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島本理生さんらしい、繊細で綺麗な、突き刺すようなひりひりした小説。
主人公の麻由はDVがトラウマになり、未だに立ち直れず。そんな中知り合った男性、蛍に少しずつ惹かれていく。
蛍の控えめな清潔な佇まいや、麻由のいとこ、さとるくんのおおらかでいつつ察しが良いところや、蛍の友人、紗衣子の揚げ物責め(笑)など。
重いテーマでも要所要所でほわんと息を抜ける場面もあり、上手いなあ!と笑ってしまう。
どうか二人が幸せになりますように。
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島本理生作品。やっぱりおなじみの、「どこか影のある男たち」が登場する話。
元彼はDV男、そのせいで精神が不安定になっていた主人公と恋に落ちた蛍くんもちょっと影がある。
やはりとても文章はきれいで、何気ない日常の1コマが味わい深いなあ、と思う。この人が暗くない恋愛小説をかいたらどんな感じになるのか?
毎度のことながら、ハッピーエンドな恋愛小説ではないので、ちょっと息苦しい気持ちになる。
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1回読んだことあるかもなーと思いつつ読み始め、やっぱり読んだことあるなーと思いつつ読んでても、結末まったく思い出せなかった一冊。
さとる君といい紗衣子といい、回りの人がいいキャラだね。
蛍の少々の強引さも、拒否されても何度もトライする姿も好感もてた。
途中、あ、いい感じの二人と思ってたのにこれも壊れちゃう(ナラタージュでもそういうことあったので)のかなーと思ってたら、ラストはそうとも言えない希望が見える終わり方だったからよかった。
蛍が元カノと出掛けるのやめてくれないと、今後もうまく行くとは思えないけど(笑)
文章キレイで読みやすかったけど、蛍もさとる君も紗衣子も、実際にはほぼいると思えないキャラだったから身近に感じられなかった分、評価は★3つにしちゃいました。
ちなみに、読みながら麻由ちゃんのイメージは私の中でなんとなーく蒼井優ちゃんだったんだけど、ラスト髪を切ったとこで間違いないと感じました(笑)
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島本さんのこんな感じの作品、私は好き。
あとがきにもあったけれど、本当に「ただいま」な作品だと思う。
麻由の心理にも、蛍の心理にも、自分と重なる面があって。
男と女として読むと、ふいにときめいてしまう場面もあって。
何よりも三十歳な蛍さんを可愛く(愛しく)思ってしまう自分がいた。
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希望と絶望とを行き来する、揺れる感覚がとても巧いなあと。
なんとなく、おかざき真里の『&』に通じるものがあるような…単に自分が好きな作品だから重ねてしまっただけかもしれないけど。
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島本さんの本はちょっと脆い主人公で下手にさわると壊れちゃうような世界観が好き。
ただ、蛍は男としてあんまりひかれなかったな。
麻由との少し他人行儀な二人の距離感のせいかもしれないけど。
そのぶん、麻由が心を完全に許してるさとるくんがいいなって思う。
あんなに女の子の心を分かってくれる彼氏がいたら幸せだろうな。
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まぁまぁ。
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川本真由はかつての恋人によるDVで心に傷を負い、生きることに臆病になっていた。ある日、カウンセリングの相談室で植村蛍という年上の男性に出会い、次第に惹かれていく。徐々に生活を取り戻し始めた真由だったが、もっと彼に近付きたいのに、身体はそれを拒絶してしまう。フラッシュバックする恐怖と彼を強く求める心。そんな眉を蛍は受け止めようとするが……。リアルな痛みと、光へ向かう切実な祈りに満ちた眩い恋愛小説。
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麻由は危なっかしい。想像に反しない苦しみと闘いがあった。
でも、もっと危うさを感じたのは蛍の方。本人が自分の危うさを自覚していない分、触れたら壊れてしまうような怖さがあった。また、その危うさの原因が私にはイマイチ解らないし…。
でも、お互いをとても大事にしあっているところに希望を感じた。二人とも問題に向き合い、幸せな未来が訪れるはず。がんばれ。
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島本理生の書く男が好きすぎて、読んだあとはいつも消化不良のような欲求不満のような気持ちになるけれど、結局はそういう満たされなさが好きなんだと思う。弱くてたまらない。わたしはずっとこのひとの書く男に恋をするだろう。
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島本さんの描く精神の世界は焦燥感がありながら綺麗で、文章からキラキラ瞬くものが目に見えるようです。中でもこの本は舞台となってる夏と言う季節が表す短さを読みながらに体感するようで、しかしながら一瞬も飽きず一気に読み切れました。島本さんの良さがコンパクトにギュッと詰まった作品です。10代20代の女性で島本さんを知らない方は、おすすめしたい作品。
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どのページを開いても必ず1つはハッとする表現を見つけてしまうほど研ぎ澄まされた文章で紡がれたとても切ない恋愛譚。この威力は並ではありません。
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あまりにも自分の身に覚えがありすぎて、途方に暮れてしまった。
切なくて悲しくて、きっと、こんな感じ。
二人の寄り添いあう様子、蛍の慮る様子は本当に素敵。染み入った。
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2013/02/12
文章はとても綺麗。
やっぱりこの人はスゴイなと思う。
ただ、登場人物は悪い意味でやっぱり、という感じ。
そろそろ次の島本理生が見たいなぁ。
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ゆらゆらと平行線。
途中で泣きたくなって、もっと強くなりたくなった。
蛍もぜんぶ、みんなみんな包めるくらい、強くなりたいなー。
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島本さんの作品は、読んだあと切なくて、焦燥感に駆られる。そんなところが好きです。この作品も例外ではなく。
不安定さを持つ麻由と蛍を見守る、さとると紗衣子が温かい。麻由と蛍に彼らのような人がいるというだけで救われた気持ちになった。
麻由と蛍の幸せを願わずにはいられません。