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作者の後書きにあるようにこの短編集はヒロイン一人ずつにフォーカスし学園での暮らしを記していた前の短編集と違って、ヒロイン達やそれぞれの状況が家庭教師の立場からどう見えているのか、という点に着目して作られているようだね
第1話 ”暁光の彩筆授業”
物語の序盤の頃にはまだ年相応の少年らしくメリダの色香に顔赤らめていた頃のクーファは何処へ……?
理由をつけてメリダを脱がそうとする彼はもうただの変態にしか見えないよ!
第2話 ”真昼の水心授業”
まさかこの作品で入れ替わりネタが描かれるとは。
状況的にはもっとキャッキャウフフが起こったって可怪しくない筈なのに真っ当にマナの講義風景になってしまうのはエリーゼの真面目さ故か
エリーゼがロゼッティの中身を看破する理由が巫山戯た言動でも真面目な言動でもなく、優しい言葉であったのはエリーゼがクーファをどう見ているのかが垣間見えて良かったな
第3話 ”黄昏の客扱授業”
偽巡王爵の際にクーファはメリダとエリーゼをメイド扱いしたのは少し懐かしい話だけど、ここに来てミュールとサラシャをメイド扱いとは。あの時は止むに止まれぬ理由があったけど、これは完全にプレイになってますね
意味不明でドタバタ劇を呼び込むきっかけとなった『代価』がしんみりするラストに至る展開には思わず唸らされた
第4話 ”夜影の追駆授業”
マディアってクーファと同じ暗殺者の筈なのに短編集や日常編では幼くて無力な少女にしか見えないのは何故……?
そういや、ネルヴァってマディアの正体を知っているんだっけ?すっかり忘れてたなその設定
普通は暗殺者が学内に混じっていると知れば大騒動にしかならない。でもネルヴァがそれを明らかにしない理由は……。もしかしたら恐怖以外の以外な感情が有ったりするんだろうか?
前の短編集に引き続きオチ要因として登場したミトナの姿は面白いと同時に少し懐かしい気持ちになってしまった
第5話 ”千日の三公祝日”
本編ではいつの間にか旅立って、いつの間にか戻ってきていたセルジュ。それを改めて送り出す形になったエピソードだね
また時系列的には革命後と新年度の狭間ということも有ってか束の間の穏やかさと言った印象も受ける
公爵家がバラバラになるのを避けるためにパーティを企画し彼らを饗したメリダ達。難しい立場となっていく彼らが恨み辛みも過去や未来への憂いなく歓談できたことは本当に良い時間だったのだろうなと思えた