紙の本
ほんわかする
2022/05/01 08:26
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投稿者:かのま - この投稿者のレビュー一覧を見る
この小説の主人公はとにかく優しい。誰に対しても細やかな配慮ができる尊敬すべき青年です。小野寺史宣さんの書く小説の登場人物は、どの人も心が優しい人ばかりです。繊細で相手の立場に立ってものごとを考える、そんな優しい人で溢れています。こういう登場人物をかける小野寺さんにとても興味があります。
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風薫る五月
風潤む六月
風熱き七月
著者:小野寺史宜(1968-、千葉県、小説家)
解説:杉江由次 (編集者)
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サッカー部万年補欠の宮島大地を主人公にした青春高校生小説。予定調和で意外性は皆無だが、嫌いではない。
ラノベちっくな小説。
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2019年本屋大賞候補作に選ばれた小野寺さんに興味があったので、「ひと」を読む前に購入。
初めての小野寺作品を読みますが、特徴だったのは会話でした。普通ならセリフとセリフの間は、解説のような文章があるのですが、この作品での会話の部分では、解説は最小限に留め、ほぼ鍵かっこだけで会話が流れています。
その分、どのような心情になっているかは、読んでいる人が想像してくださいというような提示になっています。この作品だけがそういう風になっているのか、小野寺作品の特徴なのか不明なので、本屋大賞第2位受賞の「ひと」も注目したいと思います。
内容ですが、サッカーをメインにした小説ではありますが、試合という場面はほとんどなく、サッカー部補欠の主人公が、高校3年生の3か月間に友達や家族、将来などの問題に直面し、成長していく物語です。
帯では、「今までは一番号泣した」と書いていますが、涙というよりは、じんわりと温かく、さわやかにさせてくれます。
補欠ならではの悩み、レギュラーならではの悩み、人それぞれに悩みがあって、読んでいると、「あーそういう悩み昔あったな」と共感できる部分もあり、親近感をわかせてくれます。決して気持ちは暗い感じにはならず、読んでいると明るくさせてくれるので、最後は青空をバックに場面が終了するような爽やかさで終わったように感じました。
個人的に最後の試合の結果がどうなったのか書いて欲しかったです。
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高3サッカー部補欠の不遇な少年・大地の物語。
・風薫る五月
・風潤む六月
・風熱き七月
両親の離婚、母との死別を乗り越え、伯母と暮らす高3の大地は、みつば高校サッカー部の補欠。
しかし、自覚のないチームの潤滑油として働くも、熱い血が流れ、自分でも知らないうちに物語を動かしてしまう。
同級生のキューピッドから、離別した父との再会、伯母の結婚など、大地らしく生きる姿がまぶしい。
今年、いや、いままで読んだ中でBEST3.
小野寺作品の中で、一番。
心から皆に読んでほしい。
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補欠目線で部活生活を描いた本
補欠に甘んじてしまう心だったり、またレギュラーからの一言を気にしたりと補欠ならではの心がたくさん書かれている
最終学年で補欠が確定した時にレギュラーを諦めてその立場に甘んじるのか、レギュラーになるために更なる努力をするのか、または辞めるのか色んな選択肢の中でどれを選択するのか
その決断の時の気持ちもそれぞれ書かれている
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小野寺君の本は登場人物が優しい。べたべた優しいのではなく、ふとした人間の善の部分を取り出すのが上手いという感じです。
悪い人だったとしてもとっさに席譲ったり、落とし物を拾ったり、人命救助したりするじゃないですか。そういう人間の根幹部分の善を表現していると思います。
万年補欠の大地もまた、身のこだわりの無さが包容力に変換されて、株を上げるのに一役買っています。何も誰かの為にと躍起になっているわけではないけれど、結果的に人の為に動いてしまっている。そういう人っていますね。
気を遣うのがデフォルトになっている人間というのは、気を使わない事がストレスになったりするので、一概に傍若無人にしたからストレスフリーになるのかというと、そこはやはり違うんですよね。
そんなナチュラルにいいひと道を邁進する大地にはその自覚がありません。周りが勝手に人格者扱いしているだけです。
でも読んでいるとやはり大地いいやつ。こだわり無いから自分から歩み寄っていけるんだろうけれど、大事なところはのんびりでもしっかり考えてる。
僕はひたすら影が薄い人間だったので、同級生は誰も自分の事を覚えていない自信があるけれど、彼は皆の記憶にしっかり残るんだろうな。ある意味うらやましい。
スポーツものなのだけれど、ぐいぐいスポーツ一直線でもないのがいいな。強くなくても同じ方向を向いた仲間がいればおのずと熱血になるよね。若いってそういう事だったんだな。今になってふと思う。
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部活への考え方、レギュラーの考え方、補欠の考え方。一人一人の思いが書かれていて、そのどれもに共感できる部分がある。
クラブチームのようにとにかく上を目指してやりたい人もいる。
弱小だからこそサッカーをやろうと思う人もいる。
周りからの後押しでやってみようと思う人もいる。
レギュラーに選ばれていても、自分の中では違うと感じる人もいる。
レギュラーになれなくても続ける人もいるし、レギュラーになれないならやめる人もいる。
レギュラーの気持ちはレギュラーにしか分からないのか、と言われればそうなのかもしれない。でも、やっぱり一人一人考え方が違うわけだから、完全に理解することなんてできない。
補欠を下に見るなんてない、とどんなに口では言っても、そう見る人もいる。
そんなあれこれがよく描かれていた。
大地はよくくさらずにやっていたと思う。ちゃんと楽しんでよくやっていた。周りから「お前がいないとだめだ」「潤滑油だ」的なことを言われてそりゃ多少は意識するだろうけど、でも、そんな驕りもなく、よくやっていた。
少しずつ少しずつ伯母さんとの距離が縮まっていく様子がまたよかった。
泣いたのは2箇所。「優しい嘘をつける子になった」と「最後の切り札」。
ラスト、大地が決めてほしい!と読者は思うけれど、それじゃああまりに出来過ぎ。(それもいいけど!)
