紙の本
なかなか集中できない
2022/04/24 22:01
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投稿者:あっきゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学教授のそれぞれが書いた文章になるので、論文のようで取っつきにくい。トピックに興味があったので購入したが、なかなか頭に入ってこない本だったので残念に感じた。
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色々な切り口で世界の見方を提示してくれる本。読めば読むほど、スルメのように味を噛み締められる本に違いない。まだ一度しか読んでないくせに、そう思える。自分の興味が湧くテーマだと、なるほどははぁ、そうするとこうこうこれは、と思考が始まるのだけど、今日の湧かないテーマだと、全く思考の回路が働かない。また近い将来再読したい、含蓄ある本だと思う。
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文化人類学というものに初めて触れました。エンジニアという職種で仕事していることもあって、普段から構造化やパターン化をして物事を単純にする思考が習慣になっています。そのような生活をしていると、ある種の人間社会にもその構造化やパターン化がうまく当てはまるような錯覚をしてしまっていると自覚しています。その人間社会に引いた、もしくはすでに引かれた境界線の脆さに対しての向き合い方や考え方に色々なきっかけをもらえた内容でした。
また、多くの論文を引用する文章構成は普段そのような文章に多く触れる身としてはすごく読みやすかったです。
文化人類学を学ぶことで、チームビルディングや会社の文化形成にも応用できると感じたので他の書籍も当たってみようと思います。
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人類学をするというのは、人類における「日常」の在り方の可能態を、見つめるということなのだと思う。
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自分のなかにあることばをいったん疑い、別の理解、あらたなことばの可能性を探る。文化人類学という学問には、このフィールドワークという身体的経験が欠かせない。
近代科学の根底には、人々が経験的に感覚する匂いや味といった対象の特徴ではなく、形態や運動といった数学的にとらえられる対象の特徴を重視し、それによって世界の在り方が適切にとらえられるという発想がある。
★宗教、法、道徳、経済、芸術。これらの領域が混然一体となって駆動しているので、そこで用いられるモノを説明するにあたっては、その芸術的価値のみを取り出すわけにはいかない。
→イグナチオはここらあたりの議論かなと思う。
同様の歴史をもたないあ諸地域のモノを、芸術という限定的な領域に閉じこめて理解することの不適当さ。
芸術の人類学が、いまだ美という神話にとらわれていることを指摘し、美という領域を想定せずに芸術を理解する方法の必要を説いた。
ジェルが拒否するのは、芸術作品は、美や象徴を運ぶ、それ自体は何者でもないような箱であり、読み解かれるべきは中身だといった、従来の二元論的見方。そうではなくて、箱と中身はそもそも分けられず、作品とは何かのイコンでもなく、象徴でもなく、指標なのだ
指標としての作品は、観るものにたいして、みずからがこの世界に現れるにあたった過程(因果関係)を推論するよう促す行為体である。この過程とは、作家、販売者、モデル、所有者、加工者など、さまざまなアクターの社会的行為に満ちており、行為の痕跡は、作品のなまなましい物質性に現れてしている。
卓越した作品は、観るものを罠にはめるがごとく、うまくまきこみ、推論へと没頭させる。そして、観る者が作品の出現過程を自分では思い描けないとき、「いったいどうやってこんなものが出現するにいたったのか」という動揺にも似た圧倒的な感覚が引き起こされる。
芸術作品は、何が何と関係しあったかというネクサスをつくりだし、引き続くよう行為を方向付けるが、このネクサスの発生こそが、芸術作品の働きによる社会的効果である。
芸術作品とは美の表現ではなく、人間の社会的行為を媒介し、方向付ける形態である。その特殊性は、世界に変化を引き起こそうとするあらゆる参与者の意図や、芸術作品の生産・分配をつうじてそれを達成するプロセス、そしてその社会的効果にある
人間の生の諸条件と、可能性についての寛大でオープンエンドな比較による、批判的探究=人類学
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『文化人類学の思考法』読了。思考法マニアとしては、たまらない文化人類学的想像力に裏づけされた“思考道具”の数々が丁寧に整理されていた。「世界のとらえ方」「価値と秩序が生まれるとき」「あらたな共同性へ」三部構成で、13の文化人類学的視角が並べられてます。
