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ほぼ、同世代の著者。
関西から東京に出てきた境遇など、その時代に感じている思いも非常に近いものがあり、共感を抱きながら読めた。
音楽的に、演奏家としてのパフォーマー的才能ある彼らが、アイドルとして扱われ、世間からは音楽性を含めて正しく評価されてないのではと忸怩たる思いをチェッカーズに抱くあたりも、自分が贔屓にしていた某バンドのこととも重なり、熱く曲構成や、演奏の質などに触れている点も、その気持ちがよく分かる。
「チェッカーズの音楽には、そのような洋楽コンプレックスが感じられない。」
とあるが、洋楽コンプレックスを排除しようと70年代から80年代にかけてヒットを飛ばした某バンドがあり、そして90年代前後に、
「日本人が作り、日本人が聴くことで完結する自給自足ポップスが、チェッカーズにおいて完成したのである。」
というクダリには、勝手に首肯してしまった(笑)
曲ごとにその時代背景を語る記述も、懐かしい。
「1986年の夏についての補論。85年8月12日、チェッカーズは西武球場(当時)でコンサートを開催。(中略)
この日に起きた大惨事が、日航機墜落事故(御巣鷹山墜落事故)。いくつかの情報を総合すると、墜落寸前の飛行機は、西武球場の近くを飛行していると見られている。」
自分も、下宿先のテレビでこのニュースを見てたあの日。
1988年頃、フジテレビ、とんねるず、そしてチェッカーズの全盛を重ね合わせ、
「日本中の若者がそれを見てい、笑い、歌い、乗っている。もちろん私も、その中のひとりだった。」
という感慨も、非常によくわかる。
1989年「Room」の紹介では、
「先の≪素直にI'm Sorry≫とこの曲との間で起きた、世の中的に最も大きな出来事は、元号が変わったことである。「昭和」から「平成」へ。」
と、今まさに「平成」から「令和」へとの変わろうとするタイミングに、あの当時を振り返ることが出来た。 あの頃の青春の日々を、一気に駆け抜けた気分だ。
さて、次の時代が間もなく。行こうぜ、Periodの向こうへ!