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優しい色で語られる、でも決して楽な道ではない、ひとりの精神科医の人生が、ここにはありました。私が、心から尊敬する方のおひとりとなりました。
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統合失調症の母に育てられ過酷な幼少期を過ごした筆者は、様々な人との「出会い」を通して少しずつ社会復帰へと向かっていった。その実話をまとめたものがこの本である。
たいへん興味深く、また参考になる部分も少なからずあった。特に筆者が社会復帰へと向かっていく際の周りからのサポートに関しては多くの学びが得られた。
しかし筆者の生き方は一般人には到底真似できないもののように感じられた。彼女は非常に過酷な生い立ちでありながら医学部に合格できるほど、すぐれた頭脳や自制心の持ち主だからだ。例えば、3度目の自殺未遂を起こさなかった理由に関して「母のようになりたくなく、更に父からも脅されていたから」と筆者は述べている。しかしそれだけの理由があっても、並大抵の自制心では自殺を思い止まることはできないのではないだろうか。
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いい表題の本である。人は人によって潰されるが、人は人を浴びて人になる。人というのは言葉だけではなく、その存在も含めてだが。患者さんを癒やすのは、薬だけではなく、治療者の言葉だけではなく、その存在感だろうが、著者は治療者に救われたのではなく、自ら、自分を支えてくれる人を見つけていった。その力がある人かもしれないが、今だから、このように書けるのだろうが。治療者としてこのような存在になれるだろうかと無力感も感じてしまったが。生きていくのがすごくしんどい時にはげまされる本であり、治療者としての役割も考えさせられる本であった。
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「家族」「当事者」「精神科医」の三つの立場をもつ女性の自伝的エッセイ。
こんなに率直に語っていただいていいのだろうか、と感じるくらい身近に感じるエピソードの数々でした。
何歳の時にどんな出来事があり、それをどんな風に受け取ったのか。回復にはどんなことが力になったのか。
精神疾患に限らず、しんどさや生きづらさを感じる方に読んでいただけたらと思いました。
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タイトルが素敵。
前著『心病む母が遺してくれたもの: 精神科医の回復への道のり』と同じ傾向の内容で、人との出会い別に編集し、新たなエピソードを付け加えた本。
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私が感想を書くことを、もしかすると求められていないかもしれない、それほどに当事者感満載だった。
職場の人から借りて、返してほしいと言われるまで読むのを忘れてた本。
週末に一気読み。
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心の病にかかった精神科医の人生をつないでくれた12の出会い…と副題にあります。
母が統合失調症であり、自らも精神科の患者になり、精神科医でもある著者が、色々な人に出会い、良き伴侶にも恵まれ、今では幸せだと思えるようになったそうです。
苦しめられた母親に対しても、今では尊敬していると書かれていました。
尊敬出来るようになった心の変化がよくわかりませんでした。
この本は、講演でした話をまとめたような簡略な内容で今一つ、詳しい過程が私にはわかりませんでした。夏苅さんの他の著書をまた読んでみたいと思います。
ただ、精神的な病を治すのは、薬ではなく、人との関わり合いである。人は、人を浴びて人になる!という考えは、とても心に響きました。
個人的には、書かれていることを素直に受け止めて、苦しみから解放される手がかりにしたいと思うのに、それが出来ない自分がいて、まだまだだなぁとげんなりしました。修行せねば。
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超個人的私的感想
実際、お世話になっている先生。
今まで何かあっても誰にも言わず自分の中で解釈してきた人生の中、先生は初めて私に新しい考えをくれた人。
毎日馬鹿みたいに泣きながら電車に乗らずに済んだのも先生のおかげ。
だから読みたかった。
人との出会いを大切にすること。
いつか失うのが嫌で大切なものを増やしたくない。関係性に「諦め」が常にあった。
けど、先生みたいに出会いをに大切にしたら、もっと人を大事にできる人になれるかも。
出会いや、出来事から自分の成長、成功体験を見つけたいと思った。
最初は、読んでいて辛くなるの、共感する所も沢山。
でも、先生の言葉は優しいから、嘘が無いから、素直に受け入れられるし、持ちたくない希望が持てて少し嬉しくなっちゃう。
きっと地に足を着いて生きていけた時、先生は私にとって人薬のひとりで、
今も、もちろんそう思ってる。
私は先生だからこその診療に救われている。
毎日、生き繋いで生きているような私だから今こんな事しか書けないけど、いつか普通に生きられたらいいな。
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著者、夏苅郁子さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。
夏苅 郁子(なつかり いくこ、1954年 - )は、日本の精神科医。
北海道生まれ。父親の転勤で、幼少期から中学時代まで引っ越しが多かった。10歳のとき、母が統合失調症にかかる。家庭を顧みず収入を家に入れぬ父親とは疎遠であり、病んだ母親と二人の孤立した過酷な少女時代を送る。
両親が離婚した後、実家に引き取られた母と会うことを拒む。父の籍に残ることになったがもともと疎遠な父と暮らすことはなく、孤独と絶望から2度の自殺未遂。友人の仲介により母と再会した。その後イラストレーターの中村ユキ著の「我が家の母はビョーキです」という本を読んで、母の統合失調症を真正面から向き合うことにした。
現在の精神科医という仕事に就いているのは、若い頃の過酷な日々があったためなのかもしれません。
今後とも、仕事を通しての活躍をお願いしたい方です。
で、『人は、人を浴びて人になる―心の病にかかった精神科医の人生をつないでくれた12の出会い』の内容は、次のとおり。(コピペです)
人生には振り返るといくつかの大切な出会いがある.。絶望の一本道で立ちすくんでいた著者に希望を見出させた12の出会いを赤裸々に綴った感動のエッセイ。
統合失調症の母を持ち、辛く孤独な幼少時代を過ごした著者。世間への恨みをバネに医者を目指すが、先の見えない絶望感から摂食障害、依存症、リストカットなど心の病にかかり、研修医時代に2度の自殺未遂を起こす。
その後、いくつかの「出会い」に遭遇することで、少しずつ人生を肯定して生きられるようになる。自身の生い立ちと共に見つめ直す自伝的エッセイ。