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シリーズの3作目。
面白かった~。
鑓水の計画を読者にも教えておいてくれればいいのに、ドキドキする~!っていつも思う。
改めて言う事でもないが、戦争は恐ろしい。
そして、これは今まで考えた事もなかったが、戦争と報道について。当時の新聞が、そんなにひどい状況だったなんて、思いもしなかった。
今の世の中は情報があふれていて、真実を見極める力が大事なんだって思った。
そして、「火は小さいうちに消さなきゃならない」という事。今の安倍政権の事を言っているようで、ものすごく焦った気持ちになる。
私たちが気付かないうちに、色々なことが決められていってしまっている。大火になってからでは遅いのに。
正光医師が最後に指さした空。てっきり戦闘機がいっぱいの戦争中の空なのかと思ったけど、いつかのテレビで見たことがあるけど、渋谷の空に張られたロープウェイを指してた。幸せの青空。それを守っていくのが大人の役目なのだろうと思う。
いろいろ深く考えさせられる作品だった。
***
失踪した公安警察官を追って、鑓水、修司、相馬の3人が辿り着いたのは瀬戸内海の小島だった。そこでは、渋谷で老人が絶命した瞬間から、思いもよらないかたちで大きな歯車が回り始めていた。誰が敵で誰が味方なのか。あの日、この島で何が起こったのか。穏やかな島の営みの裏に隠された巧妙なトリックを暴いた時、あまりに痛ましい真実の扉が開かれる。すべての思いを引き受け、鑓水たちは巨大な敵に立ち向かう!
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読み終わるのが惜しいくらいおもしろかった。
いや、正直初めのうちは「白狐がだれかわかるまでが長くない? 今回の鑓水・相馬・修司シリーズ失敗じゃない?」なんて思ってなかなか読み進まなかった。
それが山波の話になってから一気に引き込まれた。
山波と正光の話し合いではわけもなく泣きそうになり、鳥山と溝口が公安に問いただされてるシーンでは、頑張れ頑張れ、と思わずにいられなかった。
太田愛さんがこの本を今書かなければ、と思った気持ちがよくわかる。
日本がこの先間違った道へ再び進みそうになった時、私はそれに気づけるだろうか……。
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2020/3/14読了。
「犯罪者」の時と同様、途中で「やっぱり上下巻になっていると、この作者の作品は『長い』な〜」とため息をつくこともあったけれど…
少し荒唐無稽なところもあるけれど…
重厚なテーマ、先が読めないストーリー、洒脱な会話、そして息を飲むようなアクション、すべてがうまく噛み合って、とても魅力的な作品になっていると思う。
主人公3人のキャラクターとその深い結びつきによって、なんとか納得できる結末になったのも、個人的にはほっとできて良かった。
緊迫した場面でも、クスッと笑ってしまうような描写もあり、ふっと力を抜けるのも良い。うまい。
いつも大変な事件に巻き込まれてしまう鑓水、相馬、そして修司には、少しゆっくり休んでもらいたいと思うけれど(笑)、
読み終わってこの3人と離れてしまうのは寂しいし、辛い。
どんなに面白いと思った本でも、再読、ということは今までほとんどしたことがないけれど、
今回はまたすぐ、最初から読み直そうかな?と思ったほど、大好きな1冊。
(そして本当に読み直しました)
今現在、コロナが世界中で猛威を振るい、いろいろと難しい時ではあるけれど、この本を読んでいると救われた。
曳舟島の人たちをはじめ、主人公3人に協力してくれた人たちのように、「良心」を持った温かい人たちがいつまでも幸せに暮らせる世の中でありますように。
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失踪した公安の刑事・山波を追って瀬戸内海の曳舟島にやって来た鑓水・相馬・修司の三人自身も公安に追われる身になっていた。島を歩き、山波の行方を捜す三人だが、なかなか見つからない。渋谷で亡くなった老人・正光の謎と山波の失踪に関わり、様子のおかしかった鑓水の出生の秘密、戦中・戦後を生き抜いてきた曳舟島の老人たちと正光の想い。
その思いを受けて、大きな賭けに出た三人。最後までハラハラドキドキだった。欲を言えば、相馬がその後どうなったか、知りたかった。
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どのような展開になるのか、白狐は誰なのか、と気になり読むペースが上がっていく。
面白かった。
多少戦時中の場面が長い感じがしたが面白かったと思う。
ただ訴えたい事や作者の思想が分かると少し冷めてしまった。一方で戦後の報道界や教育界に置いて左派的な思想、方針が現在でも脈々と引き継がれている事が分かる気がした。
