。懐かしさを感じるようになったら、成長?
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双子の姉弟の恋愛、どちらもきゅんとする話でした。
登場人物全員の個性が出て、良かったと思います。
ラストの電車のシーンもオシャレで素敵でした。
何時も読み返してしまいました。
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強引で恋多き華子と、その双子の弟で冷静で常識人の冬治、華子に一目ぼれしぞっこんの公務員の熊野さん、人付き合いが苦手で冴えない外見の雪村さん。タイプの異なるそれぞれが織りなす恋愛小説。
華子と冬治の夫婦漫才のような掛け合いがまるで少女漫画を読んでいる気分にさせてくれるドタバタで明るい前半を過ぎると、後半に向けてそれぞれの過去の葛藤や素直になれない気持ちが交錯し、もどかしさも感じた。
恋愛小説とうたっているが、登場人物それぞれの成長物語だと思う。表立っては見せない自信の無さや消極的な面などの繊細な心理描写が見事で、でも憎めない子ばかり。
読後感はすっきりした作品。
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双子の姉弟の話。
大学って猶予期間ですね。
姉、華子の我儘っぷりは好感がもてますし、かっこいいところもあります。
そんな姉に振り回される形の弟、冬治。思慮深いようで。後半はうじうじしてました(笑)
色々ありましたが、二人とも猶予期間を終えて進み始めました。読後は爽やかです。
熊野氏の「夢なんてなくてもいいんですよ」が印象的でした。
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ずっと読むか迷っていた作品。
早く読めばよかった。根拠なく読みたいと思ってたものだけど、その感覚はあっていた。
華子と冬治。どちらもすごく共感出来る。こういう悩みながら成長していく、という話が好きなんだなと改めて思った。
面白かった。私の中にも、何かしら残るものがあったかも。また読みたい。今回借りたけど、買いたい作品。
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作者の作品は、本作で多分キリ良く十冊目を読み終えたと思う。世間では公開された映画「ナラタージュ」が注目されている(監督とかテレビの番宣による印象)。彼女の代表作に数えられる恋愛小説だが、その大体においての作風というのは、登場人物が何を考えているのかイマイチ分からない。何かしら重いもの(過去だったり立場だったり)を抱えており、その衝突や関係性が物語に影響を及ぼしたりするのだが……。
ただ、本作に関しては、その普段の重さを取り払ってコミカルで今までの作品と比べると分かりやすい行動を取る愉快な人物が殆ど。珍しく主人公が男性で、一人称視点で繰り広げられる。そして何より恋愛小説とは一風異なった青春小説として自分は楽しく読むことが出来た。
個人的な好みも兼ねると、今まで読んできた島本作品で、本書の他にも「一千一秒の日々」「週末は彼女たちのもの」は明るく、湿った空気が少ないカラッと、読みやすく楽しく過ごす事が出来た。逆に言えばそういう部類に本作は分けられるため、人によってはいつもと作風が違うと感じると思う。
さて、肝心な内容に触れると、大学生の男女の双子、奔放な姉・華子に振り回され主人公の冬冶は巻き込まれ、そんな日常から関わりを持つ人が増え、一層騒がしくなっていく――。といった具合だろうか、説明だと面白さが伝わらないくらいにキャラクター小説とも言え、内容や盛り上げ方は漫画と似たテイストだと感じる事が何度かあった。特に気に入っている部分は、言葉の選び方、文章の流れが心地良く、時々サクッと鋭く刺さる。意外な場面でそういう例え、そういう独白を持ってくるか、と感じたり、冬冶が余計な一言を口にしそうになって飲み込む辺りはクドくないぐらいで丁度いい。
本文の中で主人公家族四人に対してクローバーと形容する場面があったが、読み終えて少し経ってから思ったのは、主要人物である主人公と姉、熊野氏、雪村さんの四人の姿もまたクローバー(幸福)に見えた。
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はじめは華子に振り回される冬冶くんを応援していたけどだんだんうざったく思うようになってきて、そんなときに冬冶くん自身の進路問題。
冬冶くんの出した結論には不服だなー。
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なんか、元気出た。
「たぶん、私があんまり誰かを本気で好きになれないのは、自分のことを好きじゃないからだよね。だって、好きな人がいいって言うと、今まで興味のなかった音楽とか本とかが急に特別な物に思えてくるじゃない。自分を気に入ってないから、自分越しに見てる世界も愛せないんだと思う」
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よく練られた、的確なフレーズが散りばめられている。最後のシーンは、何度も唸ることなしには読み進められなかった。
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もちろん大人になっても悩みはあるけど、大人でも子どもでもない、大学生の頃に悩んで考えたことって結構大切だったのかも、と思う。
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始めは章ごとに華子の相手の男の人が変わる感じの
小説かと思いました。
が、熊野さんと雪村さんという2人に出会って
双子がどう変わっていくかという内容でした。
私は冬治君に近い人間です。
なので、雪村さんや華子さんが冬治君に
投げかける言葉にグッとくるものもあった。
淡々とした話に思えたけど、最後まで面白く
読めました。
冬治君が選んだ道を将来どう思うのか
ちょっと興味があります。