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“「人間が、悪意をもって、ほかの人間の命をうばうのよ。その行為にたいして、執事、あなたはどう感じるかしら?」
「こわい、と思います。それに、かわいそうだと……。」
「そうね。それが正常な人間の感覚よ。けれども、そうじゃない人種がいる。」
お嬢様は宙を見つめ、なにかをにらみつけるような目をなさいます。
「なんておもしろい事件だ。そんなふうに思ってしまう、呪われた人間もいるの。」
それが、お父上である秋麻呂氏なのでしょうか。
そういえば、秋麻呂氏は自分のことを「名探偵」だと言っていました。
だからこそ、お嬢様は名探偵という肩書に強い嫌悪感をしめされるのかもしれません。”[P.41]
4巻目。
ありすの父上の登場。
次巻はゆきとの両親の事故に突っ込む……?
“それは、杖、でした。
銀色の杖。
その杖には、ワシの翼をもつライオンのすがたが刻まれていたのです。
グリフォンです!グリフォンのついた杖!
まちがいありません。
忘れようにも、忘れられない。
特徴的なかたちをした杖。
あの事故の夜、両親をうしなったあのとき、ぼくが目撃したのとおなじ……。
それが、どうして、ここに——?”[P.201]