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たいへんな作品を読んでしまったなあという気持ち……。
序盤の神々のたわむれ的な、現実と妄想がごっちゃになったような「ゆるふわファンタジー」な世界に引き込まれ、
戦争と詩歌というテーマが全面に出てきた「遠い旅」ではこういうお話しがずっと続いちゃうと辛いなと思いつつ、
縊死体と朔の意識、白さんの変貌を軸に世界の謎が明らかになっていくミステリーっぽさにドキドキワクワクし、
段々憔悴していく朔が辛くて、彼を幸せにしてあげて……と願いつつ十巻の展開にそういうことじゃねえと思ったりもしましたが、
みんな幸福……ではないかもしれないけど納得していて、おさまるところにおさまったような安心感。
詩歌は全くわからず解釈だとかについては語る言葉を持たないから、軽率にキャラクターの愉快さ等を面白がっていた。
あと世界がどうこうとかそういうの好きだから……
そういうの好きな人は好きだと思うけど、戦争が絡む重たいお話しとラスト2巻の強烈さはかなり人を選ぶよなあ(気軽に人に薦めにくい)。
それでも大好きなお話しだし、作者の熱量に圧倒される点でもたいへんな作品。
自分が何割も理解できてるか全く自信はないけど大好き。
番外編のために電書版も購入。