紙の本
光と影の人間模様
2004/07/10 15:31
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投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る
今までとはガラッとかわってハードな叫びから静かなる闘志とでも言えば良いのでしょうか、映画界を題材にしながら華々しさはありませんね。簡単に言ってしまえば、女性プロデューサーが新人監督を起用してひと山当てようとするお話を、かっての恋人であった撮影監督(カメラマン)が語ります。彼女が発掘した今では人気の男優、元アイドルの再起を掛ける女優、新人監督、芸能プロダクションなどなど、野心と思惑が入り乱れながら映画製作にそれぞれの情熱を傾けるのでした。
映画の撮影現場の様子や撮影されていく過程など、ちょっと真新しさを感じます。派手さのないストーリーですが存在感ある登場人物が深く潜航して物語に奥行きをつけているようです。ただ、それぞれの存在感に優劣がないもので、登場人物全てが主役であるようにも思えたり、逆に誰が主役かわからないようであったりしているのです。…ん? いや、だからこそ光源なのかな。(^_^;) 光源を何処に求めるのか、それが移動しながら進行しているのだろうか。なるほど、ライトを浴びている時、影になった時、その明暗の中で人間模様が展開されているわけのだ。ふむぅ、こりゃ、侮れないぞ。
紙の本
桐野さんのお仕事小説?
2020/06/12 08:03
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投稿者:chieeee - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつもの桐野作品とは少し違う傾向の小説でした。大きくはお仕事小説になるのでしょうか?映画の制作現場で、監督、カメラマン、プロデューサー、男優、女優たちがそれぞれ自分の夢の為に頑張る話って言えば綺麗なお話に聞こえますが、そこは人間なので、裏切りだったり、プライドだったり、恋愛だったりが絡み合ってまぁ楽しめるお話でした。
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期待を裏切るエンディング。映画『ポートレイト24』を巡る物語。ばらばらなキャストが最後はひとつに・・・。もやもやしっぱなし。
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桐野夏生にしては「普通」な感じの本(笑)
清水の舞台から飛び降りる覚悟で映画に融資をするプロデューサーと、それに関わる俳優、監督、撮影、などそれぞれの利害関係の視点で書かれたお話。
最後はちょっとびっくりな展開だったけど。
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ある青年が持ち込んだ脚本で低予算の映画を作る話。それぞれの事情をかかえた人達が集まり、身勝手さ故にぶつかり合い破綻していく。淡々と読み終わってしまいました。
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映画好きとしては映画制作の裏話的な内容でおもしろかった。ただ、紹介文に書いてあったけど、「逆プロジェクトX」な内容で、つまりある映画企画が頓挫するまでを描いている。ちょっと前に映画制作が頓挫するまでを描いた「ロスト・イン・ラマンチャ」っていうドキュメンタリー映画があったけど、あれを小説にしたみたいな感じ。ただし、作者が桐野夏生だから、出てくるキャラクターがみんな自分勝手。これじゃ映画なんて作れるわけない。
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200601/
桐野第二段。小説らしからぬ本だと思った。「普通」の話、というかエピソードというか。最後も特にストーリーが終焉を迎えるわけではないのだけれど、ああ、ここで終わるのは正しい、のかな…?たぶん。というような。もう一度読んでみようと思った。
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小説の作法というものがもしもこの世にあるならば、まるきり作法を無視した作品。
ジャンル分けが難しい小説だと思う。
なんというか、ものすごく「ありそうな話」に仕上がっている「あるわけ無い話」で、語りとしては傑作なのだと思う。
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映画を見ているような感覚だった。
エンディングはそこなのか!と
あまりに先が読めなくて驚いた。
あまり読んだことのないカタチで新鮮だった。
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登場人物がどんどん増えて
訳がわからなくなりそうだった(笑)。
内容は面白い。
大勢でひとつのものを作る難しさと
人間模様がよく描かれている。
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いつでもカメラマン目線で物を見てしまう人がいるってことが新鮮だった。
同じものを見ていても、いろんな見え方があるんだなあ。と本編に関係ないけれど、印象的でした。
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桐野作品はいくつか読んでいるけれど、この作品は映画制作にまつわる話で、殺人とかは出てこないけれど、人間関係が複雑で、プライドと感情の行き違いがいかに人間関係を崩していくか、というある意味ホラーでした。映画関係者って範囲がかなり狭いから、皆が知り合いで、結構怖いですね。【2006年7月17日読了】
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人気俳優・復帰を目論む元アイドル・天才ぶった新人監督・昔の恋人を見返したいカメラマン 1つの映画を巡りそれぞれの思惑がプライドがぶつかり合う。映画界のウラ舞台をリアルに描く!こう書いたら面白そうかしら?実際 何の興味もわかない題材だったので あえて宣伝口調で始めてみました。期待もなくただの時間つぶしで読み始めたこの作品
流石 桐生女史!盛り上がりのないこの物語を最後まで引っ張る事ができたのも 彼女の力量。ちょっと甘いけれど
”○”というランク付けです。
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桐野さんの小説の中では地味?な雰囲気だと思った。
映画のシーンなど、丁寧に愛情を持って書いていると思うのだけど、結局映画は作られず、ナルシストな作者ならそんな展開は書けないんじゃないか、と思った。
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10/14 夢中で読んだ。このところの桐野夏生にはやられっぱなし。これも小説の形態としては珍しいなあと思った。それぞれの視点の突き放し方とか。ラストとか。映画の照明っておもしろいと以前から思っていたので興味深く最後まで読んだ。