勝っても負けてもきっと私たちはうまく物語にするんだろう。でも、伯母さんの言うように、負けた時に認めればいい。勝つよ、僕らは。
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だいぶ前に作者の「ひと」の広告と一緒に、こちらも好評って感じで載っていたので、文庫のこちらから買ってみた。
中高とサッカーを続けているが、公立校の弱小チームでもレギュラーにはなれない大地。
両親は離婚し、引き取られた母とは死別し、今は伯母と一緒に暮らしている。
レギュラーになれないまま続けている中途半端な気持ち、伯母への遠慮、12年振りに会いに来た父への屈託、仲間との交歓、女子マネージャーとの仄かな関係、大学受験、アルバイト…。
大地は本当に仏様のような子だな。あんな子はいそうでいないね。
色々と書かれているけど、全体的に何だかふわーっとしていて、私にはあまり響かなかった。
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スラムダンクにもあるように、
強いチームは補欠がスゴイ!
互いの総力を尽くし、
それでも決着がつかない時、
勝負の行方を握るのは
レギュラーメンバーではなく、
代わりを務める
サブメンバーだったりする。
ただこの物語の主人公が
所属するチームは、
全国大会を狙うような
強いチームではない。
それなりに頑張る、
公立高校のサッカー部だ。
ということで、
そのチームで補欠である
主人公の実力もそれほどではない。
低い、といった方がいいくらい。
でもチームとなると、
強いチームと同じく、
弱いチームだって色々ある。
レギュラー争いだって、
先輩後輩の問題だって、
やっぱり起きるんだ。
お年頃だから、恋だってする。
家族の事情に心悩ますこともある。
そこは強豪校も弱小校も関係ない。
だからスラムダンクに出てくる
強豪校の補欠が果たすような役割も、
レベルは違えどやっぱり求められる。
この物語の主人公は、
それをきちんと果たす。
いい奴なんだ、本当に。
こういう補欠がいるチームは、
たとえ強くなかったとしても、
良いチームたり得る。
卒業しても時々集まっちゃうような。
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若い人向けの青春もの、かなと想像して読み始めたのですが、結構充実の内容でした。さすが憲剛推薦図書です!
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サッカー全く興味なし
高校生の息子はいるけど
高校生が主役の小説なんて別に興味なし
何も事件起きないし
え?どうなるの?なんて展開も全くない
なのに、引きつけられる
あっという間に読み終わってしまう
こんな子いいなぁ
こんな風に生きたいなぁ
小野寺さんの本を読むと
毎回思わされるなぁ
最後ありがちな終わり方なのに
嬉しくて、ちょっとうるっときた
真乃ちゃんと家族になって
大地がお父さんになって
サッカー部のみんなと集まったり
子育てと仕事におわれたり…
そんな日常を描いた続編希望します♪
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サッカーの小説は名作が多い!いや、サッカーを愛する作家に素晴らしい人が多いのか?とにかく面白かったです。主人公は万年ベンチの補欠の選手。かといってレギュラーに対して劣等感を感じ、卑屈な高校生活を送っているということではなく、それぞれの選手や登場人物が、それぞれの立場から悩んだり喜んだりしています。5月から7月までのほんの3か月の物語ですが、豊かな青春生活の貴重な体験を、一緒に過ごさせてもらって、充実感は抜群でした。
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ホケツは決して無駄ではない。
これはもちろん理解できる。
ただ、ホケツではないレギュラーにいること、これはただ上手いとか、才能があるとか、そんな簡単ではないと言う事を
私は知っています。
ホケツの描き方、レギュラーの描き方が
なんか、想像で書きましたって感じで
刺さらなかった。
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中学・高校と常にベンチを暖めている彼、ホケツと聞くと、どうしても劣等感や自分をよく魅せたいという気持ちありますよね。でも彼は彼の立ち位置があり、好きだからこそ続けている理由もあり、自分では気づけないけど、周りは分かっていたり、頼りにしていたりする。
団体競技って、こういうバランスが大事なんだろうなぁ。
勝つことも重要だけど、それだけじゃなく、勝つためのプロセスは最も大切な気がしますね。
目指せ、冬の国立‼目指せ、一勝(笑)