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全貌を知ると、とても長い時間を経た底深い後悔が最初のシーンに込められていることが分かった。その後、1000万もの費用に値する捜査の目的が話題から薄れていったが、最後になって漸く表面化したストーリー展開だった。
下巻も次々と危機迫る展開の間に、この話の核になる回想がしっかりと書かれている。関心を持ったのはその情報元だった。ノンフィクション?と錯覚するほどの史実が映像で頭に思い浮かんだ。
そして、タイトルとも関連するこの物語の主旨が"火は小さいうちに消す"ことだった。この部分は、著者が意図するノンフィクションではないかと感じた。読み応えがある作品だった。
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上巻で広げられた風呂敷を丁寧に回収する下巻。
二転三転しながらも、着実に結末に向かっているという安心感があった。
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鑓水さんかっこよかった
色々伏線回収されるし、話が深くて面白くて、感動できるところがあって考えさせられた。
戦争の恐ろしさをこんなに詳しく感じたのはなかなかない。
捜査の方法とかが面白かった!
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内容(「BOOK」データベースより)
失踪した公安警察官を追って、鑓水、修司、相馬の3人が辿り着いたのは瀬戸内海の小島だった。そこでは、渋谷で老人が絶命した瞬間から、思いもよらないかたちで大きな歯車が回り始めていた。誰が敵で誰が味方なのか。あの日、この島で何が起こったのか。穏やかな島の営みの裏に隠された巧妙なトリックを暴いた時、あまりに痛ましい真実の扉が開かれる。すべての思いを引き受け、鑓水たちは巨大な敵に立ち向かう!
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戦時中の報道規制や疎開の制限とか詳しく書いてありました。火種は小さいうちに消さないといけない。現政権が次々にゴリ押しで理不尽なことをやっているのを見ると、声をあげていかないと取り返しのつかない事になるぞ!と思いました。折しも、ツイッターで国民の怒りが爆発。検察庁法改正案は潰れましたね。
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メインの登場人物は「犯罪者」「幻夏」に引き続き。今回の主題を考えるまでの伏線の仕掛けと登場人物の人物描写が膨大かつ精細なこともあって、「報道のゆでガエル」状態を非常に丁寧に描きだしている。非常に力作で、最後まで物語に引き込まれる魅力的な作品。コロナ下で家の中で過ごす時間が多くなった今、是非読んでもらいたい読み応えのある秀作。
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失踪中の刑事を追い、瀬戸内海の小さな島へ。
渋谷の交差点で亡くなった男性と島民と失踪中の刑事。
どんな繋がりがあるのか?
『上』巻で乗ってきたところで『下』巻へ突入。
これまた途中は、なかなか重いテーマで読むのに時間がかかりました(汗)
読み応えもあり、最後はドキドキ。
おもしろく読めました。
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途中、戦争の話が出てくるのでその時は難しすぎて眠くなったり読むのに時間がかかりましたが…その場面をのぞいたらもうどうなっているのか、結末まで寝る間も惜しんで一気見してしまいました。
太田愛さんシリーズはオチがしっかりしていてかつ簡単すぎない感じが読みごたえがあり好きです。
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今は亡き私の祖父の話をしよう。
祖父は憲兵だった。
祖父の弟は若くして満州の愛河という場所で戦死したらしい。
祖父の家には弟の遺影があった。
遺影には「悠久大義」と言う言葉が書いてあった。
永久に国家のために…と言う意味だろうか。
そんな祖父は戦後50年目にこんな句を残している。
「わがをもい 子供たち笑って 送る幸せを」
この本を読んで私は何も語れない。
誰を想って泣いたらいいのか分からない。
好きとかそういうレベルではなかった
全人類必読の一冊。
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戦時中の言論統制、公安警察を伏線に極上のミステリーに仕上がってます。ご馳走さまです。
あと、敵役も含めてキャラクターがみんな素敵です。