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書楼弔堂 第二弾。
今回は塔子という女性が主体。
だからかこの時代の女性問題に因んだお話が
結構ありました。
もう一人。塔子と同じように主体となる人が出てきます。
いつも読みながら、この人はハテ誰なんだろう?
と考えながらほとんど分かりませんw
でも今回も面白かった。
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ハードカバーで購入して、すぐに読んでしまうのがもったいなく感じられ積読のうちに文庫版が出て、ブクログの本棚に登録しようとしたら、もうハードカバー版が出てきません。フレーズにも登録したのですが、だから、フレーズのページはハードカバーのものです。
「やはり」というか「さすが」というか、
京極夏彦、面白く読み終えました。
最も気に入ったのは最終話です。私の母が私が幼児の頃から話してくれていたことと同内容、とでも言いましょうか、母の言葉を思い出しながら読みました。
「死んだら生きている人の心の中に住むところを変えるの。だから、誰かに憎まれていたら、死んでからずっとつらいことになる。好かれていたら幸せなところで暮らせる。それが地獄と極楽。憎んでいる人はなかなか忘れてくれないし許してくれないから、地獄の方が長くなってしまうんだよ」園児だった私が「蜘蛛の糸」を読んだ後に「地獄って?」と母に聞いたときの返答がこんな感じでした。
それはさておき、このシリーズの趣向、大好きです。言葉の調べも大好きです。
狂言回しの彼女は薩摩武士の家系……薩摩武士と言えば、最近の新シリーズで(「天狗」)でも薩摩士族の家が出てきましたね。ちょっと苗字は違うようですが、関連があるのでしょうか。
今後、他のシリーズとの関連性(古本屋だけでなく、他の登場人物のつながりも)も拵えてくれる(明らかになっていく)ように期待しながら次作を待ち侘びています。
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面白かった!
前作と違って、今回は女学生の塔子の視点で語られる連作短編集。
これといって大きな事件があるわけではないけれど、いつまでもいつまでも読んでいたくなるような、心地の良い世界観。
続編はもう出ないのかなぁ。
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前作は、京極作として少し物足りなさがありましたが、今回は待ってましたとばかりに京極節の如く「ご主人」が大いに語ります。
京極夏彦を楽しみたい方にはお勧めです。
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やっぱり京極夏彦の作品は凄い。
精神的に安定する。
実在の人物が登場するので
書楼弔堂を読んだ後に読むと色々想像が膨らむ。
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歴史上の人物が、本当にこんな人間だったのではないか、と思ってしまうくらいのキャラクターへの丁寧な肉付け。
読後に歴史を洗っていると、私が作中で出会った人間たちが歴史の中にいて、今の日本を作ってきたのだと、不思議な感覚に陥る。
登場人物への理解と人間描写の巧さ、圧倒的知識をもつ京極夏彦の素晴らしさ。
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この時代の女性ゆえの悩みを抱えた塔子の視点がもどかしいような気もしつつ、自分もほとんど何も考えずに諾々と暮らしているのではと思えてきた。
京極先生が書く國男と言えば…なのに最初は名字に引っ張られて松岡譲かと思っていた。
歴史の裏側で一冊の本により行く末が変わったのならば、と思えて面白い。
しかしなかなか読み進まず。
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前作に引き続き、読書はいいなとしみじみ響くお話。死者は思い出の中、人の内で出会える。本も同様。読む人、思う人の内に現れる世界ってワクワクする。
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なかなか小難しい理屈をこねる。
面白いと思う部分もあるが、私にはよく分からなかった。
ご主人の話はためになるようでもあるが、果たしてなんのためになるのか。
そもそもなんのために本を読むのかとも思う。
よくわからんが、なんとか読み切った。
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「幽霊は怖い物ではございません。怖がるのは、怖がりたい方だけでございます。何しろ、そんなものはないのですから」
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明治三十年代、塔子は人気のない道を歩きながら考えを巡らせていると、松岡と田山という二人の男と出会います。
彼らが捜している書店は、今東西の書物が揃い、迷える人々に本を引き合わせるという書楼弔堂。
塔子と松岡國男、田山花袋、添田唖蝉坊、福来友吉、平塚らいてうらが交わり、明治時代を生きる人々の姿を描きます。
第二弾も良いなぁ。
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シリーズ第二弾の弔堂への案内役は、本を読むことができなかった若い女性。
家族に隠れて読む本は、どんなにどきどきしたことだろう。
今回も、弔堂を訪れる人は多士済々。田山花袋等作家だけでなく、勝海舟や社会運動家の平塚らいてう、乃木希典など、日清戦争後の時代の変化が写し出される。
なんの事件も起きるわけではないけれど、相変わらずの京極堂節が心地よい。
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今作は塔子さんが主軸。当時の女性の置かれた役割や家父長制についての煩悶は、未だ共感できてしまうもの。塔子さんの悩みと、弔堂の選書が照らしてくれる進んでいく道には涙してしまった。
松岡國男さんの辛さも、時代を超えるもの。死とは、そして死者はどこへ行くのか。それを考えることはどう生きるかにつながる。國男さんが立派に生を全うできたことにも涙した。
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書物で解き明かす歴史ミステリーですね。
「書楼弔堂」シリーズ二冊目ですね。
短篇連作の六話の物語です。
明治の三十年代初頭の歴史ミステリーです。
京極さんの作品としては、妖怪も魑魅魍魎も出てきません。
むしろ、京極さんの作品の原点回帰とも言えるかも知れません。人はなぜ「怪奇」を模索するのか。理路整然と語ります。また、関わりの有る人物を中心に物語が綴られています。
今回は、全編に天馬塔子(架空の人物)と松岡國男(後の柳田國男)が物語の牽引役になっています。
塔子は、女学校を卒業するが、祖父の男尊女卑に反発しながら、明治の旧弊に悩みながら「弔堂」を避難場所にします。
松岡國男も、自分は何を目指せばよいか、試行錯誤で、「弔堂」を灯台のように訪れます。
明治の三十年代初頭、魅力有る作家達や、歴史人物が登場しますから、興味はつきません。
田山花袋、平塚らいてう、乃木希典、勝海舟等々、書物も外国の作品も登場します。
時代を語り、事変を語り、この時代の魅力と京極さんの想いもうかがい知れます。
とにかく興味の尽きない、ページを捲る手が止まりません。
三冊目も出ていますので、読んでみたいですね。
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シリーズ2冊目と言うことで、今回もその人に必要な一冊を提供する不思議な本屋の話。
明治時代の文豪、文化人が登場し、ほぼ最後に正体を説明してくれるので誰であったのかワクワクしながら読めたのだが、勉強不足により半分はわからなかった。
後でネットで検索。知らなかった人を調べるのも楽しい。
「事件」では田山花袋がメイン。自分は殆ど古典などは読んでないのだけど、「蒲団」は既読であり、田山花袋の顔も知っていたので紹介されているシーンから興味深く読めた。
「無常」で登場した、乃木希典将軍。
中将になっても決断を間違え、卑怯者であると自分を卑下する。泣き虫で迷ってばかりの人物像に弱さを感じるが当時五十歳近くと自分と同年代であったので立場は違い過ぎるが迷いながら生きているところには共感できた。
最後は自決という道を選んでしまったが、店主の言葉や気持ちが届かなかったのか、何か強い思いがあったのかわからないが、やりきれない気持ちに。
しかしこの方自身にも更に興味が湧き、もっと知りたくなった。
四部作らしいので、次巻にはどんな偉人が登場するのか楽しみ。