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本作品が雑誌『ダ・ヴィンチ』に連載されていたことは知っていたのですが、原作が漫画であることも、2020年にアニメになることも1ミリも知りませんでした(笑)。
まったく知識の無い状況で読んでも、この本、面白かったです。
物語は「龍を狩って、それを食べて、売る」という飛行船で空を駈け、龍を追う『龍捕り(おろちとり)』達を主人公にしたお話です。
イメージ的には『天空の城ラピュタ』にドラゴンをプラスして、マグロ漁船や捕鯨船での生活を混ぜ合わせたような感じと言えば分かりやすいでしょうか。
前知識なしで恐る恐る読んでいったのですが、すぐに背景が飲み込め、登場人物たちに簡単に感情移入できました。
本作品は小説用のオリジナルストーリーということで、あくまでも漫画読者の為の小説であるからなのか、メインキャラクター達の紹介はほとんどなく、いきなり冒険のど真ん中に放り出される感じです。でも登場人物がある事件の為に非常に少なく(主に登場するのは3人の女性のみ)、すぐにストーリーに入り込めました。
本書のあらすじです。
捕龍飛行船「クィン・ザザ」号は、原因不明の病気で男性クルーのほとんどが病に伏せっている状況で、数少ない女性『龍捕り』であるヴァナベルを中心になんとかクィン・ザザ号を近くの港町ネーベル市に着港させました。ネーベル市には、クィン・ザザ号だけでなく同じ病気を抱えた他の捕龍飛行船も何隻か停泊しており、ヴァナベルは、他の捕龍飛行船の女性『龍捕り』で外科医でもあるレギーナと協力し、病気の原因を探ります。捕龍飛行船のクルー達はネーベル市の薬膳料理の専門家である少女ラスヴェットの料理により、徐々に回復していくのですが、実はラスヴェットは大の『龍捕り』嫌いでした。ラスヴェットが『龍捕り』嫌いになった原因は、元捕龍飛行船のコックで食中毒を出したことで飛行船から下りる羽目となり、失意の中で亡くなったラスヴェットの父親が関係していました。しかし、ラスヴェットの父が起こしたと言われていた食中毒と今回の原因不明の病気の症状が非常に似ていたのです。ヴァナベル、レギーナ、ラスヴェットの3人はそれぞれ今回の病気の原因を探っていくのですが、そんな折り、ネーベル市に伝わる伝説の龍、『逆羽の龍』の危機が迫っていました。
うん、面白い。
謎解きの部分もあるし、伏線の回収の仕方も上手い。
そしてやはり、龍との空中での格闘戦は迫力がありますね。漫画が原作と言うことですが、映像化したらすごく映像映えしそうな感じです。
ちょっと、漫画のほうを試しに読んで見たのですが、漫画では主人公は男性『龍捕り』のミカだったのですね。漫画でもヴァナベルが主人公だと思っていました(笑)。
そして一番気になったのが、ちょくちょく出てくる龍肉を使った美味しそうな料理の数々。
龍肉料理「龍のレバー団子スープ」「龍肉クミン炒め」とかめっちゃ気になる~、食べてみたい(笑)。
それにしても『空挺ドラゴンズ』、ちょっとハマりそうです(笑)。