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文化人類学がどういう学問かについて、扱う範囲を横断的に取り上げた入門書。学生向けのようですが、一般の読者にも大いに参考になると思います。
30年近く前、大学生の頃に少し文化人類学を学んだのですが、当時とは比べものにならないほど文化人類学側の意識が変わっていて、決して解釈を押し付けない、人々にどこまでも寄り添おうとする態度が印象的でした。
たとえば、呪術の章でシャーマニズムが取り上げられていましたが、大学時代にはこれが社会の安全弁として機能する側面もあると学びました。シャーマンとして託宣をする者が貧困層の出身で、託宣を聴きに来る者が富裕層である場合などは特に。
しかしこの本では、そうした解釈を価値観の押し付けだと切り捨てていて、30年近くも知識をアップデートしないままだった自分を恥じると同時に、文化人類学は約30年間、批判的に顧みてアップデートすることを続けてきたんだなと思いました。
煮詰まったとき、余裕がなくなったとき、選択肢は他にもあると思い起こすために、この本をずっとそばに置いておきたいです。
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文化人類学を学んでいる学部生だけではなく、広く人類学に触れてみたい一般の読者も読みやすい仕上がりになっている。
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文化人類学を学んでいたものとしては、懐かしいと思う論点が多かった。
また、導入部分を意図的に身近なものから始めることで、文化人類学に関わりのなかった人にとってもとっつきやすいのではないかと思います。
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フィールドワークや観察といったキーワードで本書にたどり着いた。序論にもあるように伝統的な文化人類学の書物とは違った切り口で、大変興味深い。巻末の参考文献やブックガイドも、ちゃんと読んでもらおうとする意志が感じられる。
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パラッと読んだだけではあるが内容は薄い 文化人類学にあまり馴染みがない私でもこの考え及びレベルなら知ってるぞ(どこかでよんだ)というのがいくつもあった。ただ参考文献めっちゃ充実してるので手引書ちしてはいいのではあるまいか 気になるところもう1回しっかり読んで参考文献を頼りに勉強ふかめていこうーである
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11/3は文化の日
「あたりまえ」の外へと出ていくための思考の道具が詰まった、考える人のための道具箱のような一冊。
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「当たり前と思っていて、これしか考えられない」という事に対して、
まずはホント?と疑ってみる。チョットいつもと違う行動をして経験してみる、
そういう事が大事だと思います。
自分の例を挙げると、
サラリーマンとしてピラミッド構造の会社に勤め、
全員平等の小さな会社を運営しており、
常に2つを比較して差異を感じています。
そういう経験が有ったので、最後の章「新たな共同性へ」に述べられている
生業やケア、コミュニズムといった内容をより興味深く読む事が出来ました。
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平易に書かれているが、テーマ自体が難しい。アカデミックな本に読み親しんでいる人にはいいと思う。価格もこの手の本にしては安め。
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文化人類学ってどんな学問?っていう概要がわかりやすく書いてあります。テーマ毎に著者が変わるので、著者によってはちょっと読みにくいところもありました。でも文化人類学から得られる面白さや価値観は充分感じられる本だと思います。
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松村圭一郎の贈り物と負債、を読んだ(第6章)
商品交換と贈与交換は分離された営みではない、というのが面白い。そのやりとりの中で、モノは意味や価値を変化させる。どこでも売られている商品でも、親族の遺品だと故人を偲ばせる大切な形見になるし、有名人の持ち物はありふれていても高額オークションの対象となる。モノは、いろんな履歴を辿る。このモノの意味や価値の変遷に注目したのがイゴールコピトフだ。彼はモノがかけがいない交換不可能なものといつでも交換できる商品という2つの極のあいだを動く、と指摘した。
私達社会の人間関係は、特定のモノのやりとりをするからこそ人間関係として維持される。
家族は何もしなくてもつながっているわけではなく、食卓を一緒に囲むといった行為を通して家族になる。別のモノのやり取り、たとえば食事の度にお金を払ったりすれば、その関係は別のものになる。世界の現実はこうして私達のモノを介したコミュニケーションが作り出している